会長 小比加 恒久
組合員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成20年の年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
昨年の日本経済は、年末にサブプライムローン・原油高・円安等の影響で大企業の景況感に陰りがあったものの設備投資、雇用は堅調で、ほぼ順調に推移したと言えるでしょう。ただ景気の先行き警戒感が出てきたようです。中小零細事業者が大半を占める内航海運業界は、これまでと比べれば好転してきたとは言え、依然として運賃・傭船料が満足出来る状態になっていないのが実情です。バブル崩壊以降に低迷してきた内航船の運賃・傭船料は、荷主・オペレーターのご理解もあって、平成17年度前後から値上がりして参りました。しかしその一方で、改正船員法の施行に伴う船員費の上昇、鋼材を始めとする諸物価の高騰による新造船価格や修繕費の上昇、運輸安全マネジメント制度導入を受け内航事業者の負担も増しています。さらに燃料油の高騰については、燃研価格において昨年10月~12月の価格は、9月までのA重油67,850円から2,000円弱、C重油58,450円から5,000円強の値上げが予想されており、バンカーサーチャージ制度の確立は急務と考えます。
新年早々暗い話題ばかりでなく明るい話題としては、①建造申請が18年度に引き続き19年度も堅調に伸び、ほぼこの2月には交付金未払い分が無くなる見通しがついたことにより、これまで四苦八苦してきた暫定措置事業の先行きに光が見えてきた。②国土交通省のご指導の下で新6級海技士資格の取得の要請課程を新設出来たのは成果でしょう。③海洋基本法が施行され総合海洋政策本部が設置されました。ぜひこの機会に根本的な内航海運のあり方を検討して頂きたい。また国土交通省を中心にした海運の広報のあり方も議論されており、総連合会としてもいい機会であり積極的にアピールして頂きたい。④当連合会としてホームページを開設したところ、この11月には1,500件を超えるアクセスを頂きました。3月に開設以来順調に伸びております。今後とも修正を加えながら皆様方に的確な情報伝達手段としてご活用願えるようなホームページにしていきたいと考えております。
平成20年の干支は「戊子」(つちのえ・ね)です。陰陽五行学的には、全てがきちんと統制された形に纏め上げられ、盤石の形で完成する年となる。一言で言えば「整」であり、物事の形が最終的な形で固まる年となるそうです。
最後になりましたが、本年が内航海運と当連合会にとって、よい意味での「整」の年となるよう我々も一致団結して諸施策の推進に努力する所存です。組合員の皆様には、組合活動へのご理解と、ご協力をお願い申し上げ皆様のご健勝とご多幸を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。
(平成20年1月2日掲載)