厳しい状況の中で

会長 小比加 恒久

obika

ここに来ての日本経済は、景気後退局面に入り込んだ感があります。日銀が7月1日に発表した6月の日銀短観は、4年9ヵ月振りの低水準となりました。原油高・原材料価格の高騰が企業心理の悪化に拍車をかけていると言えるでしょう。
こうした中で内航海運業界は、以前にもまして厳しい状況に置かれています。燃料油の高騰はとどまることなく、油社側からは厳しい要求を突きつけられています。また、原材料価格の高騰は、建造船価だけでなく、修繕費・部品・消耗品に至るまで、値上げの要因となっています。さらに、大きな問題として船員問題が立ちはだかっており、船社として社業存続も考えざるを得ない環境にあります。
全海運の総会も終わり、「さあこれから」という時に、このような話から始めたくはないのですが、監督官庁である国土交通省さんの大幅な人事異動があり、海事局長をはじめとして多数の方が替わられました。ある程度は予想していたものの、想定以上の異動でした。業界としてもこれまで地道に進めてきたことが水泡に帰さぬよう、今後も国土交通省さんとの折衝を続けていきたいと思っています。
まもなく本格的な酷暑の季節となりますが、組合員の皆様におかれましては、体調管理に十分ご留意され、この難局を乗り切っていただきたいと存じます。

(平成20年7月2日掲載)