今後の暫定措置事業について

会長 小比加 恒久obika10

今年の夏は異常とも感じる酷暑でしたが、組合員の皆様方にはいかがお過ごしでしたでしょうか。秋が殆ど感じることもなく冬に突入してしまいそうな気もします。
 さて民主党政権になって1年が経過しましたが、日本経済を取り巻く環境は、これまで以上に厳しい状況になっている気がします。リーマンショック以降、徐々にではありますが、国内物流輸送量が回復傾向にあるとはいえ、内航海運業界は荒波の中、漂流している感があります。また、法人税率引き下げ方針の財源として、民主党税制改正プロジェクト・チームにおいて、内航税制(特別償却及び買換資産の特例)の見直しが検討されており、予断を許さぬ状況にあります。
 さらに、行政刷新会議において、内航海運暫定措置事業の早期解消の必要性が指摘されています。これを受けて国土交通省では、内航海運事業者の競争力を強化し、代替建造を促進することが必要であるとして、省内に学識経験者等第三者を交えた検討会を設置することとなりました。同検討会では、①内航海運業の現状と内航海運が目指すべき中長期的な方向性について②代替建造を加速させるための具体的な方策について、等を11月中旬より議論し、具体的な取り組みの方向性を取りまとめる予定です。
 今回の検討会は、これまでの内航業界と国土交通省海事局で議論されていたのと違って、学識経験者、荷主業界等の外部委員が多数を占め、内航業界からも参加して議論される方向であります。内航業界の意見が受け入れられることは従来にも増して厳しいことが予想されます。
 なお、現状についてはこれまで申し上げているように、①船腹過剰な状態からの脱却②老朽船の処理が進まないことには用船料が上がらず、代替建造も出来ないというのが私の考えです。
 組合員の皆様には、まだまだ続くと思われるこの厳しい状況下、一致団結して乗り越えて行く為に組合活動へのご理解とご協力を御願い申し上げます。

2010年(平成22年)11月4日掲載