No.282:鉱工業生産前月比5.7%上昇、2ヵ月連続 経産省 2011年5月の鉱工業生産指数
No.283:粗鋼 前年比3ヵ月連続減、燃料油 前年比10.5%減 経産省、主要工業製品の2011年5月の生産速報発表

平成23年6月29日(水)Vol.282

鉱工業生産前月比5.7%上昇、2ヵ月連続

経産省 2011年5月の鉱工業生産指数

 
経済産業省は6月29日、2011年5月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

◇ 5月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。

◇ 製造工業生産予測調査によると、6月、7月とも上昇を予測している。

◇ 総じてみれば、生産は日本大震災の影響から回復しつつある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 88.8 5.7 82.4 ▲5.9
出荷 87.2 5.3 79.6 ▲8.0
在庫 103.2 5.1 102.1 7.1
在庫率 118.7 ▲4.9 126.6 10.4

1. 5月の生産・出荷・在庫動向

生産

5月の生産は、前月比5.7%の上昇と2ヵ月連続の上昇(前年同月比は▲5.9%の低下)となり、指数水準は88.8(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除. 医薬品)等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、普通トラックの順に上昇に寄与している。

出荷

5月の出荷は、前月比5.3%の上昇と3ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲8.0%の低下)となり、指数水準は87.2(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、情報通信機械工業等であった。

在庫

5月の在庫は、前月比5.1%の上昇と2ヵ月連続の上昇(前年同月比は7.1%の上昇)となり、指数水準103.2(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除. 医薬品)等であった。? 5月の在庫率は、前月比▲4.9%と3ヵ月振りの低下(前年同月比は10.4%の上昇)となり、指数水準は118.7(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、6月は前月比5.3%の上昇、7月は同0.5%の上昇であった。6月の上昇は、輸送機械工業、情報通信機械工業、電気機械工業等により、7月の上昇は、輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業等による。

5月の実現率は0.6%、6月の予測修正率は▲1.7%となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成23年5月 平成23年6月 平成23年7月
平成23年5月調査 8.0 7.7
平成23年6月調査 5.3 0.5

3. まとめ

5月の生産は、前月比5.7%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、6月、7月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は東日本大震災の影響から回復しつつある。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2011年5月 PDF

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平成23年6月29日(水)Vol.283

粗鋼 前年比3ヵ月連続減、燃料油 前年比10.5%減

経産省、主要工業製品の2011年5月の生産速報発表

 
経済産業省は6月29日、主要工業製品の2011年5月の生産速報を発表した。

以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は5月の粗鋼生産量が904.9万トンと前月比で7.3%増だが、前年同月比で6.9%の減を示した。前年同月比は3ヵ月連続の減となった。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の5月の生産量が燃料油計で1 330.1万Klと前月比で5.9%減、前年同月比10.5%の2桁減となった。

鉄鋼は東北大震災の影響による生産量の減少からが回復基調にあるものの、石油は生産量が依然低迷している。

5月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が350万トンで前月比8.1%増だが、前年同月比13.4%減。鋼板が112.2万トンで前月比6.4%増、前年同月比4.7%増。棒鋼が83.6万トンで前月比1.3%増だが、前年同月比1.2%減。形鋼が53.4万トンで前月比0.6%の微増、前年同月比4.6%増。線材が15.2万トンで前月比6.3%減、前年同月比4.2%減。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は168.1万トンで前月比9.8%増だが、前年同月比は12.9%の2桁減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は149.9万トンで前月比0.3%の微減、前年同月比12.6%の2桁減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は92.6万トンで前月比1.0%の微増だが、前年同月比16.9%の大幅減を示した。

また、5月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて277.7万Klで前月比11.1%の2桁減、前年同月比9.1%減。ガソリンが431.4万Klで前月比0.1%の微増だが、前年同月比7.3%減。軽油が301.6万Klで前月比6.2%増だが、前年同月比6.6%減。灯油が103.7万Klで前月比38.6%の大幅減、前年同月比10.3%の2桁減。ナフサが113.0万Klで前月比15.1%減、前年同月比28.2%の大幅減。ジェット燃料油が102.6万Klで前月比21.9%の大幅増だが、前年同月比13.3%の2桁減と、ほとんどの品目が前年同月比減を示した。

5月のコークスは307.4万トンで前月比6.4%増だが、前年同月比5.3%減。液化ガスは37.6万トンで前月比1.2%の微増だが、前年同月比6.9%の減となった。

鉄鋼生産速報 2011年5月 Excel

資源エネルギー生産速報 2011年5月 Excel

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