会長 小比加 恒久
私は、6月17日の全海運通常総会及び理事会において、全海運会長に再任させていただきました。四宮勲前会長から引き継いで2年間会長を務めさせて戴きましたが、あっという間の2年間でした。振り返りますと就任直後は、多少の懸念材料はあったものの、内航海運業界としては順調に推移してよかったのですが、翌年(昨年度です)は、サブプライムローン・原油高騰・円高・極めつけが、リーマンブラザースの破綻による世界的金融不況となりました。
その後は、皆さんのご記憶にある通りの、減産・輸送量減から来る係船、返船、契約形態の切り替えと、我々を取り巻く環境は一変しました。全海運としては、年明け早々から「緊急不況対策」を総連合会に提案し、関係者のご理解と、努力の結果「21年度補正予算」に取り上げていただけました。後はこの予算をどう使うかが焦点になってまいります。
2年前の会長就任に当り私は、マニフェストで①組合財政の健全化 ②業界の地位向上 ③情報の開示と迅速・的確な伝達の3点を公約致しました。①と③につきましては、概ね合格点に近い所まで出来たとは思いますが、②の業界の地位向上は、いまだ及第点に達しなかった感がございます。
日本経済全体がこのような時期ですので、難題ではありますが、国土交通省としても、内航海運業界にある程度の存在価値を認めて、今回の補正予算を組んでいただけたのだと勝手に解釈して、今後も引き続き業界の地位向上と、これは執行部でも議論していませんが、組合のあり方を掲げたいと思います。
ここに来て、景況がドン底を抜けつつあるとの報道も見受けられるようになりました。私は若い頃船に乗った時に船長から、「波ばかりみていると駄目だよ!遠くの地平線を見なさい」と言われたことがあります。これは船酔い防止のためだと思います。いま私はこの話を思い出し、遠くの地平線をみるだけの余裕はないかも知れませんが、業界の将来を見据えた見方が出来ればと思ってます。
お陰さまで気力・体力だけは、誰にも負けない程度持っております。本日お集まりの皆様方には今後ともご指導・ご鞭撞のほどよろしく御願い致しまして就任の挨拶とさせていただきます。
(談/通常総会後の懇親パーティー(6月17日)挨拶より要約)
(2009年(平成21年)6月19日掲載)