会長就任挨拶(新会長:小比加 恒久)

会長就任挨拶

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小比加 恒久

去る6月13日の第49回通常総会において、全国海運組合連合会会長に選出されました小比加恒久(おびか・つねひさ)と申します。
ご存じでない方もいらっしゃると思いますが、私の会社は先代が昭和24年に創立した東京都中央区で内航海運業を営む東都海運株式会社と申します。当社は当連合会傘下の関東沿海海運組合に所属し、私はその理事長も兼務いたしております。
このたび当連合会の会長就任に当り、このホームページの場を借りまして、ひと言ご挨拶をさせていただきたいと存じます。
私は今回の会長就任に当り、3点を目標に掲げました。まず、第1点は『組合財政の健全化』、第2点は『業界の地位向上』及び第3点は『情報の開示と迅速・的確な伝達』です。
まず、第1点の組合財政の健全化ですが、私はこれまで当連合会及び日本内航海運組合総連合会において、内航海運正常化対策を提唱・推進し、船舶積載㌧数の適正化による業界秩序の改善を図るとともに、それに伴う納付金の徴収によりひっ迫しておりました組合財政を改善し、昨今の建造需要増加とも相俟って、内航海運暫定措置事業の未払交付金の交付を進めてまいりました。
また、暫定措置事業により内航海運事業者数及び内航船腹量は著しい減少を辿り、当連合会では昨年、会員組合に対して会費の値上げをお願いいたしましたが、引き続き組合運営は極めて厳しいものがあります。
申すまでもなく、財政の健全化なくして組合運営の円滑な推進はあり得えません。私は、さらなる組合財政の健全化を推進してまいりたいと思います。
第2点の業界の地位向上ですが、内航運賃並びに用船料の適正化の問題と船員問題の根本要因は、内航海運業界の置かれている立場が縦割構造、系列取引等の重層的な我が国の産業構造の中であまりに低位にあるからではないかと思います。
いまこそ業界百年の計に立ち、内航海運の地位向上のために、内航業界の総意をもって、これに積極的に取り組むべきだと考えます。そのためには、内航海運業界のあるべき主張を的確かつ幅広く伝える広報活動が不可欠だと言えるでしょう。
私はこの度、他の組合の通常総会やパーティーに出席させていただきましたが、この中にあって、内航大型船輸送海運組合殿、全国内航輸送海運組合殿でも、広報活動の大切さと積極的な取り組みを活動方針に掲げておられました。奇しくも、当連合会と併せた3組合が広報活動を取り上げているということは、いまこそ業界挙げて取り組む下地が出来つつあると意を強くいたしました。
第3点の情報の開示と迅速・的確な伝達について申し上げれば、私は、組合運営の基本は情報の開示と迅速・的確な伝達にあると認識しております。当連合会においても設立以来、それが極めて重要な課題として取り上げられながらも、組織構造の複雑さもあって、個々の組合員の皆様に充分浸透するのには多くの時間を必要としてまいりました。これはいわば当連合会が抱える積年の課題でありました。
これまで当連合会はかねてより「組合員に対する情報伝達の充実」を事業計画の1つに掲げ、ファクシミリの活用を進める等の方策を講じてまいりましたが、私は時代に即してこれをさらに一歩進め、四宮前会長のご理解とご協力を得ながら本年3月、当連合会のホームページを開設いたしました。これにより、内航総連合会や当連合会の運営にかかわる諸情報や関係官庁等からの伝達事項を今後は、迅速・的確に個々の組合員の皆様にお伝え出来るものと期待しております。
さらに、今後はこれと並行してE-mailによる本部と会員組合、さらには地区組合及び支部とのネットワーク作りも構築してまいりたいと思っております。
私はこれからの当連合会運営に当って、常に副会長、諸先輩の方々を始め組合員各位の皆様のご意見、ご要望等を広くうかがってまいりたいと存じます。皆様方のご支援とご理解を何卒宜しくお願い申し上げます。

(平成19年6月21日掲載)