平成24年9月30日(土)Vol.403
前月比で生産2ヵ月連続減、出荷4ヵ月振り増
経産省 2012年8月の鉱工業生産・出荷在庫速報発表
経済産業省は9月28日、2012年8月の鉱工業生産・出荷在庫速報を発表した。概要は次の通り。
◇8月は、生産が低下、出荷は上昇、在庫、在庫率は低下であった。
◇製造工業生産予測調査によると、9月低下の後、10月は横ばいを予測している。
◇総じてみれば、生産は弱含み傾向にある。
平成17年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 90.5 | ▲1.3 | 87.6 | ▲4.3 |
出荷 | 91.7 | 0.4 | 88.4 | ▲3.1 |
在庫 | 108.8 | ▲1.6 | 110.2 | 5.9 |
在庫率 | 124.5 | ▲2.9 | 129.1 | 8.1 |
1. 8月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
8月の生産は、前月比▲1.3%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比は▲4.3%の低下)となり、指数水準は90.5(季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、化学工業(除.医薬品)等であった。品目別にみると、モス型半導体集積回路(メモリ)、普通乗用車、アクティブ型液晶素子(中・小型)の順に低下に寄与している。
【出荷】
8月の出荷は、前月比0.4%の上昇と4ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲3.1%の低下)となり、指数水準は91.7(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、一般機械工業等であった。
【在庫】
8月の在庫は、前月比▲1.6%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比5.9%の上昇)となり、指数水準は108.8(季節調整済)となった。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業等であった。
8月の在庫率は、前月比▲2.9%の低下と3ヵ月振りの低下(前年同月比は8.1%の上昇)となり、指数水準は124.5(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、9月は前月比▲2.9%の低下、10月は同0.0%の横ばいを予測している。9月の低下は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等による。10月は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業等が上昇、一般機械工業、情報通信機械工業等が低下であった。
8月の実現率は▲2.8%、9月の予測修正率は▲2.4%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比 %)
平成17年=100
平成24年8月 | 平成24年9月 | 平成24年10月 | |
平成24年8月調査 | 0.1 | ▲3.3 | |
平成24年9月調査 | ▲2.9 | 0.0 |
3. まとめ
8月の生産は、前月比▲1.3%の低下となった。また、製造工業生産予測調査によると、9月低下の後、10月は横ばいを予測している。総じてみれば、生産は弱含み傾向にある。
鉱工業生産・出荷・在庫速報 2012年8月 PDF
平成24年9月30日(土)Vol.404
生産量前年比 粗鋼5ヵ月連続増、燃料油5ヵ月振り減
経産省・エネ庁が主要工業製品の7月生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は9月28日、2012年8月の生産動態統計速報を発表した。それによると鉄鋼は粗鋼生産量が920.7トンと前月比で0.5%減少しながらも、前年同月比で3.3%増加を示した。前年同月比増は6ヵ月連続の増加。石油製品の生産量は燃料油計で1 642.5万klと前月比で7.3%の増だが、前年同月比は1.3%の減となった。
鉄鋼の8月の生産を品種別にみると、普通鋼の鋼帯が392.0万トンで前月比4.5%、前年同月比2.5%ともに増。鋼板が96.0万トンで前月比4.4%、前年同月比8.6%ともに減。棒鋼が72.7万トンで前月比10.5%減だが、前年同月比1.0%増。形鋼が43.4万トンで前月比1.9%、前年同月比5.3%ともに増。線材が14.7万トンで前月比0.1%の微減だが、前年同月比17.4%の2桁増。冷延広幅鋼帯は183.4万トンで前月比2.1%増だが、前年同月比0.7%の微減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は166.6万トンで前月比4.7%、前年同月比1.6%ともに減。めっき鋼材の亜鉛めっき鋼板は106.8万トンで前月比0.1%の微減だが、前年同月比1.0%の増を示した。
一方、8月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて377.9万klで前月比6.8%、前年同月比16.6%ともに増。ガソリンが506.8万klで前月比9.5%増、前年同月比08%の微増。軽油が354.7万klで前月比5.7%増だが、前年同月比8.0%減。灯油が119.2万klで前月比21.6%の大幅増、前年同月比9.6%増。ナフサが146.8万klで前月比8.1%減、前年同月比20.8%の大幅減。ジェット燃料油が137.0万klで前月比13.1%の2桁増だが、前年同月比13.3%の2桁減となった。
また、7月のコークス生産は303.2万トンで前月比1.0%、前年同月比0.7%ともに増。液化石油ガスの生産は40.3万トンで前月比6.5%、前年同月比2.8%ともに増。石灰石の生産は1 157.4万トンで前月比4.9%現だが、前年同月比0.1%増のほぼ横這いとなった。
鉄鋼生産統計速報 2012年8月 Excel
資源エネルギー生産統計速報 2012年8月 Excel
平成24年9月30日(土)Vol.405
燃料油生産 前年同月比2ヵ月連続増
エネ庁 2012年8月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は9月28日、2012年8月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
8月の原油輸入量は1777万kl、前年同月比102.9%と前年を上回った。輸入量の多い順に見ると、次のようになっている。
(1)サウジアラビア(536万kl、前年同月比106.9%)
(2)アラブ首長国連邦(377万kl、同93.0%)
(3)カタール(235万kl、同136.9%)
(4)クウェート(173万kl、同277.6%)
(5)ロシア(73万kl、同74.5%)
なお、今月の中東依存度は84.3%、前年同月に比べ1.5ポイント増と9ヵ月振りに前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1 642万kl、前年同月比98.7%と2ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、灯油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は308万kl、前年同月比86.9%と4ヵ月振りに前年を下回った。
輸出は258万kl、同93.4%と3ヵ月連続して前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1 673万kl、前年同月比102.1%と9ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみると、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ及びジェット燃料油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1 194万kl、前年同月比95.4%と前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
石油統計速報 2012年8月 Excel
平成24年9月30日(土)Vol.406
前年比で生産 4ヵ月連続増、国内出荷 7ヵ月振り減
鉄連 2012年8月の普通鋼鋼材需給速報発表
日本鉄鋼連盟は9月28日、2012年8月の普通鋼鋼材需給速報を発表した。概要は次の通り。
8月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(609.6万トン)比11.0万トン・1.8%増の620.5万トンと4ヵ月連続の増加となった。また、前月比でも7.4万トン・1.2%増加した。
8月の出荷は、国内向けは366.3万トンで、前年同月比では3.1万トン・0.8%減と7ヵ月振りの減少となった。また、前月比でも32.4万トン・8.1%減少した。輸出向けは230.8万トンで、前年同月比で10.4万トン・4.7%増となり、2ヵ月連続の増加となった。また、前月比では横ばいとなった。
この結果、出荷合計では、前年同月(589.8万トン)比7.3万トン・1.2%増の597.1万トンと2ヵ月連続の増加となった。また、前月比では32.4万トン・5.2%の減少となった。
8月末のメーカー・問屋在庫は、前月末(639.9万トン)比23.5万トン・3.7%増の663.4万トンで、3ヵ月振りの増加となった。内訳をみると、メーカー在庫が前月末(505.1万トン)比22.1万トン・4.4%増の527.2万トンと2ヵ月振りの増加となった。また、問屋在庫は前月末(134.8万トン)比1.4万トン・1.0%増の136.2万トンと2ヵ月連続の増加となった。
国内・輸出別では、国内向在庫が前月末(541.1万トン)比15.5万トン・2.9%増の556.6万トンと3ヵ月振りの増加となった。また、輸出船待ち在庫は前月末(98.8万トン)比8.0万トン・8.1%増の106.7万トンと2ヵ月振りの増加となった。
在庫増減についてみると、在庫が前月末比1万トン以上増加した品種は、鋼帯(幅600mm以上)(11.3万トン増の165.3万トン)、亜鉛めっき鋼板(5.2万トン増の105.2万トン)、冷延広幅帯鋼(4.5万トン増の60.4万トン)、鋼板(3.9万トン増の69.6万トン)、鋼管(1.7万トン増の51.1万トン)、鋼矢板(1.5万トン増の5.4万トン)、冷延電気鋼帯(1.2万トン増の11.3万トン)であった。
一方、在庫が前月末比1万トン以上減少した品種は、小形棒鋼(5.5万トン減の68.3万トン)、中小形形鋼(1.1万トン減の9.3万トン)であった。
8月末の在庫率(在庫&出荷)は、前月末の101.6%から9.5ポイント上昇し111.1%となり、5ヵ月連続で100%を上回った。うち、国内在庫率は前月末の135.7%から16.3ポイント上昇し152.0%となった。
普通鋼鋼材需給速報 2012年8月 Excel
平成24年9月30日(土)Vol.407
前年比 生産11ヵ月連続増、国内需要12.4%増
自工会 2012年8月の四輪車生産実績速報発表
日本自動車工業会は8月28日、2012年8月の四輪車生産実績速報を発表した。概要は次の通り。
8月の四輪車生産台数は735 999台で、前年同月の704 088台に比べて31 911台・4.5%の増加となり、11ヵ月連続で前年同月を上回った。
8月の車種別生産台数と前年同月比は次のとおり。
【乗用車】
634 772台で30 455台・5.0%の増加となり、11ヵ月連続のプラス。このうち普通車は339 477台で15 236台・4.3%の減少、小型四輪車は179 809台で20 107台・12.6%の増加、軽四輪車は115 486台で25 584台・28.5%の増加。
【トラック】
92 230台で2 275台・2.5%の増加となり、11ヵ月連続のプラス。このうち普通車は43 875台で2 593台・6.3%の増加、小型四輪車は21 543台で3 142台・17.1%の増加、軽四輪車は26 812台で3 460台・11.4%の減少。
【バス】
8 997台で819台・8.3%の減少となり、3ヵ月連続のマイナス。このうち大型は831台で3台・0.4%の減少、小型は8 166台で816台・9.1%の減少。
8月の国内需要は370 777台で、前年同月比12.4%の増加であった。うち乗用車315 791台で前年同月比15.6%の増加、トラック54 155台で同2.2%の減少、バス831台で同31.8%の減少となった。
輸出は前年同月比5.4%の減少だった。
また、1~8月の生産累計は6 906 649台で、前年同期の4 924 408台に比べ1 982 241台・40.3%の増加であった。
このうち乗用車は5 964 342台で1 765 507台・前年同期比42.0%の増加、トラックは863 783台で199 601台・同30.1%の増加、バスは78 524台で17 133台・同27.9%の増加であった。
四輪車生産実績速報 2012年8月 PDF