平成21年11月30日(月)Vol.140
前年同月比で粗鋼12.8%減、燃料油5.5%減
経産省、主要工業製品の2009年9月の生産速報発表
経済産業省は11月30日、主要工業製品の2009年10月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が880万トンで前月比6.4%の増となったものの、前年同月比では依然12.8%の減を示している。前年同月比減はこれで13ヵ月連続となった。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1,578.9万klと前月比では1.1%増だが、前年同月比5.5%の減となった。
10月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が377.4万トンで前月比6.8%増だが、前年同月比4.9%減。鋼板が94.3万トンで前月比3.7%増だが、前年同月比23.9%の大幅減。棒鋼が810万トンで前月比1.3%減、前年同月比12.1%減。形鋼が44.2万トンで前月比4.5%減、前年同月比25.4%の大幅減。線材が17.3万トンで前月比19.2%増だが、前年同月比47.3%の大幅減となった。
また、普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は184.7万トンで前月比5.2%増だが、前年同月比10.3%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は144.6万トンで前月比9.5%増だが、前年同月比23.5%の大幅減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は103.3万トンで前月比0.3%微増だが、前年同月比21.2%減と、いずれも前年同月比で減少を示した。しかし、総体的に2ヵ月連続で前年同月比の減少幅が縮小されており、需要の回復基調がうかがえる。
10月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて319.6万klで前月比3.9%増だが、前年同月比15.8%の減。ガソリンが477.3万klで前月比04%減だが、前年同月比0.2%の微増。軽油が353.5万klで前月比2.8%増、前年同月比1.6%増。需要期に入った灯油が136.9万klで前月比24.8%増、前年同月比6.2%増。ナフサが168.9万klで前月比2.8%増、前年同月比1.6%増。ジェット燃料油が122.7万klで前月比8.7%減、前年同月比8.2%減となった。
また、10月のコークスは306.7万トンで前月比6.7%増だが、前年同月比6.1減。液化ガスは32.8万トンで前月比19.1%減だが、前年同月比1.7%増となった。
鉄鋼生産速報 2009年10月 Excel
資源エネルギー生産速報 2009年10月 Excel
平成21年11月30日(月)Vol.141
生産は持ち直しの動きで推移
経産省、2009年10月の鉱工業生産速報発表
経済産業省は11月30日、2009年10月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。
10月は、生産、出荷が上昇、在庫は低下、在庫率は横ばいであった。
製造工業生産予測調査によると、11月、12月とも上昇を予測している。
総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 86.1 | 0.5 | 89.9 | ▲15.1 |
出荷 | 88.8 | 1.3 | 90.2 | ▲13.0 |
在庫 | 93.3 | ▲1.5 | 94.3 | ▲14.4 |
在庫率 | 116.9 | 0.0 | 114.9 | 3.0 |
1. 10月の生産・出荷・在庫動向
生産
10月の生産は、前月比0.5%の上昇と8か月連続の上昇(前年同月比は▲15.1%の低下)となり、指数水準は86.1(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、金属製品工業、情報通信機械工業等であった。品目別にみると、モス型半導体集積回路(メモリ)、半導体製造装置、蒸気タービン部品の順に上昇に寄与している。
出荷
10月の出荷は、前月比1.3%の上昇と8か月連続の上昇(前年同月比は▲13.0%の低下)となり、指数水準は88.8(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業等であった。
在庫
10月の在庫は、前月比▲1.5%の低下と2か月連続の低下(前年同月比は▲14.4%の低下)となり、指数水準は93.3(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、一般機械工業、鉄鋼業、輸送機械工業等であった。 10月の在庫率は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は3.0%の上昇)となり、指数水準は116.9(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、11月は前月比3.3%の上昇、12月は同1.0%の上昇であった。11月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、その他等により、12月の上昇は、電気機械工業、鉄鋼業、一般機械工業等による。10月の実現率は▲1.3%、11月の予測修正率は0.1%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成17年=100
平成21年10月 | 平成21年11月 | 平成21年12月 | |
平成21年10月調査 | 3.1 | 1.9 | |
平成21年11月調査 | 3.3 | 1.0 |
3. まとめ
10月の生産は、前月比0.5%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、11月、12月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。
鉱工業生産・出荷・在庫速報 2009年10月 PDF
平成21年11月30日(月)Vol.142
燃料油生産17ヵ月連続の前年同月比割れ
エネ庁、2009年10月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は11月30日、2009年10月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
10月の原油輸入量は1,776万kl、前年同月比93.9%と13ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、
(1)サウジアラビア(468万kl、前年同月比77.4%)、
(2)アラブ首長国連邦(440万kl、同104.1%)、
(3)カタール(219万kl、同136.7%)、
(4)イラン(204万kl、同78.5%)、
(5)クウェート(124万kl、同80.8%)、となっている。
なお、今月の中東依存度は89.8%、前年同月に比べ2.6ポイント増と3ヵ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,579万kl、前年同月比94.5%と17ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ及び灯油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は260万kl、前年同月比99.7%と2ヵ月連続して前年を下回った。 輸出は246万kl、同88.3%と前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,617万kl、前年同月比101.8%と前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1,249万kl、前年同月比83.7%と5ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を下回った。
石油統計速報 2009年10月 Excel
平成21年11月30日(月)Vol.143