会長 小比加 恒久
皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成26年の年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、7月に参議院選挙が行われました。結果は自民・公明で過半数越えの135議席獲得により、これまでのねじれ現象が解消され、決める政治に期待を致しておりましたものの、年末の国会では、特定秘密保護法案等の強行採決が行われ、また年末27日には安倍首相が靖国神社を参拝し、中国、韓国からの反発だけでなく米国・EUからも懸念される事態となり経済への影響も心配されるところです。
昨年の年頭所感でも触れましたが、6年間毎年総理大臣が替わるといった現象は漸く解消されました。強力なリーダーシップを良い方向に発揮して頂きたいと思っております。昨年には、東日本大震災復興に伴う除染、東京電力への対応、使用済み核燃料等の処理に国が前面に出て対処するという姿勢が顕著になりました。昨年前半は、まだ半信半疑であったデフレ対策、為替もこの大きな流れの中で、変化を感じるようになって参りました。
内航海運業界は、皆様に長時間に亘ってご議論頂いた「平成28年度以降の建造等納付金単価」設定に関わる暫定措置事業既定の改正案につきまして、平成25年12月10日付をもって太田国土交通大臣の認可を頂きました。本件は、国土交通省殿をはじめ、財務省殿並びに公正取引委員会殿のご理解の下、暫定措置事業の収束を平成36年度ととらえ、平成28年度から平成36年度までの建造等納付金単価を設定しております。
平成22年6月の行政刷新会議(閣議決定)に於ける「内航海運暫定措置事業の早期解消を図る」に始まり今回の認可に至る間、国土交通省殿内に設置された「内航海運代替建造対策検討会」の提言から出た「内航海運暫定措置事業の今後について」の提示、総連合会からの修正申し入れ等を経て平成24年5月に「暫定措置事業のあり方に係る具体的対応策」が国土交通省と総連合会で合意されたのですが、財務省の予算執行調査により何点かのご指摘を受け、その後全海運案を総連合会案として取り纏めて頂きました。国土交通省海事局殿をはじめ、総連合会、各組合のご理解、ご協力に改めて深く感謝申し上げます。
船員の確保・育成につきましては、全海運から提案させて頂いた「海洋共育センター」が一般社団法人としてスタートしました。まだまだこれからですが、総連合会からもご支援を頂き成長させて行きたいと思います。海技教育機構関係校の就職内定率も年々上昇していますが、心配なのはこれまでの例で陸上関係の雇用が上昇すると、海上よりも陸上に流れる事が多かったという事実です。総連合会を中心として「内航海運」のアピールに一層努力していかなければならないと痛感しております。
昨年の9月、10月の台風の影響を受け、その反動による鉄鋼関係の計画輸送量は久しぶりの高水準となっています。自動車、家電だけでなくここに来て造船材も伸びてきたとの事ですので、今年4月からの消費税引き上げの懸念はありますが、太宗カーゴである鉄鋼の動きが大きなポイントになると思っております。セメント、砂砂利関係もかなりのタイト感があり、震災復興・東京オリンピック・沖縄関連と底固いものと思われます。
全海運においては、プロジェクト委員会を軸に3部会(船主・輸送船・砂利船)から出ている「事業者のコスト負担軽減等に向けての要望」青年部(青年経営者)からの「船舶の総トン数の測度に関する法律に関する提言」この2件には共通する部分もあり今後検討を重ねていく所存です。
今年は、甲午(きのえ うま)で甲、乙、丙等の十干(じっかん)と、子から亥までの十二支との60種の組み合わせで前半の60年、後半の60年に分けると、後半の最初の年に当たるのが甲午となり、人生の60年目を還暦というのもここからだそうです。甲は「木の陽」午は「火の陽」。木は燃えて火を生み「木生火」の相性。午の「活発な行動力」に甲の「伸びる」「発展する」性質が加わり、何事においても発展,前進していく年となる。何をするにしても、コツコツと努力をしていると必ず自分でも思ってもみない追い風が吹くことがある。それまでの苦労や心配が嘘のように事が運んで行くそうです。
癸巳で現す60年周期の前半と、全く違う極めて重要な動きをする年となりそうです。
組合員の皆様には、組合活動へのご理解と、ご協力をお願い申し上げるとともに皆様のご健勝とご多幸を祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。
2014年(平成26年)1月1日掲載