平成24年3月1日(木)Vol.348
前月比で生産2ヵ月連続上昇、出荷2ヵ月振り低下
経産省、1月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報を発表
経済産業省は2月29日、平成24年1月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報を発表した。それによると、生産指数は前月比2.0%上昇し2ヵ月連続のプラスとなったものの、出荷は前月比0.7%低下で2ヵ月振りのダウンとなった。また、在庫は3.1%上昇し、3ヵ月振りのプラスとなった。製造工業生産予測調査によると、2月は前月比1.7%の上昇、3月は同1.7%の上昇を予測しており、総じてみれば、生産には持ち直しの動きがみられる、としている。
概要は次の通り。
- 生産が上昇、出荷は低下、在庫・在庫率は上昇であった。
- 製造工業生産予測調査によると2月、3月とも上昇を予測している。
- 総じてみれば、生産には持ち直しの動きがみられる。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 95.3 | 2.0 | 85.8 | ▲1.2 |
出荷 | 94.9 | ▲0.7 | 85.0 | ▲1.4 |
在庫 | 103.1 | 3.1 | 106.6 | 2.6 |
在庫率 | 113.2 | 1.2 | 129.0 | 5.0 |
1.月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
1月の生産は、前月比2.0%の上昇と2ヵ月連続の上昇(前年同月比は▲1.2%の低下)となり、指数水準は95.3(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、デジタルカメラ、カーナビゲーションの順に上昇に寄与している。
【出荷】
1月の出荷は、前月比▲0.7%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は▲1.4%の低下)となり、指数水準は94.9(季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、一般機械工業等であった。
【在庫】
1月の在庫は、前月比3.1%の上昇と3ヵ月振りの上昇(前年同月比は2.6%の上昇)となり、指数水準は103.1(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電気機械工業、輸送機械工業、情報通信機械工業等であった。1月の在庫率は、前月比1.2%の上昇と4ヵ月振りの上昇(前年同月比は5.0%の上昇)となり、指数水準は113.2(季節調整済)となった。
2.製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、2月は前月比1.7%の上昇、3月は同1.7%の上昇を予測している。2月の上昇は、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、電気機械工業等により、3月の上昇は、情報通信機械工業、輸送機械工業、一般機械工業等による。
1月の実現率は0.2%、2月の予測修正率は0.7%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%)
平成17年=100
平成24年1月 | 平成24年2月 | 平成24年3月 | 平成24年1月調査 |
2.5 | 1.2 | 平成24年2月調査 | |
1.7 | 1.7 | 1.0 | ▲4.1 |
3.まとめ
1月の生産は、前月比2.0%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、2月、3月とも上昇を予測している。総じてみれば、生産には持ち直しの動きがみられる。
鉱工業生産・出荷・在庫指数速報 2012年1月 PDF
平成24年3月1日(木)Vol.349
前年比で粗鋼10.2%減、燃料油6.8%減
経産省、2012年1月の生産動態統計速報発表
経済産業省は2月29日、2012年1月の生産動態統計速報を発表した。
以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が863万トンと前月比で2.7%増となったものの、前年同月比で10.6%と2桁の減を示した。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 685.5万?と前月比で1.5%、前年同月比6.8%ともに減となった。
1月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が360.4万トンで前月比10.0%増だが、前年同月比10.%減。鋼板が96.3万トンで前月比12.6%増だが、前年同月比12.5%減。棒鋼が77.9万トンで前月比4.0%減だが、前年同月比3.3%増。形鋼が45.2万トンで前月比0.6%、前年同月比0.2%ともに微増。線材が14.4万トンで前月比5.0%減、前年同月比20.0%減。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は170.7万トンで前月比10.8%増だが、前年同月比13.9%減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は170.9万トンで前月比1.5%増だが、前年同月比6.7%減。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は102.0万トンで前月比7.4%増だが、前年同月比も6.0%減を示した。
また、1月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて403.2万?で前月比3.1%減だが、前年同月比7.1%増。ガソリンが461.3万?で前月比3.4%、前年同月比5.9%ともに減。軽油が297.5万?で前月比10.2%、前年同月比18.7%ともに減。灯油は240.9万?で前月比11.7%増だが、前年同月比14.2%減。ナフサが202.4万?で前月比11.6%、前年同月比2.7%ともに増。ジェット燃料油が80.4万?で前月比9.6%、前年同月比も17.3%の2桁減となった。
12月のコークスは283.3万トンで前月比2.1%減、前年同月比も9.5%減。液化ガスは32.4万トンで前月比20.3%の大幅増だが、前年同月比13.7%の2桁減。石灰石は1 215.1万トンで前月比1.3の微増だが、前年同月比18.0%ともに減となった。
鉄鋼生産速報 2012年1月 Excel
資源エネルギー生産速報 2011年1月 Excel
平成24年3月1日(木)Vol.350
鉄鋼生産 前月比増でも前年比減
鉄連 2012年1月の鉄鋼生産速報発表
日本鉄鋼連盟はこのほど、2012年1月の鉄鋼生産概況(速報)を発表した。概要は次の通り。
2012年1月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも前月比では増加したが、前年同月比では減少した。
銑鉄生産は657.4万トンと前月に比べ15.7万トン、2.4%増加、前年同月比10.6%減少となり、前年同月比では5ヵ月連続の減少となった。また、また2011年4月~1月累計は6 689.6万トンと前年同期比3.8%減となった。なお、1月末の高炉稼働基数は前月同様の33基中26基であった。
粗鋼生産は863.1万トンと、前月比22.8万トン、2.7%増加、前年同月比10.6%減少となり、前年同月比で5ヵ月連続の減少となった。1月の1日当たり粗鋼生産は27.84万トンで、12月の同27.11万トン比2.7%増だった。また、2011年4月~1月累計は8 852.7万トンと前年同期比4.5%減となった。
炉別生産をみると、転炉鋼が663.6万トンと前月比5.0%増(前年同月比13.6%減)、電炉鋼が199.5万トンと同4.1%減(同0.8%増)となり、前年同月比でみると転炉鋼が5ヵ月連続の減少、電炉
鋼は7ヵ月連続の増加となった。
鋼種別生産では、普通鋼が657.7万トンと前月比3.0%増(前年同月比11.9%減)、特殊鋼が205.3万トンと同1.9%増(同6.1%減) となり、前年同月比では普通鋼は6ヵ月連続の減少、特殊鋼は3ヵ月連続の減少となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は777.8万トンと前月に比べ38.4万トン、5.2%増(前年同月比8.2%減)と、前年同月比では11ヵ月連続の減少となった。また、2011年4月~1月累計は7 797.9万トンと前年同期比4.9%減となった。
普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は610.7万トンと前月比39.5万トン、6.9%増(前年同月比8.1%減)となり、前年同月比では11ヵ月連続の減少となった。また、2011年4月~1月累計は6 120.8万トンと前年同期比5.0%減となった。
品種別では、条鋼類は148.4万トン、前月比2.7%減(前年同月比0.5%増)で、前年同月比では4ヵ月連続の増加となった。鋼板類は454.2万トン、同9.9%増(同11.1%減)となり、前年同月比では12ヵ月連続の減少となった。
主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が354.0万トン(前月比9.9%増、前年同月比10.3%減)と、前年同月比で12ヵ月連続の減少となった。厚板は94.2万トン(同12.7%増、同13.2%減)と、前年同月比で7ヵ月連続の減少となった。一方、条鋼類では小形棒鋼が70.7万トン(同3.6%減、同4.0%増)と前年同月比で7ヵ月連続の増加となった。H形鋼は28.4万トン(同1.1%減、同1.3%増)と同4ヵ月連続の増加、大形形鋼は8.4万トン(同6.7%増、同4.0%増)と同4ヵ月振りの増加、中小形形鋼は8.4万トン(同0.6%増、同6.4%減)と同2ヵ月振りの減少となった。
特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は167.1万トンと、前月に比べ1.1万トン、0.7%減(前年同月比8.8%減)となり、前年同月比では2ヵ月連続の減少となった。また、2011年4月~1月累計は1 677.1万トンと前年同期比4.2%減となった。
全国鉄鋼生産高速報 2012年1月 Excel
全国鋼材生産高速報 2012年1月 Excel
平成24年3月1日(木)Vol.350
前年比で国内出荷5ヵ月連続、輸出17ヵ月連続減
製紙連 2012年1月の紙・板紙需給速報発表
日本製紙連合会はこのほど、2012年1月の紙・板紙需給速報和発表した。概要は次の通り。
【概況】
紙・板紙の国内出荷は前年同月比4.2%減、5ヵ月連続の減少。うち、紙は4.4%(5ヵ月連続)減、板紙は3.9%(2ヵ月連続)減、ともに前月を上回る落ち込み。主要品種はいずれも減少。
紙・板紙の輸出は前年同月比55.0%減、17ヵ月連続の減少。大震災以降、紙を中心とした国内向けの優先や円高等もあり、伸び率半減は継続。
紙・板紙の在庫は前月比148千トン増。紙、板紙とも増加[紙112千トン(4ヵ月連続)増、板紙36千トン(2ヵ月連続)増。
【主要品種】
印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比5.5%減、輸入の大幅な増加等も影響し5ヵ月連続の減少。輸出は57.8%減、主力の塗工紙を中心に16ヵ月連続の減少。
包装用紙の国内出荷は前年同月比7.6%減、主要品種の中では落ち幅は最大。化学、合成樹脂向けの不振が影響。
衛生用紙の国内出荷は前年同月比3.5%減、大震災以降高まった製品輸入の増加等も影響し9ヵ月連続の減少。
段ボール原紙の国内出荷は3.9%減、価格修正に伴う前倒し需要の影響や前年の家電エコポイント制度の反動等から2ヵ月連続の減少。白板紙は1.2%減、3ヵ月連続の減少。
紙・板紙需給速報 2012年1月 PDF
平成24年3月1日(木)Vol.351
前年同期比で生産11ヵ月連続減、出荷4ヵ月振り減
鉄連 2012年1月の普通鋼鋼材需給速報発表
日本鉄鋼連盟は2月29日、2012年1月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。
1月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(645.2万トン)比53.5万トン・8.3%減の591.9万トンと11ヵ月連続の減少となった。また、前月比では26.0万トン・4.6%増加した。
1月の出荷は、国内向けは381.0万トンで、前年同月比では15.5万トン・3.9%減と4ヵ月振りの減少となった。また、前月比では0.7万トン・0.2%増加した。輸出向けは177.1万トンで、前年同月比で56.1万トン・24.0%減となり、7ヵ月連続の減少となった。また、前月比でも30.3万トン・14.6%減少した。
この結果、出荷合計では、前年同月(629.7万トン)比71.6万トン・11.4%減の558.1万トンと3ヵ月連続の減少となった。また、前月比でも29.6万トン、5.0%の減少となった。
1月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(637.7万トン)比33.8万トン・5.3%増の671.6万トンで、2ヵ月振りの増加となった。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(498.4万トン)比32.4万トン・6.5%増の530.8万トンと2ヵ月振りの増加となった。また、問屋在庫は前月末(139.4万トン)比1.4万トン・1.0%増の140.8万トンと3ヵ月連続の増加となった。
国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(557.7万トン)比4.0万トン・0.7%増の561.7万トンと2ヵ月連続の増加となった。また、輸出船待在庫は前月末(80.0万トン)比29.8万トン・37.3%増の109.8万トンと2ヵ月振りの増加となった。
在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は、亜鉛めっき鋼板(7.3万トン増の110.7万トン)、鋼帯(幅600mm以上)(4.8万トン増の172.5万トン)、冷延広幅帯鋼(3.8万トン増の62.1万トン)、鋼板(3.7万トン増の66.6万トン)、鋼管(3.6万トン増の50.5万トン)、H形鋼(2.3万トン増の25.7万トン)、軌条(2.0万トン増の5.1万トン)、小形棒鋼(1.9万トン増の64.2万トン)、ブリキ(1.7万トン増の10.6万トン)、冷延電気鋼帯(1.6万トン増の11.8万トン)であった。一方、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種はなかった。
1月末の在庫率(在庫&出荷)は、前月末の108.5%から11.8ポイント上昇し120.3%となり、10ヵ連続して100%を上回った。うち、国内在庫率は前月末の146.7%から0.7ポイント上昇し147.4%となった。
普通興鋼材需給速報 Excel
平成24年3月1日(木)Vol.352
前年同月比で輸出16.0%減、輸入25ヵ月連続増
鉄連 2012年1月の鉄鋼輸出入実績概況速報発表
日本鉄鋼連盟は2月29日、2012年1月の鉄鋼輸出入実績概況速報を発表した。概要は次の通り。
2012年1月の鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)の数量は294.4万トンであった。2012年1月の金額はドルベース35億7 590万ドル、円ベース2 760億円であった。前年同月比でみると、数量は16.0%減と11ヵ月連続の減少となり、金額はドルベースでは4.6%減と3ヵ月連続の減少、円ベースでも11.1%減と3ヵ月連続の減少となった。
なお、月間の輸出数量が300万トンを下回ったのは、2009年6月以来、2年7ヵ月振りのことである。前月比でみると、数量は6.0%減と2ヵ月振りの減少、金額はドルベースで10.8%減、円ベースでも11.3%減とともに2カ月振りの減少となった。
普通鋼鋼材計(194.6万トン)の前年同月比は16.7%減と5ヵ月連続の減少となった。内訳をみると、熱延広幅帯鋼(69.9万トン、前年同月比5.8%減)が3ヵ月連続、亜鉛めっき鋼板(31.1万トン、前年同月比21.5%減)が11ヵ月連続、厚板(25.1万トン、同21.2%減)が3ヵ月連続、冷延広幅帯鋼(22.3万トン、同38.1%減)が5ヵ月連続、電気鋼板(6.8万トン、同20.4%減)が3カ月連続、継目無鋼管(5.3万トン、同11.5%減)が4ヵ月連続、線材(3.3万トン、同39.6%減)が3ヵ月連続で減少した。一方、溶鍛接鋼管(7.4万トン、同18.6%増)が3ヵ月連続、形鋼(6.7万トン、同29.6%増)が 4ヵ月振り、棒鋼(3.1万トン、同3.8%増) が2ヵ月連続で増加した。また、前月比では、普通鋼鋼材計は7.1%減と2ヵ月振りに減少した。これを品種別にみると、亜鉛めっき鋼板(16.1%減)、形鋼(13.4%減)、厚板(11.2%減)冷延広幅帯鋼(5.7%減)、継目無鋼管(5.1%減)、棒鋼(4.3%減)、溶鍛接鋼管(2.0%減)、線材(12.2%減)、電気鋼板(9.2%減)等が減少した。また、熱延広幅帯鋼は横ばいとなった。
全鉄鋼ベースの仕向先別では、最大の韓国(61.3万トン、前年同月23.8%減)が14カ月連続の減少、中国(43.1万トン、同30.1%減)が10カ月連続の減少、タイ(35.2万トン、同2.9%減)が3ヵ月連続の減少、台湾(22.8万トン、同29.3%減)が3ヵ月連続の減少、米国(17.4万トン、同18.2%増)が6ヵ月連続の増加となった。
主要品種別にみると、冷延広幅帯鋼(7.7万トン、前年同月比6.6%増/6ヵ月連続増)、亜鉛めっき鋼板(6.0万トン、同46.2%増/9ヵ月連続増)、厚板(5.1万トン、同2.3倍/12ヵ月連続増)、線材(3.2万トン、同69.0%/5ヵ月連続増)、溶鍛接鋼管(1.1万トン、同2.2倍/12ヵ月連続増)、形鋼(1.1万トン、同32.2%増/6ヵ月連続増) 等が増加した。一方、熱延広幅帯鋼(12.4万トン、前年同月比8.4%減/6ヵ月振り減)、棒鋼(0.3万トン、同19.1%減/4ヵ月振り減)等が減少した。
仕入先別では、韓国(26.0万トン、前年同月比16.2%増)が27ヵ月連続の増加、台湾(7.9万トン、同40.7%増)が4ヵ月連続の増加
鉄鋼輸出入実績概況速報 2012年1月 Excel