No.176:暫定措置事業廃止がまた俎上に 公的資金投入での早期解消論も 内閣府行政刷新会議が第1回規制・制度改革に関する分科会開催
No.177:軽除く乗用新車販売前年比37.2%増、前月比50.3%増 軽自動車販売前年比0.6%増、前月比41.5%増 自販連、軽自連が2010年3月の国内自動車販売台数速報発表
No.178:燃料油国内販売、前年同月比2ヵ月連続増 燃料油生産、前年同月比4.4%減 エネ庁、石油統計速報2010年2月発表

平成22年4月2日(金)Vol.176

暫定措置事業廃止がまた俎上に

公的資金投入での早期解消論も

内閣府行政刷新会議が第1回規制・制度改革に関する分科会開催

 
内閣府はこのほど、3月29日に開催した行政刷新会議の第1回規制・制度改革に関する分科会(分科会長=大塚 耕平内閣府副大臣・規制改革担当)の討議内容を明らかにしたが、この中で内航海運「暫定措置事業の廃止」が取り上げられた。これは、さる1月18日から2月17日までに「国民の声」の集中受付期間に寄せられた規制改革提案のひとつとして、「国民の安心・安全を前提に、新たな民間事業者等の参入や、事業者の創意工夫の発揮を妨げているような規制・制度はないか」の観点から取り上げられたもので、今後は関係者のヒアリングや論点の整理をした上で5月に関係省庁政務3役間の調整を経て6月の行政刷新会議に報告されることになっている。

今回の会議に出された資料によると、内航海運暫定措置事業の問題点は次のように示されているが、廃止賛成論として「新規参入や代替建造の障害となっている同事業を早期解消させるべく公的資金の投入などを講ずるべきである」としている点が内航海運業界にとって懸念される。

【内航海運暫定措置事業の廃止】

◇規制の概要

昭和41 年より続けられていた船腹調整事業の解消に伴う引当営業権の補償を目的として、内航海運組合法8条に基づき、内航総連により、平成10 年より開始された事業(同法18 条により独占禁止法適用除外)。

内航総連が、船舶の解撤者に対して交付金を交付し、建造者から納付金を納付させる内容。必要な資金は、内航総連が、(独)鉄道・運輸機構や金融機関等からの借入金により調達しており、納・交付金の収支が相償った時点で同事業は解消する。

◇ 廃賛成の意見

納・交付金の差額として多額の債務があり、今後の建造状況の如何によっては、同事業が終了するまでには相当程度の期間を要するものと考えられる。内航海運は経済効率性が高く、環境保全の面でも優れており、新規参入や代替建造の障害となっている同事業を、できるだけ早期に解消させるべく公的資金の投入などの施策を講じるべきである。

◇ 慎重な意見

国土交通省においては、環境性能の高い船舶への代替建造支援等を実施しており、納付金の安定的な確保による同事業の早期解消に努めているとしている。

なお、昨年12月の規制改革会議では、運輸分野の基本的な問題意識として、「運輸分野は、国民生活の基盤をなすものであり、安全・安心には十分に配慮しつつ、事業者の創意工夫による、より一層の利用者利便の向上や事業活動の効率化・活性化を目指した取り組みが必要である。とりわけ、高齢化が進展する中、日々の交通手段として、公共交通は必要不可欠なものとなっており、地域のニーズや事業者の創意工夫に対応した取り組みを進めていくことが重要である」とし、今後の課題のひとつとして内航海運暫定措置事業について次のように論点を整理していた。

内航海運暫定措置事業については、交付金を先に交付し、後から納付金で収支を相償わせるという事業構造であり、収支が相償い終了するまでには相当程度の期間を要するものと考えられる。

そこで、内航海運暫定措置事業については、できるだけ早期に終了するよう努めるべく、引き続き毎年度ごとの暫定措置事業の資金管理計画を明確にさせ、これを公表すべきである。

また、国としても着実な債務の償還が図られ、本件業務に係る政府保証額が前年度以下となるように監督することが必要である。

同会議には、外航海運の独占禁止法適用除外制度の見直しも、次のように取り上げられている。

【外航海運に関する独占禁止法適用除外制度の見直し】

◇規制の概要

価格、数量、販路等のカルテルは、公正かつ自由な競争を妨げるものとして、独占禁止法上禁止されている(第3 条)。しかし、外航海運に係る船社間の協定については、海上運送法第28 条により独占禁止法の適用が除外されている。

◇ 賛成の意見

外航海運市場においては、船舶運航事業者間で運賃やサーチャージに関する協定等が締結されている。運賃以外のサーチャージに関する船社間協定や協調的な運賃引上げについては、船社の実コスト以上に請求している可能性がある、算定根拠が不明確である、一方的に通告されるとの荷主の意見があること等から、利用者である荷主の利益を害しているおそれがある。

海運同盟による共通運賃の形骸化、EUによる適用除外制度廃止(2008 年10 月)等の環境変化を踏まえ、上記適用除外について検証し、見直しを行うべきである。

なお、上記適用除外については、公正取引委員会において、平成18 年に「政府規制等と競争政策に関する研究会」において検討した結果、平成11 年の適用除外制度の見直し時に制度が維持された理由は今日では成立していないとし、当該制度の要否を国土交通省にて検討されることを期待する旨の見解を表明している。

◇ 慎重な意見

安定的な国際海上輸送の確保の観点から、関係者の意見等を踏まえつつ、更に専門的な検討を行う必要がある。

「国民の声」受付結果及び内容について PDF

バックナンバー>>
 

平成22年4月2日(金)Vol.177

軽除く乗用新車販売前年比37.2%増、前月比50.3%増

軽自動車販売前年比0.6%増、前月比41.5%増

自販連、軽自連が2010年3月の国内自動車販売台数速報発表

 
日本自動車販売協会連合会は4月1日、2010年3月の軽自動車除く国内新車販売台数速報を発表した。それによると、新車販売台数合計は前年同月比37.2%の大幅増の44万3,298台で、8ヵ月連続で前年同月を上回り、前月比でも50.3%の大幅増となった。

3月の販売台数を車種別にみると、普通乗用車が19万8,304台で前年同月比70.7%の大幅増、前月比でも50.7%の大幅増。小型乗用車が20万4,522台で前年同月比20.2%の大幅増、前月比でも47.3%の大幅増となり、乗用車計で40万2,826台と前年同月比40.7%の大幅増、前月比でも49.0%の大幅増を示した。貨物車は普通・小型を合わせて3万7,778台で前年同月比10.7%増、前月比で64.3%の大幅増を示している。

一方、全国軽自動車協会連合会も4月1日、2010年3月の軽四輪自動車販売台数速報を発表したが、新車販売台数合計は17万7,511台で前年同月比0.2%の微増だが、前月比では41.5%の大幅増となった。

2010年3月新車販売台数速報 Excel

バックナンバー>>
 

平成22年4月2日(金)Vol.178

燃料油国内販売、前年同月比2ヵ月連続増

燃料油生産、前年同月比4.4%減

エネ庁、石油統計速報2010年2月発表

 
資源エネルギー庁は3月31日、2010年2月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

2月の原油輸入量は1,672万kl、前年同月比85.5%と前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、

(1)サウジアラビア(428万kl、前年同月比76.2%)、

(2)アラブ首長国連邦(321万kl、同78.7%)、

(3)カタール(193万kl、同96.5%)、

(4)イラン(180万kl、同69.5%)、

(5)クウェート(115万kl、同58.4%)、となっている。

なお、今月の中東依存度は87.8%、前年同月に比べ1.5ポイント減と2ヵ月連続して前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,649万kl、前年同月比95.6%と前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ及びA重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は264万kl、前年同月比145.5%と3ヵ月連続して前年を上回った。

輸出は218万kl、同96.5%と5ヵ月連続して前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,729万kl、前年同月比107.9%と2ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1,094万kl、前年同月比91.0%と前年を下回った。油種別にみると、ガソリンは前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

石油統計速報 2010年2月 Excel

バックナンバー>>