会長 小比加 恒久
皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成22年の年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、年初から一昨年9月のリーマンショックの影響が顕著になり、鉄鋼・自動車をはじめとして各産業に於いて生産量、輸送数量の落ち込みが大きく、5月には対前年度比の輸送量が64%(貨物船)となりました。輸送数量はなんとか回復傾向にありますが、過剰船腹の影響もあり海上運賃の低下現象が下期以降目立つようになってきました。
また春先には、傭船料値下げ・委託への変更・係船・返船が相次ぎました。ここ数年かけて何とか回復してきた傭船料も数年前に逆戻りしてしまいました。
全海運としては、1月から自民党・国土交通省海事局・内航総連合会等に陳情・要望を重ね、又各組合の方々のご協力を得て4月に「内航海運緊急不況対策」を策定いたしましたが、まだ当初の思惑通りには程遠い感があります。特に船齢16年超に係る老齢船の処理については、本年3月の最終申請が終るまではコメント出来ませんが、特に今後3ヶ月・半年間の輸送数量の動きと、来年度の傭船料見通しが、大きな要因になると考えています。早急に処理が進まなければ業界としての大きな重荷になりかねないし、業界の存続にも絡む問題と考えます。 暫定措置事業に於いては、平成18年・19年と順調に推移してきた建造申請が、ここにきて激減し、21年度下期の資金管理計画では交付金をお待ちいただく状況が発生する事態となりました。
他にも、カボタージュ問題、若年船員の雇用・教育、高速道路の無料化の影響等もあり、何から手をつければ回復の糸口が見えてくるのかという状態です。
組合員の皆様には、非常に厳しいこの1年を一致団結して乗り越えていくために、組合活動へのご理解と、ご協力を御願い申し上げますと共に、皆様のご健勝とご多幸を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。
2010年(平成22年)1月1日掲載