平成24年2月1日(水)Vol.340
生産・出荷 前月比4.0%上昇、2ヵ月振りプラス
経産省 2011年12月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は1月31日、2011年12月の鉱工業生産速報を発表した。それによると、生産指数は前月比4.0%上昇の93.6で、2ヵ月振りのプラスになったものの、基調判断は「横ばい傾向」で据え置いた。出荷指数は4.5%上昇の95.5で、在庫指数は2.9%低下の100.0。在庫率指数は3.6%低下の112.0だった。
製造工業生産指数調査では、先行きの1月が2.5%上昇、2月は1.2%上昇を見込んでいる。
概要は次の通り。
◇12月は、生産、出荷が上昇、在庫、在庫率は低下であった。
◇製造工業生産予測調査によると、1月、2月とも上昇を予測している。
◇総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 93.6 | 4.0 | 94.1 | ▲4.1 |
出荷 | 95.5 | 4.5 | 97.7 | ▲3.1 |
在庫 | 100.0 | ▲2.9 | 99.9 | 3.4 |
在庫率 | 112.0 | ▲3.6 | 109.5 | 3.8 |
1. 12月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
12月の生産は、前月比4.0%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲4.1%の低下)となり、指数水準は93.6(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、携帯電話、半導体製造装置の順に上昇に寄与している。
【出荷】
12月の出荷は、前月比4.5%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲3.1%の低下)となり、指数水準は95.5(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等であった。
【在庫】
12月の在庫は、前月比▲2.9%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比は3.4%の上昇)となり、指数水準は100.0(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、情報通信機械工業等であった。
12月の在庫率は、前月比▲3.6%の低下と3ヵ月連続の低下(前年同月比は3.8%の上昇)となり、指数水準は112.0(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、1月は前月比2.5%の上昇、2月は同1.2%の上昇であった。1月の上昇は、情報通信機械工業、輸送機械工業、一般機械工業等により、2月の上昇は、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、紙・パルプ工業等による。
製造工業生産予測調査 季節調整済前月比(%)
平成17年=100
平成23年12月 | 平成24年1月 | 平成24年2月 | |
平成23年12月調査 | 4.8 | 3.4 | |
平成24年 1月調査 | 2.5 | 1.2 |
3. まとめ
12月の生産は、前月比4.0%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、1月、2月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。
平成24年2月1日(水)Vol.341
前年比で粗鋼8.4%減、燃料油12.1%増
経産省、主要工業製品の2011年12月の生産速報発表
経済産業省は1月31日、主要工業製品の2011年12月の生産速報を発表した。
以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が8 403万トンと前月比で3.4%減、前年同月比で8.4%減を示した。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 713.6万?と前月比で12.1%の2桁増だが、前年同月比では5.1%の減となった。
12月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が327.6万トンで前月比0.3%減、前年同月比12.7%の2桁減。鋼板が856.0万トンで前月比18.8%、前年同月比18.5%とともに2桁減。棒鋼が812万トンで前月比6.6%減だが、前年同月比4.1%増。形鋼が450万トンで前月比3.7%増だが、前年同月比0.3%の微減。線材が151万トンで前月比0.7%の微増だが、前年同月比6.8%の減。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は154.1万トンで前月比4.9%減、前年同月比15.4%の2桁減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は168.3万トンで前月比7.5%減、前年同月比も7.3%減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は950.0万トンで前月比7.2%減、前年同月比も8.1%減を示した。
また、12月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて416.2万?で前月比24.7%の大幅増、前年同月比も12.9%の2桁増。ガソリンが480.2万?で前月比4.1%増だが、前年同月比8.4%減。軽油が331.4万?で前月比5.2%増だが、前年同月比14.8%の2桁減。灯油は需要最盛期を迎え215.6万?で前月比25.5%の大幅増だが、前年同月比9.1%減。ナフサが181.3
?で前月比17.0%の2桁増で、前年同月比1.5%増。ジェット燃料油が88.9万?で前月比3.4%減、前年同月比も17.3%の2桁減となった。
12月のコークスは283.3万トンで前月比2.1%減、前年同月比も9.5%減。液化ガスは32.4万トンで前月比20.3%の大幅増だが、前年同月比13.7%の2桁減。石灰石は1 215.1万トンで前月比1.3の微増だが、前年同月比0.1%の微減となった。
鉄鋼生産速報 2011年12月 Excel
平成24年2月1日(水)Vol.342
燃料油生産6ヵ月連続前年比割れ
エネ庁 2012年12月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は1月31日、2011年12月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
12月の原油輸入量は1 908kl、前年同月比94.6%と2ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、次のようになっている。
(1)サウジアラビア(536kl、前年同月比92.0%)、
(2)アラブ首長国連邦(438kl、同102.9%)、
(3)カタール(224kl、同100.0%)、
(4)イラン(164kl、同94.2%)、
(5)クウェート(147kl、同94.2%)
今月の中東依存度は83.1%、前年同月に比べ1.6ポイント減と前年を下回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1 714kl、前年同月比94.9%と6ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ナフサ及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は347kl、前年同月比124.5%と2ヵ月連続して前年を上回った。
輸出は207kl、同75.1%と2ヵ月連続して前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1 959kl、前年同月比102.7%と前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、灯油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1 126kl、前年同月比100.8%と7ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみると、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油及びA重油は前年同月を下回った。
平成24年2月1日(水)Vol.343
出荷 紙4ヵ月連続、板紙7ヵ月連続前年比割れ
製紙連 2011年12月の紙・板紙需給速報発表
日本製紙連合会はこのほど、2011年12月の紙・板紙需給速報和発表した。概要は次の通り。
【概況】
紙・板紙の国内出荷は前年同月比3.5%減。うち、紙は3.3%減、4ヵ月連続の減少。板紙は 3.7%減、7月以来5ヵ月振りの減少。主要品種は新聞用紙を除き減少。
紙・板紙の輸出は前年同月比53.4%減、16ヵ月連続の減少。大震災以降は紙を中心に円高等もあり半減。
紙・板紙の在庫は前月比31千トン増。紙、板紙とも増加(紙14千トン増、板紙17千トン増)。震災等による滅失はなし。
【主要品種】
新聞用紙の国内出荷は前年同月比0.1%増、ほぼ横ばいも広告出稿増等による頁数の増加により8月以来4ヵ月振りの増加。
印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比4.9%減、塗工紙を中心に輸入の大幅な増加等の影響もあって4ヵ月連続の減少。輸出は59.4%減、15ヵ月連続の減少。
衛生用紙の国内出荷は前年同月比2.0%減、大震 災以降高まった製品輸入の増加等もあり、8ヵ月連続の減少。
包装用紙及び板紙の国内出荷は、包装用紙は前 年同月比2.0%減、3ヵ月連続の減少。段ボール原紙は4.5%減、価格修正に伴う前倒し需要の反動等により7月以来5ヵ月振りの減少。白板紙は0.4%減、ほとんど横ばいも前月に続き減少。
紙・板紙需給速報 PDF