No.181:港湾コスト低減に内航フィダー船の強化が課題 国交省が成長戦略会議の取りまとめ素案 5月下旬に最終報告書 23年度予算に反映
No.182:粗鋼、前年比で62.8%の大幅増 燃料油、前年比で2.5%減 経産省、主要工業製品の2010年3月の生産速報発表
No.183:国内出荷3ヵ月連続増加、生産5ヵ月連続増加 鉄連、2010年3月普通鋼鋼材需給速報発表
No.184:四輪車、前年同月比71.2%増で5ヵ月連続増加 2009年度では四輪車、前年度比11.4%減 自工会、2010年3月・2009年度の生産実績速報発表

平成22年5月1日(土)Vol.181

港湾コスト低減に内航フィダー船の強化が課題

国交省が成長戦略会議の取りまとめ素案

5月下旬に最終報告書 23年度予算に反映

 
国土交通省はこのほど、第12回成長戦略会議で固めた海洋、刊行、航空、国際・官民連携、住宅都市の各部門別取りまとめ素案(中間報告書)を発表した。国交省で、同会議の最終報告書を5月下旬にまとめ、23年度予算要求に繁栄させることにしている。

海洋部門の取りまとめ素案についてみると、「海洋立国日本の復権に向けて」と題して日海洋インフラの利便性を抜本的に改善月国際ルール形成への戦略的な関与、の2点を「将来目指す姿・あるべき姿」として施策の方向性とし、政策検討のテーマとして日港湾力の発揮月海運力の発揮火造船力の強化並びに海洋分野への展開、の3点をあげている。

とりわけ注目されるのは「港湾力の発揮」の中で、大要次のようにまとめている点である。

世界的にコンテナ船が大型化しているのに対して、我が国の港湾がそれに対応できていないため、機関航路のコンテナ船がほとんど我が国に就航しなくなってしまう可能性すらある。

これにより、我が国産業の海外流出を加速させ、我が国そのものの国際競争力の衰退を招きかねない。

特に、内航海運も含めた我が国の港湾サービスは、コストが高く利便性などの面で劣る点があることから、近隣諸国と比べ競争力が低く、その結果、釜山をはじめとする海外港へ日本発着のコンテナ貨物が吸い取られている。

港湾の整備や経営は基本的に地方公共団体が担っているが、国際港湾間競争が激化する中で、効率的な港湾経営を進めるため、「民」の視点による港湾経営を進める必要がある。

外貿と内貿一体活用のターミナル形成促進するため、両ターミナルが隣接し一体運営を行うターミナルを確保し、埠頭間横持ち流動等の円滑化を図るため、ハード・ソフトの埠頭間アクセスを強化する。

内航フィーダーの効率性を高めてコスト低減させることは、港湾サービス向上に必要不可欠な課題に。そのためには、内航フィーダーの抜本的な生産性向上、効率化が必要で、特に内航海運の暫定措置事業は、船舶の大型化のコスト増を招いていることから、本来は、廃止も含めて早期の抜本的な改善が必要であろう。しかし、現状では収支相償からは程遠く事業者のみによる早期の廃止は困難である。したがって、まずは内航総連合会を中心に、業界としてこの問題に対する早期の改善策が求められる。内航フィーダー事業者のみならず、行政をはじめ、荷役、港湾管理など関係する全ての関係者が総力を結集し、コスト低減に取り組む必要がある。

内航フィーダーの効率化については、カボタージュ制度解禁が内航フィーダーのコスト低減に資するとの意見があり、かなりの意見交換と議論が行われたが、外国企業に対して一方的に解禁することは国益を損なう恐れがあるとともに、国内安定輸送を阻害する要因になるとの意見も強くあった。

内航フィーダーコストの引き下げを促進するために、内航総連合会の暫定措置事業に関する改善策(内航フィーダー船の船舶建造負担軽減の特例措置)の実施、内航フィーダーに係る燃料費や船舶関係経費の負担軽減(石油石炭税・固定資産税の軽減措置等)、あわせて輸送を担う内航フィーダー船、バージに対する経営効率化に対する支援を強化が必要である。

内航フィーダーに係る港湾コスト低減を図るため、国際コンテナ戦略港湾とその港湾に貨物を集中させる地方の港湾双方の内航船用のターミナルへの支援強化が必要である。

また、「海運力の強化」の中で、大要次のような政策案を示している。

1. 日本の外航海運関係税制の戦略的見直し

・トン数標準税制を諸外国並みに拡充

・船主に対する船舶の特別償却制度、買換特例制度の維持・拡大

・船舶に係る登録免許税、固定資産税の徹底的軽減

2 .日本商船隊の中核である日本籍船の増加に向けたコスト削減策の展開

・日本籍船に係る船舶設備・船員の資格に関する手続きの見直し

3.優秀な船員(海技者)の確保・育成のための基盤整備

・経済安全保障や陸上安全運航の確保、我が国外航海運企業の着実な発展の

ため、外航日本人船員(海技者)を雇用推進するため効果的なインセンテ

ィブ付与

外国人船員の有効活用推進のため、外国人海技資格受有者の日本船舶乗り

組み手続き等の運用改善

・船員職業の意義や魅力の認知度向上の取り組み

・即戦力新人船員の効果的な養成と教育体制の拡充及び練習船隊の整備等

4.日本商船隊を支える内航海運の競争力を強化するため、低炭素化、大型化、

グループ化に向けた税制の見直し

・船舶の特別償却制度、買換特例制度の維持・拡大等

船舶に係る固定資産税の軽減等

国土交通省成長戦略会議・海洋分科会報告(案) PDF

国土交通省成長戦略会議・海洋分科会規制改革検討リスト1 PDF

国土交通省成長戦略会議・海洋分科会規制改革検討リスト2 PDF

国土交通省成長戦略会議・海洋分科会規制改革検討リスト3 PDF

海洋インフラ整備のための具体的施策及び工程 PDF

国土交通省成長戦略会議・検討スケジュール PDF

国土交通省成長戦略会議・重点項目 PDF

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平成22年5月1日(土)Vol.182

粗鋼、前年比で62.8%の大幅増

燃料油、前年比で2.5%減

経産省、主要工業製品の2010年3月の生産速報発表

 
経済産業省は4月30日、主要工業製品の2010年3月の生産速報を発表した。

以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が934.1万トンと前月比で10.6%増、前年同月比で62.8%の大幅増を示した。前年同月比増はこれで5ヵ月連続。これにより、2009年度の粗鋼生産(速報ベース)は、9,644.9万トンで対前年度比8.6%減となった。年度後半に持ち直したものの、前半の低迷が響いた。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1,751.5万klと前月比で6.2%増だが、前年同月比では2.5%減となった。

2月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が417.0万トンで前月比11.0%増、前年同月比で102.7%の大幅増。鋼板が117.1万トンで前月比25.1%増、前年同月比4.3%増。棒鋼が79.6万トンで前月比10.2%増、前年同月比6.7%増。形鋼が48.6万トンで前月比11.1%増、前年同月比で35.6%増。線材が18.0万トンで前月比18.6%増、前年同月比78.8%の大幅増となった。これにより2009年度の燃料油生産(速報ベース)は、1億9,642万klで前年度比5.9%の減となった。

また、普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は217.4万トンで前月比19.7%増、前年同月比130.7%の大幅増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は176.2万トンで前月比17.3%増、前年同月比で148.1%の大幅増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は122.2万トンで前月比14.7%増、前年同月比130.0%の大幅増を示した。

12月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて371.9万klで前月比3.4%増、前年同月比9.6%減。ガソリンが501.7万klで前月比10.8%増、前年同月比0.2%の微増。軽油が351.5万klで前月比9.0%増だが、前年同月比9.6%減。灯油が208.8万klで前月比15.0%減、前年同月比1.0%減。ナフサが203.1万klで前月比7.2%増、前年同月比8.8%増。ジェット燃料油が114.4万klで前月比43.6%の大幅増、前年同月比19.0%増となった。

また、12月のコークスは321.1万トンで前月比11.5%増、前年同月比28.4増。液化ガスは42.4万トンで前月比15.3%増、前年同月比8.8%増となった。

2010年3月鉄鋼生産速報 Excel

2010年3月資源エネルギー生産速報 Excel

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平成22年5月1日(土)Vol.183

国内出荷3ヵ月連続増加、生産5ヵ月連続増加

鉄連、2010年3月普通鋼鋼材需給速報発表

 
日本鉄鋼連盟は4月30日、2010年3月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。それによると、普通鋼鋼材の出荷は439.8万トンで前年同月比3ヵ月連続の増加、生産は686万トンで同5ヵ月連続の増加となった。概要は次の通り。

3月の普通鋼鋼材出荷は、国内向けは439.8万トンで、前年同月比では97.9万トン・28.6%増と3ヵ月連続で増加し、前月比でも76.9万トン・21.2%増加した。一方、輸出向けは294.7万トンで、前年同月比で140.1万トン・90.6%増と8ヵ月連続の増加、前月比でも80.7万トン・37.7%増と3ヵ月振りの増加となった。

この結果、出荷合計では、前年同月(496.5万トン)比238.0万トン・47.9%増の734.5万トンと5ヵ月連続の増加となり、前月比でも3ヵ月振りに増加した。出荷合計の前年同月比増加率は、過去最大月である1960年4月(49.4%、118.6万トン)に次ぐ値となっている。また、国内向けの前年同月比増加率は、これまでの最大月である1987年11月(23.8%、5,706万トン)を上回っており、輸出向けは、1976年3月に記録した過去最高(307.7万トン)に次ぐ値となっている。

3月の生産は、前年同月(452.9万トン)比233.1万トン・51.5%増の686.0万トンと5ヵ月連続の増加となり、6ヵ月連続で600万トン台乗せとなった。また、前月比でも74.6万トン・12.2%増と4ヵ月連続で増加した。生産の前年同月比増加率は、これまでの最大月である1960年4月(53.5%、122.7万トン)に次ぐ値となっている。

3月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(633.0万トン)比48.5万トン・7.7%減の584.5万トンで、6ヵ月振りに減少した。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(513.6万トン)比49.0万トン・9.5%減の464.6万トンと6ヵ月振りに減少し、問屋在庫は前月末(119.3万トン)比0.5万トン・0.5%増の119.9万トンと、2ヵ月振りの微増となった。

国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(484.3万トン)比9.8万トン・2.0%減の474.4万トンと6ヵ月振りで減少し、輸出船待在庫も前月末(148.7万トン)比38.6万トン・26.0%減の110.1万トンと3ヵ月振りに減少したものの、5ヵ月連続で100万トン台が続いている。

在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、鋼帯(幅600mm以上)(27.5万トン減の145.2万トン)、亜鉛めっき鋼板(5.8万トン減の90.7万トン)、鋼管(3.2万トン減の48.8万トン)、H形鋼(2.4万トン減の27.2万トン)、鋼矢板(2.1万トン減の4.4万トン)、大形形鋼(1.7万トン減の6.1万トン)、小形棒鋼(1.2万トン減の54.4万トン)、一方、前月比1万トン以上増加した品種はなかった。

3月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の109.7%から30.1ポイント低下の79.6%、2008年3月(74.6%)以来の低水準となり、3ヵ月振りに100%を下回った。うち、国内在庫率は前月末の133.4%から25.5ポイント低下し107.9%であった。

普通鋼鋼材需給速報 2010年3月 Excel

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平成22年5月1日(土)Vol.184

四輪車、前年同月比71.2%増で5ヵ月連続増加

2009年度では四輪車、前年度比11.4%減

自工会、2010年3月・2009年度の生産実績速報発表

 
【四輪車】

3月の四輪車生産台数は945,271台で前年同月の552,071台に比べ393,200台・71.2%の増加となり、5ヵ月連続で前年同月を上回った。

乗用車の生産は823,943台で前年同月比75.9%の増加となり、5ヵ月連続のプラス、トラックは110,768台で同42.3%の増加となり、4ヵ月連続のプラス、バスは10,560台で同83.8%の増加となり、2ヵ月連続のプラスとなった。

3月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

◇ 乗用車

823,943台で355,474台・75.9%の増加。このうち普通車は463,841台で282,363台・155.6%の増加、小型四輪車は224,747台で61,228台・37.4%の増加、軽四輪車は135,355台で11,883台・9.6%の増加。

◇トラック

110,768台で32,912台・42.3%の増加。このうち普通車は43,533台で20,217台・86.7%の増加、小型四輪車は23,960台で4,510台・23.2%の増加、軽四輪車は43,275台で8,185台・23.3%の増加。

◇ バス

10,560台で4,814台・83.8%の増加。このうち大型は1,165台で563台・93.5%の増加、小型は9,395台で4,251台・82.6%の増加。

3月の国内需要は674,494台で、前年同月比23.5%の増加であった。(うち乗用車580,337台で前年同月比25.2%の増加、トラック91,463台で同14.2%の増加、バス2,694台で同2.3%の増加)

輸出は前年同月比185.3%。(実績)

また、2009年度(4~3月)の生産台数は8,865,350台で、前年度の10,005,771台に比べ1,140,421台・11.4%の減少となり、2年連続で前年度を下回った。

2009年度の車種別生産台数と前年度比は次のとおり。

◇ 乗用車

7,708,731台で845,668台・9.9%の減少。このうち普通車は4,140,564台で558,046台・11.9%の減少、 小型四輪車は2,304,576台で139,267台・5.7%の減少、軽四輪車は1,263,591台で148,355台・10.5%の減少。

◇ トラック

1,062,597台で267,280台・20.1%の減少。このうち普通車は422,015台で193,405台・31.4%の減少、小型四輪車は226,115台で62,230台・21.6%の減少、軽四輪車は414,467台で11,645台・2.7%の減少。

◇バス

94,022台で27,473台・22.6%の減少。このうち大型は10,225台で81台・0.8%の減少、小型は83,797台で27,392台・24.6%の減少。

2009年度の国内需要は4,880,265台で、前年度の4,700,779台に比べ3.8%の増加となり、4年ぶりに前年度を上回った。(うち乗用車4,175,456台で前年度比6.8%の増加、トラック692,035台で同10.9%の減少、バス12,774台で同14.7%の減少。)

2009年度の輸出は前年度比72.9%。(実績)

【二輪車】

3月の二輪車生産台数は64,711台で、前年同月の60,369台に比べ4,342台・7.2%の増加となり、31ヵ月ぶりに前年同月を上回った。

3月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

◇原付第一種

7,396台で 2,879台・28.0%の減少。

◇原付第二種

4,956台で 1,805台・57.3%の増加。

◇軽二輪車

8,270台で 1,652台・16.6%の減少。

◇小型二輪車

44,089台で 7,068台・19.1%の増加。

3月の国内需要(出荷)は42,461台で、前年同月比12.5%の減少であった。(うち原付第一種28,189台で前年同月比15.7%の減少、原付第二種7,500台で同3.7%の減少、軽二輪車2,912台で同30.7%の減少、小型二輪車3,860台で同23.0%の増加)

輸出は前年同月比82.5%。(実績)

また、2009年度(4~3月)の生産台数は604,823台で、前年度の1,085,504台に比べ480,681台・44.3%の減少となり、4年連続で前年度を下回った。

2009年度の車種別生産台数と前年度比は次のとおり。

◇原付第一種

91,940台で 61,282台・40.0%の減少。

◇原付第二種

65,509台で 49,225台・42.9%の減少。

◇軽二輪車

116,281台で 61,887台・34.7%の減少。

◇小型二輪車

331,093台で 308,287台・48.2%の減少。

2009年度の国内需要(出荷)は374,482台で、前年度の499,137台に比べ25.0%の減少となり、4年連続で前年度を下回った。(うち原付第一種239,144台で前年度比18.4%の減少、原付第二種78,020台で同29.1%の減少、軽二輪車35,119台で同32.6%の減少、小型二輪車22,199台で同49.6%の減少。)

2009年度の輸出は前年度比52.4%。(実績)

四輪車生産実績速報 2010年3月 PDF

四輪車生産台数実績 2009年度

二輪車生産実績速報 2010年3月 PDF

二輪車生産実績速報 2009年度

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