No.416:前月比生産1.8%増、出荷横ばい 経産省 2012年10月の鉱工業・生産・出荷・在庫速報発表
No.417:燃料油生産 4ヵ月連続前年同月比割れ 経産省 2012年10月の石油統計速報発表
No.418: 生産前年比 粗鋼2ヵ月連続、燃料油3ヵ月連続減 経産省・エネ庁が10月の生産動態統計速報発表
No.419:四輪車生産 前年同月比12%減、2ヵ月連続減 自工会 2012年10月の自動車生産実績速報発表

平成24年12月2日(日)Vol.416

前月比生産1.8%増、出荷横ばい

経産省 2012年10月の鉱工業・生産・出荷・在庫速報発表

 
経済産業省は11月30日、2012年10月の鉱工業・生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。

(1)生産は、前月比1.8%の上昇であった。

業種別にみると、電子部品・デバイス工業、金属製品工業、輸送機械工業等が上昇し、情報通信機械工業、一般機械工業、その他工業等が低下した。

(2)出荷は、前月比0.0%の横ばいであった。

業種別にみると、金属製品工業、化学工業(除.医薬品)、プラスチック製品工業等が上昇し、情報通信機械工業、一般機械工業、非鉄金属工業等が低下した。

(3)在庫は、前月比0.3%の上昇であった。

業種別にみると、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、石油・石炭製品工業等が上昇し、情報通信機械工業、鉄鋼業、化学工業(除.医薬品)等が低下した。

(4)製造工業生産予測調査によると、11月は前月比▲0.1%の低下、12月は同7.5% の上昇であった。

11月の低下は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等による。12月の上昇は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等による。

概要は次の通り。

◇今月は、生産が上昇、出荷は横ばい、在庫は上昇、在庫率は低下であった。

◇製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。

◇総じてみれば、生産は低下傾向にある。

平成17年=100

1.10月の生産・出荷・在庫動向

【生産】

平成17年=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 88.1 1.8 92.0 ▲4.3
出荷 87.6 0.0 90.3 ▲4.7
在庫 108.1 0.3 109.9 4.2
在庫率 128.1 ▲1.8 127.3 9.8

10月の生産は、前月比1.8%の上昇と4ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲4.3%の低下)となり、指数水準は88.1(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、金属製品工業、輸送機械工業等であった。品目別にみると、モス型半導体集積回路(メモリ)、アクティブ型液晶素子(中・小型)、太陽電池モジュールの順に上昇に寄与している。

【出荷】

10月の出荷は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は▲4.7%の低下)となり、指数水準は87.6(季節調整済)となった。金属製品工業、化学工業(除.医薬品)、プラスチック製品工業等が上昇し、情報通信機械工業、一般機械工業、非鉄金属工業等が低下した。

【在庫】

10月の在庫は、前月比0.3%の上昇と3ヵ月振りの上昇(前年同月比4.2%の上昇)となり、指数水準は108.1(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、石油・石炭製品工業等であった。

10月の在庫率は、前月比▲1.8%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比は9.8%の上昇)となり、指数水準は128.1(季節調整済)となった。

2.製造工業生産予測調査

製造工業生産予測調査によると、11月は前月比▲0.1%の低下、12月は同7.5%の上昇を予測している。11月の低下は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等による。12月の上昇は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等による。

10月の実現率は0.6%、11月の予測修正率は▲1.1%となった。

製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比 %)

平成17年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成24年10月 平成24年11月 平成24年12月
平成24年10月調査 ▲1.5 1.6
平成24年11月調査 ▲0.1 7.5

3.まとめ

10月の生産は、前月比1.8%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。総じてみれば、生産は低下傾向にある。

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平成24年12月2日(日)Vol.417

燃料油生産 4ヵ月連続前年同月比割れ

経産省 2012年10月の石油統計速報発表

 
資源エネルギー庁は11月30日、2012年10月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

10月の原油輸入量は1 617万KL、前年同月比96.4%と2ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると次の通り。

(1)サウジアラビア(511万KL、前年同月比101.0%)

(2)アラブ首長国連邦(357万KL、同98.4%)

(3)カタール(152万KL、同87.1%)

(4)クウェート(130万KL、同125.3%)

(5)ロシア(100万KL、同111.4%)

なお、今月の中東依存度は81.1%、前年同月に比べ3.2ポイント減と2ヵ月連続して前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1 448万KL、前年同月比97.4%と4ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及びA重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は367万KL、前年同月比119.0%と3ヵ月振りに前年を上回った。

輸出は179万KL、同79.2%と5ヵ月連続して前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1 578万KL、前年同月比99.8%と11ヵ月振りに前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及びA重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1 278万KL、前年同月比104.1%と3ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、軽油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、灯油及びA重油は前年同月を下回った。

石油統計速報 2012年10月 Excel

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平成24年12月2日(日)Vol.418

生産前年比 粗鋼2ヵ月連続、燃料油3ヵ月連続減

経産省・エネ庁が10月の生産動態統計速報発表

 
経済産業省と資源エネルギー庁は11月30日、2012年10月の生産動態統計速報を発表した。それによると鉄鋼は粗鋼生産量が883.6トンと前月比で0.4%の微増だが、前年同月比で6.5減少を示した。前年同月比は2ヵ月連続の減少となった。石油製品の生産量は燃料油計で1 448.35万KLと前月比で0.9%、前年同月比2.6%ともに減少となった。前年同月比は3ヵ月連続の減となった。

鉄鋼の10月の生産を品種別にみると、普通鋼の鋼帯が368.7万トンで前月比1.6%減だが、前年同月比2.6%増。鋼板が86.4万トンで前月比5.8%、前年同月比17.7%ともに減。棒鋼が85.5万トンで前月比3.9%増だが、前年同月比3.5%減。形鋼が45.9万トンで前月比2.7%、前年同月比0.3%ともに増。線材が15.8万トンで前月比12.0%の2桁増で、前年同月比も2.9%増。冷延広幅鋼帯は170.9万トンで前月比3.7%、前年同月比2.9%ともに減。特殊鋼の熱間圧延鋼材は160.4万トンで前月比1.1%の微増だが、前年同月比13.5%の2桁減。めっき鋼材の亜鉛めっき鋼板は101.0万トンで前月比5.0%、前年同月比5.3%ともに減を示した。

鉄鋼の出荷を品種別にみると、鋼帯が170.7万トンで前月比2.9%増で、前年同月比11.1%の2桁増。冷延広幅帯鋼が54.3万トンで前月比6.2%減で、前年同月比14.3%の2桁減。鋼板が92.5万トンで前月比1.7%減で、前年同月比15.3%の2桁減。棒鋼が87.8万トンで前月比8.7%、前年同月比3.1%のともに増。形鋼が45.3万㌧で前月比1.1%の微減だが、前年同月比0.1%の微増。線材が15.8万トンで前月比25.8%の2桁増で、前年同月比3.6%増。熱間圧延鋼材が116.8万トンで前月比2.0%減で、前年同月比14.5%の2桁減。亜鉛めっき鋼板が104.9万トンで前月比3.0%増だが、前年同月比4.2%減となった。

一方、10月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて298.1万KLで前月比11.5%の2桁減で、前年同月比も2.9%の減。ガソリンが437.8万KLで前月比0.9%、前年同月比2.6%のともに減。軽油が330.0万KLで前月比6.9%増で、前年同月比0.4%の微増。灯油が125.3万KLで前月比10.7%の2桁増だが、前年同月比3.1%の減。ナフサが140.2万KLで前月比5.9%増だが、前年同月比5.1%減。ジェット燃料油が116.9万KLで前月比14.3%の2桁減で、前年同月比6.9%の減となった。

燃料油の出荷を品種別にみると、重油が351.2万KLで前月比5.1%、前年同月比5.1%ともに減。ガソリンが474.1万KLで前月比3.5%増だが、前年同月比1.1%の微減。軽油が351.8万KLで前月比5.0%増だが、前年同月比0.6%の微減。灯油が120.9万KLで前月比37.9%の大幅増だが、前年同月比17.9%の2桁減。ナフサが313.0万トンで前月比5.8%増だが、前年同月比2.2%の減。ジェット燃料油が118.0万KLで前月比20.2%の大幅減で、前年同月比5.9%の減となった。

また、10月のコークス生産は294.1万トンで前月比0.6%の微減だが、前年同月比1.5%増。出荷は78.8万トンで前月比2.5%、前年同月比1.8%のともに減。液化石油ガスの生産は28.1万トンで前月比24.0%の大幅減だが、前年同月比9.3%の増。出荷は42.0万トンで前月比5.8%、前年同月比2.2%ともに減。石灰石の生産は1 239.0万トンで前月比2.3%、前年同月比3.9%のともに増。出荷は1 274.8万トンで前月比3.6%、前年同月比0.9%ともに増となった。

鉄鋼統計速報 2012年10月 Excel

石油統計速報 2012年10月 Excel

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平成24年12月2日(日)Vol.419

四輪車生産 前年同月比12%減、2ヵ月連続減

自工会 2012年10月の自動車生産実績速報発表

 
10月の四輪車生産台数は792 166台で、前年同月の904 246台に比べて112 080台・12.4%の減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。

10月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。

【乗用車】

680 333台で93 361台・12.1%の減少となり、2ヵ月連続のマイナス。このうち普通車は377 155台で73 828台・16.4%の減少、小型四輪車は175 240台で34 926台・16.6%の減少、軽四輪車は127 938台で15 393台・13.7%の増加。

【トラック】

100 601台で19 434台・16.2%の減少となり、2ヵ月連続のマイナス。このうち普通車は46 085台で9 637台・17.3%の減少、小型四輪車は22 603台で1 541台・6.4%の減少、軽四輪車は31 913台で8 256台・20.6%の減少。

【バス】

11 232台で715台・6.8%の増加となり、5ヵ月振りにプラス。このうち大型は951台で94台・11.0%の増加、小型は10 281台で621台・6.4%の増加。

10月の国内需要は359 333台で、前年同月比5.7%の減少であった。うち乗用車299 334台で前年同月比6.7%の減少、トラック59 271台で同0.6%の減少、バス728台で同0.8%の減少。

輸出は前年同月比18.5%の減少。

また、1~10月の生産累計は8 472 805台で、前年同期の6 712 252台に比べ1 760 553台・26.2%の増加であった。

このうち乗用車は7 306 745台で1 577 601台・前年同期比27.5%の増加、トラックは1 65 448台で165 380台・同18.4%の増加、バスは100 612台で17 572台・同21.2%の増加であった。

四輪車生産実績速報 2012年10月 PDF

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