No.163:粗鋼前月比2.5%減、前年同月比36.8%増 鉄連、2010年1月の鉄鋼生産概況速報発表
No.164:エチレン生産6ヵ月連続前年同月比増 稼働率も9ヵ月連続90%台を継続 石化協、2010年1月の実績概況速報発表

平成22年2月19日(金)Vol.163

粗鋼前月比2.5%減、前年同月比36.8%増

鉄連、2010年1月の鉄鋼生産概況速報発表

 
日本鉄鋼連盟は2月18日、2010年1月の鉄鋼生産概況速報を発表した。それによると1月の粗鋼生産量は、前月比で2.5%減だが、前年同月比で36.8%増となった。また、普通鋼が前月比1.3%減だが、前年同月比33.9%増、特殊鋼が前月比7.1%減だが、前年同月比48.9%増となり、前年同月比では普通鋼が3ヵ月連続の増加、特殊鋼は2ヵ月連続の増加となった。概要は次の通り。

2010年1月の鉄鋼生産動向をみると、銑鉄、粗鋼は前月比では減少したが、前年同月比では増加した。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)は 前月比、前年同月比とも増加した。

銑鉄生産は678.9万トンと前月に比べ5.6万トン、0.8%減少、前年同月比23.4%増加となり、前年同月比では3ヵ月連続の増加となった。

2009年4月~1月累計は5,924.0万トンと前年同期比14.8%減となった。なお、1月末の高炉稼働基数は前月と同様34基中26基であった。

粗鋼生産は872.3万トンと、前月比22.8万トン、2.5%減少、前年同月比36.8%増加となり、前年同月比で3ヵ月連続の増加となり、6ヵ月連続で800万トン台乗せとなった。

また、2009年4月~1月累計は7,866.1万トンと前年同期比16.6%減となった。

1月の炉別生産をみると、転炉鋼が711.4万トンと前月比2.0%減(前年同月比39.9%増)、電炉鋼が160.8万トンと同4.8%減(同24.5%増)となり、前年同月比でみると転炉鋼が3ヵ月連続の増加、電炉鋼は2ヵ月連続の増加となった。

1月の鋼種別生産では、普通鋼が694.4万トンと前月比1.3%減(前年同月比33.9%増)、特殊鋼が177.9万トンと同7.1%減(同48.9%増)となり、前年同月比では普通鋼が3ヵ月連続の増加、特殊鋼は2ヵ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は785.1万トンと前月比7.4万トン、1.0%増(前年同月比44.4%増)と、前年同月比では2ヵ月連続の増加となった。また、2009年4月~1月累計は6,913.4万トンと前年同期比17.3%減となった。

普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は630.4万トンと前月比11.4万トン、1.8%増(前年同月比40.8%増)となった。2009年4月~1月累計は5,668.6万トンと前年同期比15.0%減となった。

1月の品種別では、条鋼類は129.6万トン、前月比3.5%減(前年同月比10.7%増)で、前年同月比では2ヵ月連続の増加となった。

一方、鋼板類は494.0万トン、同2.8%増(同51.9%増)となり、前年同月比では3ヵ月連続の増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が388.5万トン(前月比2.0%増、前年同月比89.3%増)と、前年同月比で3ヵ月連続の増加となった。厚板は101.0万トン(同8.0%増、同12.2%減)と、前年同月比で12ヵ月連続の減少となった。一方、条鋼類では小形棒鋼が57.2万トン(同3.2%減、同1.8%減)が前年同月比で2ヵ月振りの減少となった。H形鋼は22.6万トン(同5.0%減、同22.1%増)と同2ヵ月連続の増加、大形形鋼は8.4万トン(同5.3%減、同2.4%増)と同16ヵ月振りの増加、中小形形鋼は6.9万トン(同0.6%増、同5.6%増)と同2ヵ月連続の増加となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は154.7万トンと、前月に比べ4.0万トン、2.5%減(前年同月比61.2%増)となり、前年同月比では2ヵ月連続の増加となった。2009年4月~1月累計は1,244.9万トンと前年同期比26.7%減となった。

全国鉄鋼生産高 2010年1月 Excel

全国鋼材生産高 2010年1月 Excel

バックナンバー>>
 

平成22年2月19日(金)Vol.164

エチレン生産6ヵ月連続前年同月比増

稼働率も9ヵ月連続90%台を継続

石化協、2010年1月の実績概況速報発表

 
石油化学工業協会は2月18日、石油化学製品の2010年2月の実績概況速報を発表した。それによると1月のエチレン生産量は、67万トンで6ヵ月連続して前年同月を上回り、プラント稼働率は97.1%で9ヵ月連続90%台を維持し、好調に推移している。概要は次の通り。

1. 生産動向

イ)エチレン 

670,100トン

前月比 + 1.0% (+ 6,700トン)
前年同月比 +33.7% (+168,900トン)

生産増減に係る諸要因

(前月比) (前年同月比)
日数増減
定修要因等 + 4.2%
能力増減
稼働率変動 + 1.0% +29.5%
 
生産増減率 + 1.0% +33.7%

稼働プラントの稼働率試算:当月97.1%(前月96.1%、前年同75.7%)

定修プラント:当月なし(前月なし、前年同月なし)

ロ)その他の品目

前月比では、主に稼働要因からLD、PP、PS、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、SBR、ベンゼン、キシレンなど10品目がプラス。HD、SM、MMAモノマー、EO、EG、ANなど7品目は稼働要因等からマイナスとなった。前年比では稼働状況の改善が続いており、LD、HD、PP、PS、SM、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、EO、SBR、BR、ベンゼン、キシレンなど16品目でプラス、EGのみマイナスとなった。

2. 樹脂の生産・出荷状況(LD、HD、PP、PS)

イ)生 産

前月比では、稼働要因によりLD、PP、PSはプラス、HDは逆にマイナスとなった。前年比では稼働状況の改善がありLD、HD、PP、PSの4樹脂で大幅なプラスとなった。

ロ)国内出荷

前月比では、年始休暇に伴う営業日数減からLD、HD、PPでマイナスとなった。 PSは包装用途分野での出荷増もあり、プラスとなった。前年比ではユーザー産業での生産活動の改善傾向に伴いほぼ全ての分野の出荷が前年を上回り、4樹脂ともプラスとなった。

ハ)輸 出

輸出は好調な環境が続いており、前月比ではHD、PSはプラス。LDは昨年末から高水準に推移してきたこともあり当月はマイナスとなった。前年比ではLD、HD、PSの3樹脂はプラス、PPは前年の水準が高かったことから比較上マイナスとなった。

ニ)在 庫

在庫量は4樹脂で増加した。在庫率(季節調整済)は、HD、PSで低下 、LDは前月並、PPは上昇した。在庫水準としては、LD、PPは稍高め、HDは適正、PSは稍低めの水準となっている。

前月対比増減量(トン) 季節調整済在庫率(ヵ月)
12月末 1月末
LD +26,200 2.6 2.6
HD +15,100 2.4 2.1
PP +54,500 2.5 2.6
PS + 5,700 1.3 1.1

バックナンバー>>