年頭のご挨拶

全国海運組合連合会
会長 藤井 肇


 新年明けましておめでとうございます。
 2017年(平成29年)の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
 昨年の日本は、北海道新幹線の開業、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍、ノーベル医学生理学賞受賞等明るい話題もたくさんありましたが、日本列島各地を襲った集中豪雨に加え、近年に無い6つの台風上陸、熊本、鳥取、福島を始め各地で頻発する大地震など、自然災害の恐ろしさをまざまざと見せつけられた1年であったと思います。
 この現象は日本のみならず、世界の様々な地域でも見られました。奢る人間達に地球の怒りが爆発し始めているのかも知れません。自然環境の維持・保全に真剣に取り組まなければならないと強く感じているところです。
 さて、昨年の我が国経済は、緩やかな回復基調傾向でスタートすることが出来ましたが、東日本大震災復興工事や、期待されていた東京オリンピック・パラリンピック施設工事も労働力不足から荷動きは鈍く、加えて、中国経済の減速を徐々に受け、特に鉄鋼など製造業にあっては、中国からの安い製品の輸出攻勢に晒されると言う、大変厳しい環境が続いております。
 今後我が国経済は、英国のEU離脱に伴うヨーロッパ経済への影響、米国新大統領の未知なる経済政策が及ぼす世界経済への影響等外的リスクを抱えると共に、少子高齢化に伴う人口の減少等から日本経済も大きな伸びは期待できないのではないかと危惧しているところです。
 内航海運業界は、暫定措置事業が昨年4月に交付金制度・納付金免除制度から新たに代替建造制度(納付金減額制度)に切り替わり、平成36年度の収束に向けて順調な滑り出しをしております。
 また、国交省に於いては「内航海運の活性化に向けた今後の方向性」をご議論頂いている処であり、暫定措置事業終了後の海運組合のあり方等について、早期議論の必要性をご検討頂いているものと推察致しております。
 現在、内航海運業界は、老齢船の代替建造促進と若年船員の確保・育成を喫緊の課題と捉え、特に若年船員の確保・育成に関しては総連合会一般会計予算の中から船員対策費を以て各種助成を行っておりますが、暫定措置事業終了後、海運組合はどうあるべきなのか、何を為すべきなのか、船員対策を実行するにしても資金の捻出はどうするのか、組合員事業者の皆さんのご理解を頂くためには健全・健康な海運組合を構築して行かなければなりません。その為には暫定措置事業が順調に行われている間に、業界内部で早々に議論を進めていく必要があると考えております。一昨年3月に全海運活性化プロジェクトチームが取り纏め、提言させて頂いた「次世代内航海運における事業者と組織のあり方」を是非参考にして頂き、活発な議論をお願いしたいと思います。
 全海運では、次世代を担う若手経営者との意見交換会を毎年行っておりますが、若手経営者は一様に、業界の意見を国、荷主団体等に要望して行く上での窓口として海運組合の合理化を前提に、その存在の必要性を強く訴えております。
 そうした期待に応えていくためにも、昭和42年に導入したスクラップアンドビルドによる船腹調整事業、規制緩和政策に基づいた暫定措置事業への移行、そして収束へと、半世紀以上に亘ったカルテル行為の功罪の検証・総括を踏まえた上で、暫定措置事業終了後の内航海運業界が社会的使命を遂行していく上での海運組合のあり方を、真剣且つ早急に議論に入らなければなりません。この認識については、内航総連合会を構成する5組合の中でもまだまだ温度差があることは十分承知している処ですが、私と致しましては内航総連合会会長のリーダーシップに大いに期待している処であります。
 今年も懸案事項は山のように積み重なっております。これらを一度に解決することは不可能でありますが、1つ1つ真剣に取り組んで会員各位のお役に立てるよう努めて参る所存です。
 引き続き、皆様の心強いご支援・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げますと共に、2017年(平成29年)が皆様にとりまして希望あふれる、輝かしい年となりますことをお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。

 平成29年1月1日