No.304:震災の影響からほぼ回復し5ヵ月連続生産増 経産省 2011年8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.305:前年比で粗鋼6ヵ月振り減少止め、燃料油2.6%減 経産省、主要工業製品の2011年8月の生産速報発表
No.306: 国内出荷5ヵ月連続前年比割れ 製紙連合 2011年8月の紙・板紙需給速報発表
No.307: 四輪車生産11ヵ月振りに前年比増 四輪車生産11ヵ月振りに前年比増
No.308: 生産、国内出荷とも前年比6ヵ月連続減少 鉄連 2011年8月の普通鋼鋼材需給速報発表

平成23年10月1日(土)Vol.304

震災の影響からほぼ回復し5ヵ月連続生産増

経産省 2011年8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 
経済産業省は9月30日、2011年8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

8月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。

製造工業生産予測調査によると、9月低下の後、10月は上昇を予測している。

総じてみれば、生産は東日本大震災の影響からほぼ回復したものの、先行きについては注視する必要がある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 93.7 0.8 90.6 0.6
出荷 94.7 0.3 91.0 0.3
在庫 102.8 2.1 103.6 5.8
在庫率 114.6 ▲1.5 118.7 6.1

1. 8月の生産・出荷・在庫動向

◇生産

8月の生産は、前月比0.8%の上昇と5ヵ月連続の上昇(前年同月比は0.6%の上昇)となり、指数水準は93.7(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、セパレート形エアコン、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。

出荷

8月の出荷は、前月比0.3%の上昇と4ヵ月連続の上昇(前年同月比は0.3%の上昇)となり、指数水準は94.7(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業等であった。

在庫

8月の在庫は、前月比2.1%の上昇と3ヵ月振りの上昇(前年同月比は5.8%の上昇)となり、指数水準は102.8(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、電気機械工業、輸送機械工業等であった。

8月の在庫率は、前月比▲1.5%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は6.1%の上昇)となり、指数水準は114.6(季節調整済)となった。

2. 製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、9月は前月比▲2.5%の低下、10月は同3.8%の上昇であった。9月の低下は、輸送機械工業、化学工業、一般機械工業等により、10月の上昇は、輸送機械工業、電気機械工業、化学工業等による。

8月の実現率は▲1.5%、9月の予測修正率は▲1.6%となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成23年8月 平成23年9月 平成23年10月
平成23年8月調査 2.8 ▲2.4
平成23年9月調査 ▲2.5 3.8

3. まとめ

8月の生産は、前月比0.8%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、9月低下の後、10月は上昇を予測している。総じてみれば、生産は東日本大震災の影響からほぼ回復したものの、先行きについては注視する必要がある。

鉱工業生産・出荷・在庫速報 2011年8月 PDF

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平成23年10月1日(土)Vol.305

前年比で粗鋼6ヵ月振り減少止め、燃料油2.6%減

経産省、主要工業製品の2011年8月の生産速報発表

 
経済産業省は9月30日、主要工業製品の2011年8月の生産速報を発表した。

以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は8月の粗鋼生産量が890.9万トンと前月比で2.7%減となったものの、前年同月比で0.1%の微減を示した。前年同月比は6ヵ月振りに減少が止った。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の8月の生産量が燃料油計で1 671.9万klと前月比で7.5%増となったものの、前年同月比2.6%減となった。

8月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が382.5万トンで前月比0.9%の微増だが、前年同月比1.1%の微減。鋼板が104.4万トンで前月比6.6%増だが、前年同月比5.3%減。棒鋼が72.0万トンで前月比6.7%減だが、前年同月比5.0%増。形鋼が41.2万トンで前月比9.2%増、前年同月比11.2%の2桁増。線材が12.5万トンで前月比14.6%の2桁減、前年同月比9.0%減。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は184.6万トンで前月比横這いだが、前年同月比は4.0%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は169.2万トンで前月比3.0%増、前年同月比1.4%増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は105.8万トンで前月比1.7%減、前年同月比9.7%減を示した。

また、8月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて330.8万klで前月比2.1%増、前年同月比1.3%増。ガソリンが501.9万klで前月比6.5%増だが、前年同月比9.2%減。軽油が385.6万klで前月比5.7%増だが、前年同月比5.2%減。灯油が108.7万klで前月比11.1%増、前年同月比10.0%増とともに2桁増。ナフサも186.9万klで前月比12.5%増、前年同月比10.6%増とともに2桁増。ジェット燃料油が158.0万klで前月比20.1%の大幅増だが、前年同月比3.3%減となった。

8月のコークスは301.1万トンで前月比0.7%減、前年同月比4.9%減。液化ガスは39.2万トンで前月比0.8%増だが、前年同月比2.6%減となった。

鉄鋼生産速報 2011年8月 Excel

資源エネルギー生産速報 2011年8月 Excel

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平成23年10月1日(土)Vol.306

国内出荷5ヵ月連続前年比割れ

製紙連合 2011年8月の紙・板紙需給速報発表

 
日本製紙連合会はこのほど、2011年8月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。

【概況】

紙・板紙の国内出荷は前年同月比2.3%増、前年を上回るのは震災後初。うち、紙は1.5%増、板紙は3.4%増。主要品種は情報用紙と包装用紙を除き増加。

紙・板紙の輸出は前年同月比42.5%減、前年割れは12ヵ月連続。震災以降は国内向けの優先等からほぼ半減。

紙・板紙の在庫は前月比12千トン減、板紙を中心に減少(紙20千トン増、板紙32千トン減)。震災等による滅失はなし。

【主要品種】

新聞用紙の国内出荷は前年同月比0.3%増、ほぼ 横ばいも、9ヵ月振りに増加。

印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比2.8%増、輸入の増加も、今秋の価格修正に伴う前倒し需要等もあり6ヵ月振りに増加。他方、輸出は56.2%減、塗工紙を中心に11ヵ月連続の減少。

衛生用紙の国内出荷は前年同月比2.0%増、震災特需の反動減等も一巡、4ヵ月振りに増加。

段ボール原紙の国内出荷は前年同月比3.1%増、 飲料関連は前年並みも営業日数の1日増加等により前月の減少から増加。白板紙は6.1%増、印刷・情報用紙同様、前倒し需要の影響等もあり増加。

紙・板紙需給速報 2011年7月 PDF

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平成23年10月1日(土)Vol.307

四輪車生産11ヵ月振りに前年比増

四輪車生産11ヵ月振りに前年比増

 
日本自動車工業会は9月30日、2011年8月の自動車生産実績速報を発表した。概要は次の通り。

【四輪車】

8月の四輪車生産台数は704 096台で、前年同月の691 649台に比べて12 447台・1.8%の増加となり、11ヵ月振りに前年同月を上回った。

8月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。

乗用車

604 317台で8 793台・1.5%の増加となり、11ヵ月振りのプラス。このうち普通車は354 713台で3 715台・1.1%の増加、小型四輪車は159 702台で6 002台・3.9%の増加、軽四輪車は89 902台で924台・1.0%の減少。

トラック

89 963台で105台・0.1%の増加となり、2ヵ月振りのプラス。このうち普通車は41 290台で2 440台・6.3%の増加、小型四輪車は18 401台で120台・0.7%の増加、軽四輪車は30 272台で2 455台・7.5%の減少。

バス

9 816台で3 549台・56.6%の増加となり、3ヵ月連続のプラス。このうち大型は834台で265台・46.6%の増加、小型は8 982台で3 284台・57.6%の増加。

8月の国内需要は329 838台で、前年同月比22.4%の減少であった。(うち乗用車273 273台で前年同月比26.0%の減少、トラック55 346台で同1.5%の増加、バス1 219台で同4.2%の減少。)

輸出は前年同月比107.6%

また、1~8月の生産累計は4 924 455台で、前年同期の6 402 661台に比べ1 478 206台・23.1%の減少であった。

このうち乗用車は4 198 835台で1 333 568台・前年同期比24.1%の減少、トラックは664 229台で135 054台・同16.9%の減少、バスは61 391台で9 584台・同13.5%の減少であった。

【二輪車】

8月の二輪車生産台数は48 256台で、前年同月の46 520台に比べ1 736台・3.7%の増加となり、4ヵ月連続で前年同月を上回った。

8月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。

原付第一種

7 987台で 14台・ 0.2%の減少。

原付第二種

6 272台で 908台・ 12.6%の減少。

軽二輪車

11 436台で 2 341台・ 25.7%の増加。

小型二輪車

22 561台で 317台・ 1.4%の増加。

8月の国内需要(出荷)は33 515台で、前年同月比8.1%の増加となった。うち原付第一種20 136台で前年同月比13.9%の増加、原付第二種8 992台で同8.6%の増加、軽二輪車2 655台で同4.5%の減少、小型二輪車1 732台で同23.7%の減少。

輸出は前年同月比96.7%。

また、1~8月の生産累計は407 747台で、前年同期の434 599台に比べ26 852台・6.2%の減少であった。

このうち原付第一種は73 575台で15 964台・前年同期比27.7%の増加、原付第二種は39 532台で10 342台・同20.7%の減少、軽二輪車は65 268台で3 497台・同5.1%の減少、小型二輪車は229 372台で28 977台・同11.2%の減少であった。

四輪車生産実績速報 2011年8月 PDF

二輪車生産実績速報 2011年8月 PDF

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平成23年10月1日(土)Vol.308

生産、国内出荷とも前年比6ヵ月連続減少

鉄連 2011年8月の普通鋼鋼材需給速報発表

 
日本鉄鋼連盟は9月30日、2011年8月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。

8月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(616.5万トン)比7.0万トン・1.1%減の609.6万トンと6ヵ月連続の減少となった。また、前月比では14.4万トン・2.4%増加した。

8月の出荷は、国内向けは369.2トンで、前年同月比では6.3万トン・1.7%減と6ヵ月連続の減少となった。また、前月比では19.6万トン・5.0%減少した。輸出向けは220.8万トンで、前年同月比で4.4万トン・2.0%減となり、2ヵ月連続の減少となった。また、前月比では0.9万トン・0.4%減少した。

この結果、出荷合計では、前年同月(600.7万トン)比10.7万トン・1.8%減の590.0万トンと6ヵ月連続の減少となった。また、前月比では20.5万トン、3.4%の減少となった。

8月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(660.7万トン)比19.6万トン・3.0%増の680.3万トンで、3ヵ月振りの増加となった。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(528.4万トン)比13.0万トン・2.5%増の541.4万トンと3ヵ月振りの増加となった。また、問屋在庫は前月末(132.2万トン)比6.6万トン・5.0%増の138.8万トンと2ヵ月振りの増加となった。

国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(543.0万トン)比18.7万トン・3.4%増の561.7万トンと3ヵ月振りの増加となった。また、輸出船待在庫は前月末(117.6万トン)比0.9万トン・0.8%増の118.5万トンと2ヵ月連続の増加となった。

在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は、鋼帯(幅600mm以上)(7.1万トン増の181.3万トン)、鋼板(6.9万トン増の74.0万トン)、亜鉛めっき鋼板(2.5万トン増の109.6万トン)、冷延広幅帯鋼(2.3万トン増の67.7万トン)、鋼矢板(1.4万トン増の3.4万トン)、ティンフリースチール(1.3万トン増の9.3万トン)、冷延電気鋼帯(1.2万トン増の12.0万トン)、ブリキ(1.2万トン増の10.6万トン)であった。在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、小形棒鋼(4.3万トン減の57.9万トン)であった。

8 月末の在庫率(在庫&出荷)は、前月末の108.2%から7.1ポイント上昇し115.3%となり、5ヵ月連続して100%を上回った。うち、国内在庫率は前月末の139.7%から12.5ポイント上昇し152.2%となった。

普通鋼鋼材需給速報 2011年8月 Excel

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