会長 小比加 恒久
内航海運業界にとって正念場ともいえる平成21年度に入りました。新年の挨拶でも申し上げた通り、業界を取り巻く環境は、月を追って悪化を辿っているのが現状です。
総連合会の調査によれば、一般貨物船の輸送量は、昨年同月比で1月が23%減、2月が30%減、3月には39%減と減少幅が拡大しています。主要貨物の鉄鋼に絞ってみますと、1月が38%減、2月が52%減、3月には58%減と過去にない激減状況にあります。そのため4月の用船更改期には、定期用船から運航委託への変更、返船、大幅な用船料の引き下げ、係船要請等々が頻繁となり、内航海運業界は未だ経験したことのない最悪の事態に陥っています。
こうした状況を踏まえて全海運は、1月の総連合会の政策委員会に「緊急不況対策」の実施を提案し、その関連事項として2月には引続き、①1月期下期の交付金受付 ②貸渡業者への緊急融資保証業種指定 ③運送・用船契約遵守について上野会長名での発信 ④21年度交付金受付回数を4回へ増加 ⑤交付金認定後の6ヵ月以内の解撤完了期限の延長、等の具体的な対策案を提示いたしました。既にこのうち⑤を除いた全ての提案が実施されていることはご承知の通りです。
総連合会では、上野会長の意向を受けた影山理事長が非常にスピーディーに行動されたこともあり、ここに来て「緊急不況対策」の実施が正念場を迎えております。その細部につきましては今後の検討となりますが、組合員の皆様方には引続きご協力を宜しくお願いいたします。
(2009年(平成21年)4月9日掲載)