平成28年度事業計画

 我が国経済を取り巻く環境は、所謂アベノミクスによる円安・株高傾向による緩やかな回復傾向が見られたものの、本年に入り原油価格の急落に加え、中国を始めとして新興国の経済減速や米国経済の先行き不安など、複数の不安要素が相俟って世界経済全体に対する悪影響への不安を膨らませたことから、円高・株安傾向に反転している。

 また、少子高齢化に伴う国内市場の縮小化に加え、消費増税並びに社会保険料等の負担の増額など、家庭の経済を圧迫するが故に個人消費が伸び悩み、日本経済が活性化しないと言う悪循環に陥ろうとしている。

 しかしながら、一方では2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた公共工事等の活発化、及び他の公共工事への財政出動等による景気回復の持ち直しもまた、期待される処である。

 斯様な中、内航海運業界にあっては、暫定措置事業が平成36年度を以て終息を迎えるべく新しい制度の下でスタートを切った処であるが、安全且つ安定輸送を担うべき内航船舶は全船舶の71%が船齢14年を超える老齢船となっており、海洋環境保護に貢献すべく近代設備を備えた船舶への代替建造が早急に求められている。これが促進するためには適正な運賃・用船料の収受に向け業界一丸となって取り組む必要がある。

 また、従前から叫ばれてきた船員の高年齢化による船員不足問題はいよいよ深刻さを増して来ており、若年船員の確保・育成問題は業界最大の緊急課題であり、船員が魅力ある職業であることのPRに努め、特に、海技教育機構卒業生は勿論のこと、水産高校生、工業高校生、一般社会人の中からも広く人材発掘に全精力を傾注しなければならない。同時に内航船員育成の効率化と海技レベル向上の為のシステム化の取組も必要となっている。

 加えて、東日本大震災での緊急物資輸送で広く国民に印象づけた内航海運の重要性、カボタージュ制度堅持に向けた対応等、広報活動の充実が今後益々重要になってくる。

 以上の如く重要課題山積する中、当連合会は会員各位及び総連合会と連携し、下記事項について総力を挙げて達成を期し、組合員の経営安定に資することとする。

 

〇 運賃並びに用船料の修復と適正化推進

〇 若年船員の安定的な確保・育成と雇用促進

〇 激甚災害地の復興に向けた支援活動推進

〇 内航海運暫定措置事業の円滑且つ着実な実施

〇 カボタージュ制度の堅持・研究

〇 組合の組織並びに活動のあり方検討

〇 内航海運についての海事広報推進・充実

〇 組合員等への情報伝達の推進及び業界発展に向けた諸施策の実施

以上