No.322:鉱工業生産2.4%増で2ヵ月振りのプラス 経産省 2011年10月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.323:前年比で粗鋼3.8%減、燃料油8.3%減 経産省、主要工業製品の2011年10月の生産速報発表
No.324:国内出荷前年比0.2%減、在庫は増加に転じる 製紙連合 2011年10月の紙・板紙需給速報発表

平成23年12月1日(木)Vol.322

鉱工業生産2.4%増で2ヵ月振りのプラス

経産省 2011年10月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は11月30日、2011年10月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると季節調整済み生産指数は、92.7で前月比2.4%増と2ヵ月振りのプラスとなった。同出荷指数は93.3で前月比06%増となった。在庫は同103.5で0.8%増となったが、在庫率は117.9で1.1%減となった。タイ洪水の影響で、自動車部品などを国内で代替生産する動きが指数を押し上げたが、11月は0.1%低下する見通しで、海外経済の減速や円高の影響で回復ペースが鈍る可能性もあるとされている。概要は次の通り。 ◇今月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。 ◇製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。 ◇総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 92.7 2.4 95.6 0.4
出荷 93.3 0.6 94.9 0.1
在庫 103.5 0.8 104.9 6.9
在庫率 117.9 ▲1.1 115.3 0.8

1. 10月の生産・出荷・在庫動向 【生産】  10月の生産は、前月比2.4%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は0.4%の上昇)となり、指数水準は92.7(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除. 医薬品)等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、駆動伝導・操縦装置部品等の順に上昇に寄与している。 【出荷】  10月の出荷は、前月比0.6%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は0.1%の上昇)となり、指数水準は93.3(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、輸送機械工業、鉄鋼業等であった。   【在庫】  10月の在庫は、前月比0.8%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は6.9%の上昇)となり、指数水準は103.5(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業等であった。  10月の在庫率は、前月比▲1.1%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は0.8%の上昇)となり、指数水準は117.9(季節調整済)となった。 2. 製造工業生産予測調査  製造工業生産予測調査によると、11月は前月比▲0.1%の低下、12月は同2.7%の上昇であった。11月の低下は、情報通信機械工業、鉄鋼業により、12月の上昇は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等による。 10月の実現率は▲0.6%、11月の予測修正率は▲2.4となった。

製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成23年10月 平成23年11月 平成23年12月
平成23年10月調査 2.3 1.8
平成23年11月調査 ▲0.1 2.7

3. まとめ

10月の生産は、前月比2.4%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。

バックナンバー>>

平成23年12月1日(木)Vol.323

前年比で粗鋼3.8%減、燃料油8.3%減

経産省、主要工業製品の2011年10月の生産速報発表

経済産業省は11月30日、主要工業製品の2011年10月の生産速報を発表した。

以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が947.9万トンと前月比で6.6%増だが、前年同月比で0.3%の微減を示した。

一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 488.1万?と前月比で1.1%の微増だが、前年同月比では4.5%の減となった。

10月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が359.6万トンで前月比0.8%の微減、前年同月比4.4%減。鋼板が105.0万トンで前月比1.2%の微増だが、前年同月比3.8%減。棒鋼が88.5万トンで前月比12.8%の2桁増で、前年同月比も6.3%増。形鋼が45.8万トンで前月比13.4%の2桁増で、前年同月比も8.3%増。線材が15.3万トンで前月比12.4%の2桁増で、前年同月比も15.8%の2桁増。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は176.2万トンで前月比1.5%の微減で、前年同月比も7.5%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は185.7万トンで前月比6.7%増で、前年同月比も3.0%増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は106.6万トンで前月比1.1%の微減で、前年同月比も6.1%減を示した。

また、10月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて306.8万?で前月比1.7%の微増で、前年同月比0.1%増と横這い。ガソリンが448.9万?で前月比3.9%増だが、前年同月比7.6%減。軽油が328.8万?で前月比3.9%減で、前年同月比も6.2%減。灯油は需要期入りしながら129.3万?で前月比5.5%減で、前年同月比10.2%の2桁減。ナフサが148.7

?で前月比12.5%増、前年同月比でも10.6%の2桁増。ジェット燃料油が112.0万?で前月比3.9%増だが、前年同月比6.4%減となった。

10月のコークスは298.6万トンで前月比3.9%増だが、前年同月比5.6%減。液化ガスは25.7万トンで前月比24.2%の大幅減で、前年同月比13.4%の2桁減となった。

鉄鋼生産速報 2011年10月 Excel

資源エネルギー生産速報 2011年10月 Excel

バックナンバー>>

平成23年12月1日(木)Vol.324

国内出荷前年比0.2%減、在庫は増加に転じる

製紙連合 2011年10月の紙・板紙需給速報発表

日本製紙連合会は11月30日、2011年10月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。

10月の紙・板紙の国内出荷は前年同月比0.2%減となった。内訳をみると、 紙は1.9%減で前月に続き減少した反面、板紙は2.2%増で3ヵ月連続の増加となった。主要品種では情報用紙、段ボール原紙及び白板紙を除き各品種とも減少した。情報用紙は9ヵ月振りの増加となった。

紙・板紙の輸出は、前年同月比41.8%減で14ヵ月連続の減少となった。特に震災以降は紙を中心に国内向けの需要優先や円高等もあり、ほぼ半減した。

紙・板紙の在庫は前月比93千トン増となった。紙、板紙ともに前月の減少から増加(紙61千トン増、板紙32千トン増)に転じた。震災等による滅失はなかった。

印刷・情報用紙の国内出荷は、前年同月比1.1%減で、 輸入の増加や一部には価格修正に伴う前倒し需要の反動等もあり減少したもの。輸出は51.4%減で、主力の塗工紙を中心に13ヵ月連続の減少となった。

衛生用紙の国内出荷は、前年同月比1.2%減で、製品輸入の増加等もあり、6ヵ月連続の減少となった。

包装用紙の国内出荷は、前年同月比6.9%減で、価格修正に伴う前倒し需要の反動等により前月の増加から減少した。他方、段ボール原紙は2.7%増で、価格修正に伴う前倒し需要が多少出始めたこと等もあり、3ヵ月連続の増加となった。白板紙も価格修正に伴う前倒し需要の反動等から0.4%増と、ほとんど横ばいに落ち込んだが、7ヵ月連続の増加だった。

紙・板紙需給速報 2011年10月 PDF

バックナンバー>>