平成23年2月2日(水)Vol.247
持ち直しの動きがみられる鉱工業生産
経産省 2010年12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は2月1日、2010年12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。
◇12月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は横ばいであった。
◇製造工業生産予測調査によると、1月上昇の後、2月は低下を予測している。
◇総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 94.6 | 3.1 | 96.9 | 4.6 |
出荷 | 95.7 | 1.1 | 100.2 | 5.3 |
在庫 | 96.2 | 1.4 | 96.3 | 3.4 |
在庫率 | 108.1 | 0.0 | 105.3 | ▲1.8 |
1. 12月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
12月の生産は、前月比3.1%の上昇と2か月連続の上昇(前年同月比は4.6%の上昇)となり、指数水準は94.6(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、固定コンデンサ、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。
【出荷】
12月の出荷は、前月比1.1%の上昇と2か月連続の上昇(前年同月比は5.3%の上昇)となり、指数水準は95.7(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、プラスチック製品工業等であった。
【在庫】
12月の在庫は、前月比1.4%の上昇と3か月ぶりの上昇(前年同月比は3.4%の上昇)となり、指数水準は96.2(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等であった。? 12月の在庫率は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は▲1.8%の低下)となり、指数水準は108.1(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、1月は前月比5.7%の上昇、2月は同▲1.2%の低下であった。1月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、情報通信機械工業等により、2月の低下は、情報通信機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等による。
12月の実現率は▲0.2%、1月の予測修正率は1.7%となった。
製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)
平成17年=100
平成22年12月 | 平成23年1月 | 平成23年2月 | |
平成22年12月調査 | 3.4 | 3.7 | |
平成23年1月調査 | 5.7 | ▲1.2 |
3. まとめ
12月の生産は、前月比3.1%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、1月上昇の後、2月は低下を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる。
鉱工業生産・出荷・在庫速報 2010年12月 PDF
平成23年2月2日(水)Vol.248
粗鋼 12月前年比14ヵ月連続増、年計25.2%大幅増
燃料油 12月前年比8.8%増、年計0.5%の微減
経産省、主要工業製品の2010年12月・1~12月の生産速報発表
経済産業省は2月1日、主要工業製品の2010年12月及び2010年1~12月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は12月の粗鋼生産量が917.2万トンと前月比で2.1%増、前年同月比で2.5%の増を示した。これで前年同月比は14ヵ月連続の増加となった。この結果、1~12月計では1億959.9万トンで前年比25.2%の大幅増を示した。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の12月の生産量が燃料油計で1 808.1万klと前月比で8.8%増となったものの、前年同月比で0.6%の微減となった。この結果、2010年1~12月計では1億9 655万klで前年比0.5%の微減となった。
また、12月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて368.7万klで前月比16.1%の大幅増だが、前年同月比2.3%減となり、1~12月計では4 012.5万klで前年比5.6%減。ガソリンが524.4万klで前月比6.8%増、前年同月比2.9%増となり、1~12月計では5 893.0万klで前年比3.2%増。軽油が388.9万klで前月比4.0%増、前年同月比2.2%増。需要期の灯油が237.2万klで前月比23.4%の大幅増だが、前年同月比6.9%の減となり、1~12月計では1 970.1万klで前年比2.9%減。ナフサが178.5万klで前月比1.8%の微増だが、前年同月比15.4%減となり、1~12計では2 087.9万klで前年比07%の微増。ジェット燃料油が107.4万klで前月比1.0%の微増減だが、前年同月比30.7%の大幅増となり、1~12月計では1 404.8万klで前年比3.8%増となった。
12月のコークスは313.0万トンで前月比3.5%増、前年同月比0.2%の微増となり、1~12月計では3 744.7万トンで前年比14.9%の2桁増。液化ガスは37.5万トンで前月比8.6%増だが、前年同月比5.0%減となり、1~12月計では450.5万トンで前年比2.2%減となった。
鉄鋼生産速報 2010年12月・1~12月 Excel
資源エネルギー生産速報 2010年12月・1~12月 Excel
平成23年2月2日(水)Vol.249
普通鋼生産 前年同月比14ヵ月連続増
鉄連、2010年12月普通鋼鋼材需給速報発表
日本鉄鋼連盟は1月31日、2010年12月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。
12月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(606.7万トン)比16.9万トン・2.8%増の623.6万トンと14ヵ月連続の増加となり、15ヵ月連続で600万トン台乗せとなった。また、前月比でも19.6万トン・3.2%増加した。
12月の出荷は、国内向けは373.4万トンで、前年同月比では13.2万トン・3.7%増と12ヵ月連続で増加した。一方、前月比では29.5万トン・7.3%減少した。輸出向けは235.4万トンで、前年同月比で9.3万トン・3.8%減となり、2ヵ月振りに減少した。また、前月比でも0.4万トン・0.2%減少した。
この結果、出荷合計では、前年同月(604.9万トン)比3.9万トン・0.6%増の608.9万トンと14ヵ月連続の増加となり、8ヵ月連続で600万トンを上回った。また、前月比では29.9万トン、4.7%の減少となった。
12月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(618.6万トン)比14.8万トン・2.4%増の633.4万トンで、2ヵ月振りに増加した。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(495.2万トン)比18.5万トン・3.7%増の513.7万トンと2ヵ月振りに増加した。問屋在庫は前月末(123.5万トン)3.8万トン・3.1%減の119.7万トンと2ヵ月振りに減少した。
国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(499.7万トン)比15.7万トン・3.1%増の515.4万トンと2ヵ月振りに増加した。また、輸出船待在庫は前月末(118.9万トン)比1.0万トン・0.8%減の118.0万トンと2ヵ月連続して減少したが、昨年11月以降14ヵ月連続で100万トン台が続いている。
在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は、鋼帯(幅600mm以上)(6.6万トン増の163.7万トン)、亜鉛めっき鋼板(1.8万トン増の101.7万トン)、H形鋼(1.4万トン増の22.9万トン)、冷延電気鋼帯(1.4万トン増の10.6万トン)、ティンフリースチール(1.3万トン増の9.2万トン)、小形棒鋼(1.1万トン増の58.6万トン)の各品種であった。また、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は無かった。
12月末の在庫率(在庫÷出荷)は、前月末の96.9%から7.1ポイント上昇し104.0%となり、2ヵ月振りに100%を上回った。うち、国内在庫率は前月末の124.0%から14.0ポイント上昇し138.0%となった。
普通鋼鋼材需給速報 2010年12月 Excel
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平成23年2月2日(水)Vol.250
四輪車生産3ヵ月連続前年比減
自工会 2010年12月の自動車生産実績速報発表
日本自動車工業会は1月31日、2010年12月の自動車生産実績速報を発表した。概要は次の通り。
【四輪車】
12月の四輪車生産台数は747 947台で、前年同月の788 015台に比べ40 068台・5.1%の減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。
乗用車の生産は645 031台で前年同月比6.1%の減少となり、3ヵ月連続のマイナス、トラックは92 740台で同0.5%の減少となり、13ヵ月ぶりのマイナス、バスは10 176台で同28.0%の増加となり、3ヵ月連続のプラスとなった。
12月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。
◇乗用車
645 031台で41 835台・6.1%の減少。このうち普通車は382 613台で8 591台・2.3%の増加、小型四輪車は162 792台で43 717台・21.2%の減少、軽四輪車は99 626台で6 709台・6.3%の減少。?
◇ トラック
92 740台で461台・0.5%の減少。?このうち普通車は42 270台で3 257台・8.3%の増加、小型四輪車は18 739台で1 396台・8.0%の増加、軽四輪車は31 731台で5 114台・13.9%の減少。?
◇ バス
10 176台で2 228台・28.0%の増加。?このうち大型は1 008台で172台・20.6%の増加、小型は9 168台で2 056台・28.9%の増加。
12月の国内需要は287 851台で、前年同月比22.7%の減少であった。(うち乗用車239 656台で前年同月比25.5%の減少、トラック47 515台で同5.6%の減少、バス680台で同11.2%の減少。)
輸出は前年同月比116.7%(実績)。
また、2010年(1~12月)の生産台数は9 625 940台で、前年の7 934 057台に比べ1 691 883台・21.3%の増加となり、3年振りのプラスとなった。
このうち乗用車は8 307 382台で前年比21.1%の増加となり、3年振りのプラス、トラックは1 209 224台で同22.8%の増加となり、7年振りのプラス、バスは109 334台で同26.0%の増加となり、2年振りのプラスであった。
2010年(1~12月)の国内需要は4 956 136台で、前年に比べ 7.5%の増加となり、6年振りのプラスとなった。
このうち乗用車は4 212 267台で前年比7.4%の増加、トラックは731 094台で同8.6%の増加、バスは12 775台で同1.6%の増加であった。
2010年(1~12月)の輸出は前年比133.8%(実績)。
【二輪車】
12月の二輪車生産台数は54 913台で、前年同月の51 915台に比べ2 998台・5.8%の増加となり、10ヵ月連続で前年同月を上回った。
12月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。
◇ 原付第一種
8 115台で 3 253台・ 66.9%の増加。
◇ 原付第二種
6 208台で 61台・ 1.0%の減少。
◇ 軽二輪車
6 948台で 2 631台・ 27.5%の減少。
◇ 小型二輪車
33 642台で 2 437台・ 7.8%の増加。
12月の国内需要(出荷)は25 942台で、前年同月比4.1%の増加となった。(うち原付第一種17 364台で前年同月比2.9%の増加、原付第二種5 192台で同27.9%の増加、軽二輪車1 833台で同9.6%の減少、小型二輪車1 553台で同20.4%の減少)
輸出は前年同月比108.4%。(実績)
また、2010年(1~12月)の生産台数は664 175台で、前年の644 901台に比べ19 274台・3.0%の増加となり、5年振りのプラスとなった。
このうち原付第一種は87 513台で20 904台・前年比19.3%の減少、原付第二種は80 630台で23 206台・同40.4%の増加、軽二輪車は108 950台で16 434台・同13.1%の減少、小型二輪車は387 082台で33 406台・同9.4%の増加であった。
2010年(1~12月)の国内需要(出荷)は380 242台で、前年に比べ0.1%の減少となり、5年連続のマイナスとなった。
このうち原付第一種は231 247台で前年比9.5%の減少、原付第二種は96 368台で同46.3%の増加、軽二輪車は27 275台で同26.6%の減少、小型二輪車は25 352台で同14.5%の増加となった。
2010年(1~12月)の輸出は前年比90.7%。(実績)
四輪車生産実績速報 2010年12月 JPG
四輪車生産実績速報 2010年1~12月 JPG
二輪車生産実績速報 2010年12月 JPG
二輪車生産実績速報 2010年1~2月 JPG