会長 小比加 恒久
内航業界の正念場と考えていた平成21年度が終わり、新年度を迎えました。昨年度を振り返りますと、年度早々に「内航海運緊急不況対策」が策定され、①老齢船処理事業②海運事業等雇用調整助成金③鉄道・運輸機構(共有建造制度活用による内航海運活性化促進)といった事業が行なわれました。
暫定措置事業は、ここ2、3年順調であった建造申請が激減し、資金管理計画においては、下期の交付金の財源が不足となり交付金交付を見送らざるを得ない状況となりました。また、1月には船員保険が新船員保険、雇用保険及び労災保険に移行され、そして、3月には皆様方のご協力をいただききながら結果としては、限定した特例措置としてではありますが、前原国土交通大臣より沖縄のカボタージュ規制緩和が発表されました。
3月の貨物船の輸送量は、19年度と比較すると80%程度まで回復してきましたが、中国をはじめとする東南アジア諸外国の勢いは、目を瞠るものがあり、ここに来て産業界に進出の動きが出ていることにも注意が必要です。
内航業界としては、過剰船腹と老朽船の解消を意図した「老齢船処理事業」を3月に締切りましたが、全体で142隻、180,983対象トン。金額にして30億円強に終りました。この原因は、いろいろあるとは思いますが、過剰船腹と老朽船処理の件は、問題の先送りとなり当初の予想より時間がかかる事になりそうです。
平成22年度においては、①カボタージュ問題(コンテナフィダーの絡み)②暫定措置事業問題(25年度以降の単価、孫船、未交付金)③船員問題(若年船員の雇用)④高速道路料金問題、等々相変わらず問題山積です。
組合員の皆様には、まだまだ続くと思われるこの厳しい状況下、一致団結して乗り越えて行くために、組合活動へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
(2010年(平成22年)4月9日掲載)