No.240:前年比で粗鋼13ヵ月連続増、燃料油横這い 経産省、主要工業製品の2010年11月生産速報発表
No.241:生産・出荷上昇、在庫・在庫率上昇 製造工業生産予測調査は12、1月上昇予測 経産省、2010年11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.242:生産は前年同月比13ヵ月連続増だが前月比減 鉄連、2010年11月の普通鋼鋼材需給速報発表
No.243:燃料油生産、4ヵ月振りに前年比減 エネ庁、2010年11月の石油統計速報発表
No.244:前年比で国内出荷2.8%増、輸出3ヵ月連続減 製紙連合が2010年11月の紙・板紙需給速報発表

平成22年12月30日(木)Vol.240

前年比で粗鋼13ヵ月連続増、燃料油横這い

経産省、主要工業製品の2010年11月生産速報発表

 
経済産業省は12月28日、主要工業製品の2010年11月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が898.7万トンと前月比で5.5%減だが、前年同月比で1.5%の微増を示した。これで前年同月比は13ヵ月連続の増加となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 658.7万klと前月比で6.0%増となったものの、前年同月比で0.2%の横這いとなった。

11月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が352.6万トンで前月比6.3%減、前年同月比で5.2%減。鋼板が108.3万トンで前月比0.8%減のほぼ横這いだが、前年同月比12.4%の増。棒鋼が81.0万トンで前月比2.7%減だが、前年同月比6.3%増。形鋼が42.3万トンで前月比0.1%増の横這い、前年同月比2.5%の微増。線材が15.0万トンで前月比13.7%増だが、前年同月比13.6%の減となった。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は182.6万トンで前月比4.2%減、前年同月比1.0%の微減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は175.6万トンで前月比2.6%減だが、前年同月比14.7%増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は105.0万トンで前月比7.4%減、前年同月比3.2%減を示した。

また、11月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて317.4万klで前月比2.1%増だが、前年同月比6.4%減。ガソリンが491.2万klで前月比1.2%増、前年同月比3.6%増。軽油が374.0万klで前月比6.7%増、前年同月比7.6%増。需要期の灯油が192.2万klで前月比31.0%の大幅増だが、前年同月比7.1%の減。ナフサが175.4万klで前月比10.5%増だが、前年同月比6.0%減。ジェット燃料油が108.5万klで前月比3.9%減だが、前年同月比0.9%の微増となった。

11月のコークスは302.3万トンで前月比4.4%減だが、前年同月比1.5%増。液化ガスは34.5万トンで前月比16.2%増だが、前年同月比1.8%減となった。

2010年11月鉄鋼生産速報 Excel

2010年11月資源エネルギー生産速報 Excel

バックナンバー>>
 

平成22年12月30日(木)Vol.241

生産・出荷上昇、在庫・在庫率上昇

製造工業生産予測調査は12、1月上昇予測

経産省、2010年11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 
経済産業省は12月28日、2010年11月のこう工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、11月は生産、出荷が上昇、在庫、在庫率は低下であった。製造工業生産予測調査によると、12月、1月とも上昇を予測しているが、総じてみれば、生産は弱含みで推移している。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 91.8 1.0 97.0 5.8
出荷 94.6 2.5 98.6 8.0
在庫 95.0 ▲1.7 98.9 2.0
在庫率 108.2 ▲8.2 107.9 ▲6.3

1. 11月の生産・出荷・在庫動向

1.生産

11月の生産は、前月比1.0%の上昇と6か月ぶりの上昇(前年同月比は5.8%の上昇)となり、指数水準は91.8(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、その他工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、携帯電話、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。

2.出荷

11月の出荷は、前月比2.5%の上昇と5か月ぶりの上昇(前年同月比は8.0%の上昇)となり、指数水準は94.6(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業等であった。

3.在庫

11月の在庫は、前月比▲1.7%の低下と2か月連続の低下(前年同月比は2.0%の上昇)となり、指数水準は95.0(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、化学工業、鉄鋼業等であった。 11月の在庫率は、前月比▲8.2%の低下と3か月ぶりの低下(前年同月比は▲6.3%の低下)となり、指数水準は108.2(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

造工業生産予測調査によると、12月は前月比3.4%の上昇、1月は同3.7%の上昇であった。12月の上昇は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等により、1月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、鉄鋼業等による。

11月の実現率は0.5%、12月の予測修正率は2.4%となった。

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成22年11月 平成22年12月 平成23年1月
平成22年11月調査 1.4 1.5
平成22年12月調査 3.4 3.7

3. まとめ

11月の生産は、前月比1.0%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、12月、1月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は弱含みで推移している。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2010年11月 PDF

平成22年12月30日(木)Vol.242

生産は前年同月比13ヵ月連続増だが前月比減

鉄連、2010年11月の普通鋼鋼材需給速報発表

 
日本鉄鋼連盟は12月28日、2010年11月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。

11月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(603.8万トン)比0.2万トン増の604.0万トンと13ヵ月連続の増加となり、14ヵ月連続で600万トン台乗せとなった。また、前月比では27.3万トン・4.3%減少した。

11月の出荷は、国内向けは403.5万トンで、前年同月比では32.1万トン・8.6%増と11ヵ月連続で増加した。また、前月比でも13.3万トン・3.4%増加した。輸出向けは235.4万トンで、前年同月比で21.6万トン・10.1%増となり、4ヵ月振りに増加した。また、前月比でも23.9万トン・11.3%増加した。

この結果、出荷合計では、前年同月(585.2万トン)比53.7万トン・9.2%増の638.9万トンと13ヵ月連続の増加となり、7ヵ月連続で600万トンを上回った。また、前月比でも37.2万トン、6.2%の増加となった。

11月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(653.4万トン)比34.9万トン・5.3%減の618.5万トンで、4ヵ月振りに減少した。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(530.1万トン)比34.9万トン・6.6%減の495.2万トンと4ヵ月振りに減少した。問屋在庫は前月末(123.3万トン)比横這いとなった。

国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(522.9万トン)比23.3万トン・4.5%減の499.6万トンと4ヵ月振りに500万トンを下回った。また、輸出船待在庫は前月末(130.5万トン)比11.6万トン・8.9%減の118.9万トンと2ヵ月振りに減少したが、昨年11月以降13ヵ月連続で100万トン台が続いている。

在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は無かった。また、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、鋼帯(幅600mm以上)(14.0万トン減の157.1万トン)、亜鉛めっき鋼板(7.3万トン減の99.9万トン)、冷延広幅帯鋼(4.9万トン減の59.8万トン)、H形鋼(3.0万トン減の21.4万トン)、鋼板(2.0万トン減の67.0万トン)、鋼矢板(1.6万トン減の3.8万トン)、ティンフリースチール(1.0万トン減の7.9万トン)の各品種であった。

11月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の108.6%から11.8ポイント低下し96.8%となり、2ヵ月振りに100%を下回った。うち、国内在庫率は前月末の134.0%から10.2ポイント低下し123.8%となった。

普通鋼鋼材需給速報総括表 2010年11月 Excel

普通鋼鋼材在庫速報 2010年11月 Excel

普通鋼鋼材品種別需給表 2010年11月 Excel

普通鋼鋼材需給推移表 2010年11月 Excel

バックナンバー>>
 

平成22年12月30日(木)Vol.243

燃料油生産、4ヵ月振りに前年比減

エネ庁、2010年11月の石油統計速報発表

 
資源エネルギー庁は12月28日、2010年11月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

11月の原油輸入量は1 941万kl、前年同月比110.8%と前年を上回った。輸入量の多い順に見ると、

(1)サウジアラビア(608万kl、前年同月比99.6%)、

(2)アラブ首長国連邦(352万kl、同96.2%)、

(3)カタール(240万kl、同124.6%)、

(4)イラン(176万kl、同115.9%)、

(5)クウェート(136万kl、同83.9%)、となっている。

なお、今月の中東依存度は86.2%、前年同月に比べ3.8ポイント減と5ヵ月連続して前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1 659万kl、前年同月比99.8%と2ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は297万kl、前年同月比138.5%と2ヵ月連続して前年を上回った。 輸出は236万kl、同106.0%と3ヵ月ぶりに前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1 681万kl、前年同月比102.8%と前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1 235万kl、前年同月比98.9%と5ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ナフサ及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

石油統計速報 2010年11月 PDF

バックナンバー>>
 

平成22年12月30日(木)Vol.244

前年比で国内出荷2.8%増、輸出3ヵ月連続減

製紙連合が2010年11月の紙・板紙需給速報発表

 
日本製紙連合会はこのほど、紙・板紙の2010年11月需給速報を発表した。概要は次の通り。

〔概況11月〕

紙・板紙の国内出荷は前年同月比2.8%増。うち、紙は2.5%増、6月以来5ヵ月ぶりのプラス。板紙は3.2%増、前月のマイナスからプラス。主要品種はいずれもプラス。

紙・板紙の輸出は前年同月比5.5%減、3ヵ月連続のマイナス。うち、紙は11.4%減、新聞用紙を中心にアジア向けの減少により3ヵ月連続のマイナス。他方、板紙は2.1倍増、段ボール原紙を中心にアジア向けの増加により13ヵ月連続のプラス。

紙・板紙の在庫は前月比7.9万トン減(紙5.1万トン減、板紙2.8万トン減)、紙、板紙とも前月の増加から減少。

〔主要品種〕

印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比3.8%増、年末商戦に向けたチラシ等の需要増等もあり、3月以来8ヵ月ぶりのプラス。他方、輸出は4.1%減。主力の塗工紙は前月の微減からプラスも、全体では2ヵ月連続のマイナス。

板紙の国内出荷は、家電エコポイント制度変更前の駆け込み需要や猛暑等天候不順の影響で遅れていた青果物の一部回復等もあり、段ボール原紙を中心に前月の減少から増加(段ボール原紙2.9%増、白板紙2.5%増)。包装用紙は反動増の一巡等から横ばい(0.7%増)、回復は足踏み。

紙・板紙需給速報 2010年11月 Excel

バックナンバー>>