東北内航海運組合より「内航船船員対策事業の出前講座」の情報を頂きました。

 東北運輸局と東北内航船員対策連絡協議会(会長平岡清康)の共催で2月15日(水)、秋田県立男鹿海洋高等学校の海洋科2年生24名を対象に平成28年度船員対策事業の出前講座を実施し、講師は日本内航海運組合総連合会 審議役 藤岡宗一氏にお願いしました。

image2平川校長先生の挨拶

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(右)東北運輸局・海事振興部・澤村船員労政課長
(左)東北運輸局秋田運輸支局・梶尾運航労務監理官

○講義
 講義演題は「内航海運と内航船員について」であり、DVD(海を駆ける若者たち)を鑑賞し、藤岡講師により次のような説明をしていただきました。
① 外航海運・内航海運の船舶数、船員数や内航海運貨物の輸送量、事業者数の推移及びカボタージュ制度の概要。
② 内航貨物船員数と年齢構成の推移について、また、海技免状と船内組織について説明があり、船の運航には、船舶のトン数・船内組織体制(職務)により、甲板部、機関部ごとに資格別の海技免状を持った者が乗船しなければならない。資格は内航船では、3級を取得すれば、大型船の職員(船長など)として乗ることができる。
 次に、内航貨物船の就労体制、労働環境(個室、TV等の備付け)や労働条件(1日の労働時間、給与や休暇等)の改善により、最近、若年船員が増えてきている。また、仕事をするには上司や先輩の指導・教育を受けるほか、自分で経験を積むことも必要である。船員間の協調性(コミュニケーション)も求められる。
③  内航船の船種別荷役方法の説明や、給与についても乗船中は、固定給のほかいろいろな手当がつくので、年間収入は恵まれている。

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藤岡講師による講義

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熱心に聞き入る生徒達

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講義風景

○質疑応答
① 資格を取って、船員になるのが希望という生徒から、「船員間のトラブルの発生の有無について」の質問があり、講師から、内航船は3ヶ月乗船し、1ヶ月休暇となっているのが一般的である。499トンの内航船では、5名ほどが乗船しており、3ヶ月間一緒に働くので、性格が合わず、トラブルになるケースもある。仕事を円滑にするには、挨拶や協調性が必要である。一般的に先輩は、新人には優しく接してくれる。
②「将来船員になりたいと思っている。また、資格の必要性もよくわかりましたので大学に進み、資格を取ってから船員になりたい」という女生徒の発言があり、講師からは、内航船も女性が働きやすい職場となってきており、女性船員も年々増えていることが紹介された。
○配付資料
・内航海運と内航船員について