平成24年4月28日(土)Vol.365
生産・在庫 2ヵ月振り上昇、出荷 2ヵ月振り低下
経産省 3月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報発表
経済産業省は4月27日、2012年3月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。
今月は、生産が上昇、出荷は低下、在庫、在庫率は上昇であった。
製造工業生産予測調査によると、4月上昇の後、5月は低下を予測している。
総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 95.3 | 1.0 | 101.8 | 13.9 |
出荷 | 95.2 | ▲0.1 | 105.8 | 11.1 |
在庫 | 107.5 | 4.3 | 101.9 | 9.6 |
在庫率 | 115.5 | 4.6 | 102.0 | 6.1 |
1. 3月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
3月の生産は、前月比1.0%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は13.9%の上昇)となり、指数水準は95.3(季節調整済)となった。 生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、窯業・土石製品工業等であった。 品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。
【出荷】
3月の出荷は、前月比▲0.1%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は11.1%の上昇)となり、指数水準は95.2(季節調整済)となった。 出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、金属製品工業、電気機械工業であった。
【在庫】
3月の在庫は、前月比4.3%の上昇と2ヵ月振りの上昇(前年同月比は9.6%の上昇)となり、指数水準は107.5(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等であった。
3月の在庫率は、前月比4.6%の上昇と2か月ぶりの上昇(前年同月比は6.1%の上昇)となり、指数水準は115.5(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、4月は前月比1.0%の上昇、5月は同▲4.1%の低下を予測している。4月の上昇は、一般機械工業、化学工業、輸送機械工業等により、5月の低下は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等による。
3月の実現率は▲3.2%、4月の予測修正率は▲1.9%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成17年=100
平成24年3月 | 平成24年4月 | 平成24年5月 | |
平成24年3月調査 | 3.4 | ▲0.3 | |
平成24年4月調査 | 1.0 | ▲4.1 |
3. まとめ
3月の生産は、前月比1.0%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、4月上昇の後、5月は低下を予測している。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している。
平成24年4月28日(土)Vol.366
前年比で粗鋼2.2%増、燃料油7.7%増
経産省、2012年3月の生産動態統計速報発表
経済産業省は4月27日、2012年3月の生産動態統計速報を発表した。
以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が932.3万トンと前月比で8.3%、前年同月比で2.2%ともに増加を示した。これにより2011年度の粗鋼生産量は、1億646万トンで前年度比3.8%の減少となった。
一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で1 728.2万klと前月比、前年同月比ともに7.7%増加となった。これにより2011年度の燃料油生産量は、1億8 568万klで前年度比4.9%減となった。
3月の鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が389.9万トンで前月比12.0%の2桁増、前年同月比3.5%増。鋼板が110.7万トンで前月比16.2%の2桁増だが、前年同月比2.2%減。棒鋼が87.8万トンで前月比5.4%増、前年同月比12.7%の2桁増。形鋼が52.2万トンで前月比5.5%、前年同月比5.6%ともに増。線材が16.4万トンで前月比10.3%の2桁増、前年同月比7.8%増。普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は185.4万トンで前月比8.7%、前年同月比4.9%ともに増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は178.6万トンで前月比4.7%、前年同月比5.5%ともに増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は111.2万トンで前月比11.5%の2桁増、前年同月比8.4%増を示した。
また、3月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて403.2万klで前月比0.3%の微増だが、前年同月比14.4%の2桁増。ガソリンが485.1万klで前月比12.8%の2桁増、前年同月比5.3%増。軽油が334.7万klで前月比15.2%の2桁増だが、前年同月比1.4%減。灯油は228.6万klで前月比5.9%減だが、前年同月比15.1%の2桁増。ナフサが167.8万klで前月比1.7%、前年同月比6.4%ともに増。ジェット燃料油が108.9万klで前月比47.3%の大幅増、前年同月比も12.6%の2桁増となった。
3月のコークスは288.9万トンで前月比9.1%増だが、前年同月比1.7%減。液化ガスは34.6万トンで前月比9.6%、前年同月比5.6%のともに増。石灰石は1 223.3万トンで前月比9.9、前年同月比7.6%ともに増。原油は8 013.1万klで前月比4.2%、前年同月比0.2%ともに増。天然ガスは3億4.355.1万トンで前月比0.9%、前年同月比3.9%ともに増となった。
鉄鋼生産速報 2012年3月 Excel
資源エネルギー生産速報 2012年3月 Excel
平成24年4月28日(土)Vol.367
国内出荷7ヵ月振り増、輸出19ヵ月連続減
製紙連合 2012年3月の紙・板紙需給速報発表
日本製紙連合会はこのほど、2012年3月の上・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。
【概況】
紙・板紙の国内出荷は前年同月比1.9%増、前年8月以来7ヵ月振りの増加。うち、紙は2.9%(7ヵ月振りの)、板紙は0.5%(2ヵ月連続)増。主要品種は包装用紙、衛生用紙を除き増加。
紙・板紙の輸出は前年同月比38.7%減、19ヵ月連続の減少。震災以降、紙を中心に国内向けの優先や円高等により大幅な減少は継続するも、落ち幅は縮小 傾向。
紙・板紙の在庫は前月比1.2千トン減、4ヵ月振りの減少。うち、紙は2.3千トン(6ヵ月連続)増も、板紙は3.5 千トン(2ヵ月連続の)減。震災等による滅失分(期末処 理)は1千トン(累計70千トン:紙63千トン、板紙7千ト ン)。
【主要品種】
新聞用紙の国内出荷は前年同月比12.5%増、昨年3月の震災の反動増等により大幅な伸び。ほぼ一昨年の水準まで回復(2010年比1.5%減)。
他方、印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比3.4% 増、昨年3月の震災の反動増により7ヵ月振りの増加も、輸入の大幅な増加等が影響し一昨年の水準には 届かず(2010年比9.6%減)。輸出は45.5%減、量的には回復傾向も、主力の塗工紙を中心に18ヵ月連続の減少。
包装用紙の国内出荷は前年同月比5.3%減、特にさらし包装紙の不振(11.8%減)が影響し6ヵ月連続の減少。
衛生用紙の国内出荷は前年同月比9.9%減、昨年3月の震災特需の反動減等により前月の増加から減少。
段ボール原紙の国内出荷は前年同月比1.3%増、伸び率は鈍化するも2ヵ月連続の増加。白板紙は0.4%増、ほとんど横ばいも5ヵ月振りの増加。
紙・板紙需給速報 2012年3月 PDF