平成22年9月1日(水)Vol.208
前年比で粗鋼9ヵ月連続増、燃料油横ばい
経産省、主要工業製品の2010年7月の生産速報発表
経済産業省は8月31日、主要工業製品の2010年7月の生産速報を発表した。
以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が922.3万トンと前月比で1.4%減となったが、前年同月比で20.4%の大幅増を示した。前年同月比増はこれで9ヵ月連続となった。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 584.3万klと前月比で15.0%増、前年同月比では0.2%の増で横ばいとなった。
7月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が382.0万トンで前月比6.3%減だが、前年同月比で15.0%の増。鋼板が101.4万トンで前月比0.4%減だが、前年同月比14.2%の増。棒鋼が73.2万トンで前月比10.3%減、前年同月比2.4%減。形鋼が40.0万トンで前月比17.0%減、前年同月比6.1%減。線材が14.4万トンで前月比14.6%減、前年同月比6.9%減となった。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は202.6万トンで前月比4.0%の増、前年同月比22.5%の大幅増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は175.0万トンで前月比0.9%減と横ばいだが、前年同月比51.7%の大幅増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は118.4万トンで前月比1.8%増、前年同月比32.4%の大幅増を示した。
このように7月の鉄鋼製品生産量は、前月比で減少させながらも、前年同月比では大幅な増加傾向を示している。
また、7月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて307.1万klで前月比6.5%増だが、前年同月比で7.1%減。ガソリンが497.4万klで前月比13.8%増、前年同月比5.2%増。軽油が398.6万klで前月比26.8%の大幅増、前年同月比4.2%増。灯油が91.8万klで前月比14.1%増だが、前年同月比6.9%減。ナフサが153.9万klで前月比12.0%増だが、前年同月比5.0%減。ジェット燃料油が135.5万klで前月比12.9%増、前年同月比0.4%増の横ばいとなった。
7月のコークスは317.0万トンで前月比2.0%増、前年同月比20.1%増。液化ガスは39.5万トンで前月比24.8%の大幅増だが、前年同月比10.2%減となった。
2010年7月鉄鋼生産速報 Excel
2010年7月資源エネルギー生産速報 Excel
平成22年9月1日(水)Vol.209
燃料油生産、前年同月比3ヵ月振り増加
エネ庁、2010年7月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は8月31日、20010年7月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
7月の原油輸入量は1 763万kl、前年同月比101.3%と前年を上回った。輸入量の多い順に見ると、
- (1)サウジアラビア(426万kl、前年同月比76.9%)、
- (2)アラブ首長国連邦(372万kl、同102.3%)、
- (3)イラン(227万kl、同104.1%)、
- (4)カタール(211万kl、同93.1%)、
- (5)ロシア(154万kl、同208.8%)、となっている。
なお、今月の中東依存度は85.6%、前年同月に比べ3.2ポイント減と前年を下回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1 584万kl、前年同月比100.2%と3ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は293万kl、前年同月比106.0%と8ヵ月連続して前年を上回った。
輸出は289万kl、同102.4%と前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1 550万kl、前年同月比104.6%と3ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1 144万kl、前年同月比96.5%と前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
原油受払 2010年7月 Excel
原油輸入明細 2010年7月 Excel
石油製品生産・在庫及び半製品在庫 2010年7月 Excel
需給概要 2010年7月 Excel
平成22年9月1日(水)Vol.210
生産は持ち直しの動きで推移
経産省、2010年7月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報発表
経済産業省は8月31日、2010年7月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報を発表した。概要は次の通り。
7月は、生産が上昇、出荷、在庫は低下、在庫率は上昇であった。
製造工業生産予測調査によると、8月、9月とも上昇を予測している。
総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 95.3 | 0.3 | 98.6 | 14.8 |
出荷 | 96.5 | ▲0.1 | 99.3 | 14.8 |
在庫 | 96.7 | ▲0.5 | 96.9 | 1.3 |
在庫率 | 108.3 | 1.5 | 105.0 | ▲14.7 |
月の生産・出荷・在庫動向
◇生産
7月の生産は、前月比0.3%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は14.8%の上昇)となり、指数水準は95.3(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、化学工業(除.医薬品)、パルプ・紙・紙加工品工業等であった。品目別にみると、反応用機器、フラットパネル・ディスプレイ製造装置、半導体製造装置の順に上昇に寄与している。
- 出荷
7月の出荷は、前月比▲0.1%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は14.8%の上昇)となり、指数水準は96.5(季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等であった。
◇在庫
7月の在庫は、前月比▲0.5%の低下と4ヵ月振りの低下(前年同月比は1.3%の上昇)となり、指数水準は96.7(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、電気機械工業、輸送機械工業、一般機械工業等であった。
7月の在庫率は、前月比1.5%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲14.7%の低下)となり、指数水準は108.3(季節調整済)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、8月は前月比1.6%の上昇、9月は同0.2%の上昇であった。8月の上昇は、鉄鋼業、電気機械工業、一般機械工業等により、9月の上昇は、一般機械工業、情報通信機械工業、紙・パルプ工業等による。7月の実現率は0.5%、8月の予測修正率は0.1%となった。
製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)
平成17年=100
平成22年7月 | 平成22年8月 | 平成22年9月 | |
平成22年7月調査 | ▲0.2 | 2.0 | |
平成22年8月調査 | 1.6 | 0.2 |
まとめ
7月の生産は、前月比0.3%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、8月、9月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる。
平成22年9月1日(水)Vol.211
四輪車、9ヵ月連続前年同月比増加
自工会、2010年7月の生産実績速報発表
【四輪車】
7月の四輪車生産台数は866 762台で、前年同月の742 247台に比べ124 515台・16.8%の増加となり、9ヵ月連続で前年同月を上回った。
乗用車の生産は746 248台で前年同月比16.0%の増加となり、9ヵ月連続のプラス、トラックは110 846台で同21.9%の増加となり、8ヵ月連続のプラス、バスは9 668台で同24.7%の増加となり、6ヵ月連続のプラスとなった。
7月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。
◇ 乗用車
746 248台で102 663台・16.0%の増加。このうち普通車は440 134台で92 106台・26.5%の増加、小型四輪車は196 222台で750台・0.4%の増加、軽四輪車は109 892台で9 807台・9.8%の増加。
◇トラック
110 846台で19 934台・21.9%の増加。このうち普通車は50 609台で14 653台・40.8%の増加、小型四輪車は20 757台で2 111台・11.3%の増加、軽四輪車は39 480台で3 170台・8.7%の増加。
◇バス
9 668台で1 918台・24.7%の増加。このうち大型は923台で43台・4.5%の減少、小型は8 745台で1 961台・28.9%の増加。
7月の国内需要は486 606台で前年同月比12.9%の増加であった。 (うち乗用車420 594台で前年同月比12.9%の増加、トラック64 926台で同12.7%の増加、バスは1 086台で同20.9%の増加。)
輸出は前年同月比124.4%
また、1~7月の生産累計は5 708 712台で、前年同期の4 63 675台に比べ1 645 037台・40.5%の増加であった。このうち乗用車は4 934 579台で1 440 748台・前年同期比41.2%の増加、トラックは709 425台で184 285台・同35.1%の増加、バスは64 708台で20 004台・同44.7%の増加であった。
【二輪車】
7月の二輪車生産台数は51 618台で、前年同月の48 448台に比べ3 170台・6.5%の増加となり、5ヵ月連続で前年同月を上回った。
7月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。
◇原付第一種
8 923台で 2 620台・ 22.7%の減少。
◇原付第二種
6 918台で 1 396台・ 25.3%の増加。
◇軽二輪車
10 511台で 2 350台・ 18.3%の減少。
◇小型二輪車
25 266台で 6 744台・ 36.4%の増加。
7月の国内需要(出荷)は30 631台で、前年同月比5.8%の減少となった。
うち原付第一種19 372台で前年同月比11.9%の減少、原付第二種5 548台で同18.9%の増加、軽二輪車2 725台で同31.8%の減少、小型二輪車2 986台で同58.7%の増加。
輸出は前年同月比116.5%
また、1~7月の生産累計は388 079台で、前年同期の409 429台に比べ21 350台・5.2%の減少であった。
このうち原付第一種は49 610台で28 358台・前年同期比36.4%の減少、原付第二種は42 694台で15 687台・同58.1%の増加、軽二輪車は59 670台で7 587台・同11.3%の減少、小型二輪車は236 105台で1 092台・同0.5%の減少であった。
四輪車生産実績速報 2010年7月 PDF
二輪車生産実績速報 2010年7月 PDF
平成22年9月1日(水)Vol.212
国内出荷、前年同月比13.1%減少
製紙連合、2010年7月の紙・板紙需給速報発表
日本製紙連合会は8月30日、紙・板紙の2010年7月需給速報を発表した。概要は次の通り。
【概況】
紙・板紙の国内出荷は前年同月比0.6%増と低いものの、8ヵ月連続のプラス。うち、紙は0.3%減、板紙は1.8%増。紙は5月に続き今年2回目のマイナス。板紙は伸び率縮小も9ヵ月連続のプラス。回復のテンポはダウン。前々年同月比では紙・板紙13.1%減、紙15.6%減、板紙9.6%減。
紙・板紙の輸出は前年同月比52.8%増。うち、紙は52.7%増、板紙は53.8%増。紙は東アジア、豪州向けを中心に11ヵ月連続、板紙は東南アジア向けを中心に9ヵ月連続のプラス。
紙・板紙の在庫は前月比2.3万トン減。うち、紙は1.2万トン減、板紙は1.1万トン減。紙は前月に続き、板紙は4ヵ月振りの減少。
【主要品種】
印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比1.5%減。塗工紙を中心に4ヵ月連続のマイナス。前々年同月比では22.2%減。他方、輸出は71.6%増、塗工紙を中心に12ヵ月連続のプラス。
包装用紙及び板紙の国内出荷は、回復基調を維持も、その勢いは低調(包装用紙7.2%増、段ボール原紙2.0%増、白板紙0.2%増)。伸び率は3月をピークに縮小傾向。前々年同月比では依然マイナス(包装用紙10.6%減、段ボール原紙9.2%減、白板紙8.9%減)。
紙・板紙需給速報 2010年7月 Excel
平成22年9月1日(水)Vol.213
生産量10ヵ月連続600万トン台で前年比9ヵ月連続増
鉄連、2010年7月の普通鋼鋼材需給速報発表
日本鉄鋼連盟は8月31日、2010年7月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。
7月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(549.4万トン)比63.9万トン・11.6%増の613.4万トンと9ヵ月連続の増加となり、10ヵ月連続で600万トン台乗せとなった。一方、前月比では39.9万トン・6.1%減少した。
7月の出荷は、国内向けは403.3万トンで、前年同月比では41.7万トン・11.5%増と7ヵ月連続で増加したが、前月比では9.1万トン・2.2%減少した。また、輸出向けは222.0万トンで、前年同月比で25.9万トン・13.2%増と12ヵ月連続で増加したが、前月比では22.3万トン・9.1%減少した。
この結果、出荷合計では、前年同月(557.7万トン)比67.6万トン・12.1%増の625.3万トンと9ヵ月連続の増加となり、前月比では3ヵ月振りの減少となった。
7月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(618.9万トン)比12.0万トン・1.9%減の607.0万トンで、2ヵ月連続の減少となった。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(496.2万トン)比7.3万トン・1.5%減の488.9万トンと4ヵ月振りに減少し、問屋在庫は前月末(122.7万トン)比4.7万トン・3.8%減の118.1万トンと、2ヵ月連続の減少となった。
国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(495.1万トン)比3.7万トン・0.7%減の491.4万トンと2ヵ月連続で減少した。また、輸出船待在庫は前月末(123.8万トン)比8.3万トン・6.7%減の115.5万トンと4ヵ月振りに減少したが、昨年11月以降9ヵ月連続で100万トン台が続いている。
在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は、軌条(3.1万トン増の6.8万トン)、その他の金属めっき鋼板(1.5万トン増の17.8万トン)、冷延広幅帯鋼(1.0万トン増の60.5万トン)で、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、鋼帯(4.6万トン減の161.4万トン)、鋼板(3.2万トン減の58.9万トン)、小形棒鋼(3.1万トン減の59.8万トン)、H形鋼(2.2万トン減の26.1万トン)、特殊線材(1.1万トン減の3.4万トン)の各品種であった。
7月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の94.3%から2.8ポイント増加し97.1%となったが、3ヵ月連続して100%を下回った。うち、国内在庫率は前月末の120.1%から1.7ポイント増加し121.8%となった。
普通鋼鋼材需給速報 2010年7月 Excel
普通鋼鋼材在庫速報 2010年7月 Excel
普通鋼鋼材需給表 2010年7月 Excel
普通鋼鋼材推移表 2010年7月 Excel