平成21年7月23日(木)Vol.115
内需4ヵ月連続対前年同月比40%超減少
鉄連、「鉄鋼需給の動き」(09年5月)発表
日本鉄鋼連盟は7月23日、「鉄鋼需給の動き」(09年5月)を発表した。
鉄連ではこの中で、5月の鉄鋼需給の概況を次のようにまとめている。
内外在庫調整の進展を背景に 、5 月の鉱工業生産指数、実質輸出指数はともに3 ヵ月連続で上昇し、日銀短観(6 月調査)による大企業製造業の景況感も改善した。一方、機械受注統計が悪化を続け、4 月、5 月の建築着工統計も極めて低水準で推移するなど設備投資関連は大きく後退している。
5 月の鋼材受注統計を見ると、内需は前年同月比43.5%減(4 ヵ月連続40%超の減少)と依然厳しい状況が続いているが、輸出向けは同13.7%減と同44%減であった1-3 月の水準から大幅に回復した。こうしたなか、経済産業省は09 年度7-9 月期鋼材需要見通しにおいて粗鋼需要を対前期14.3%増(同273 万トン増)となる2,177 万トンと発表した。尚、5月末の普通鋼鋼材国内在庫は
前月末比3万トン減の486 万トンと5ヵ月連続で減少した。
5 月の世界粗鋼生産量は7 ヵ月連続で2 割強の減産となる9,559 万トン(前年同月比21.0%減)となった。先進国では依然前年比半減が続いているが、中国はほぼ前年レベルの生産が維持され、インドは2 ヵ月連続の対前年増となった。
先日開催されたG8 会議では、世界経済に安定化の兆しがあるとの認識が示され、7 月のIMF 予測は2010 年の成長率予測をプラス2.5%へと4 月予測から0.6 ポイント上方修正した。しかしながら、足元の鉄鋼需要水準は極めて低く、生産能力拡大を受け、受注競争が激化すると共に保護主義的な動きが顕在化している。引き続き、内外の経済動向、鋼材需給動向、各国の経済政策に細心の注意を払う必要がある。
鉄鋼需給の動き PDF
世界鉄鋼協会(Worldsteel)速報 09.06 PDF