平成22年6月15日(火)Vol.192
サウジの沖縄備蓄基地活用で合意
沿岸特許で本土向け二次輸送にVLCCの投入を計画
資源エネルギー庁は6月14日、 サウジアラビア国営石油会社(サウジアラムコ社)との間でかねてより進めて来た「沖縄原油タンク活用プロジェクトの基本的事項」に ついて合意に達したと発表した。この計画ではかねてより、沖縄備蓄基地から本土の製油所までVLCCでの二次輸送を沿岸特許で認める よう要望されており、今後の成り行きが注目される。
合意概要は大要次の通り。
1.本プロジェクトは、サウジアラムコ社の原油を日本に貯蔵するもので、本 年内には、沖縄石油基地(沖縄県)においてサウジアラムコ社原油の貯蔵(約60万kl分)をスタートさせる予定。
2.このプロジェクトは日本、サウジアラビア王国両国にとって有益である。
①サウジアラムコ社にとっては、日本を含む東アジアオイルマーケットとの関 係の緊密化が期待される。
②日本にとっては、緊急時(石油の供給不足時)において貯蔵される原油の優 先的な供給を受けられ、エネルギーセキュリティが向上する。
3.本プロジェクトは平成19年4月に我が国からサウジアラビア王国へ 提案したものであり、両国間で議論を重ね、この度基本的事項の合意に至ったものである。本プロジェクトの開始により、日本への原油供 給の約28%を担うサウジアラビア王国との戦略的関係が一層強化されることが期待される。