平成25年6月29日(土)Vol.472
生産2%増、4ヵ月連続伸びで国内向け上昇
経産省 2013年5月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は6月28日、2013年5月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。5月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)速報値は97.8と前月に比べて2.0%上昇した。これは4ヵ月連続の上昇で、伸び率は1年5ヵ月振りの大きさだった。業務用機械など国内向けの生産が伸びたが、これまでけん引役だった自動車が減少している。経産省は基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」とし、前月から判断を据え置いた。概要は次の通り。
◇今月は、生産、出荷が上昇、在庫、在庫率は低下であった。
◇製造工業生産予測調査によると、6月低下の後、7月は上昇を予測している。
◇総じてみれば、生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる。
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 97.8 | 2.0 | 93.1 | ▲1.0 |
出荷 | 96.6 | 0.8 | 91.5 | ▲2.3 |
在庫 | 107.1 | ▲0.3 | 106.4 | ▲2.7 |
在庫率 | 104.9 | ▲2.1 | 111.9 | ▲5.1 |
1. 5月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
5月の生産は、前月比2.0%の上昇と4ヵ月連続の上昇(前年同月比は▲1.0%の低下)となり、指数水準は97.8(季節調整済)となった。 生産の上昇に寄与した業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、化学工業(除.医薬品)等であった。品目別にみると、蒸気タービン部品、ボイラ部品、水管ボイラの順に上昇に寄与している。
【出荷】
5月の出荷は、前月比0.8%の上昇と3ヵ月振りの上昇(前年同月比は▲2.3%の低下)となり、指数水準は96.6(季節調整済)となった。 出荷の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業、電気機械工業等であった。
【在庫】
5月の在庫は、前月比▲0.3%の低下と2ヵ月振りの低下(前年同月比▲2.7%の低下)となり、指数水準は107.1(季節調整済)となった。 在庫の低下に寄与した業種は、石油・石炭製品工業、電子部品・デバイス工業、パルプ・紙・紙加工品工業等であった。
5月の在庫率は、前月比▲2.1%の低下と2ヵ月連続の低下(前年同月比は▲5.1%の低下)となり、指数水準は104.9(季節調整済)となった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、6月は前月比▲2.4%の低下、7月は同3.3%の上昇を予測している。 6月の低下は、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、その他等による。7月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、その他等による。
5月の実現率は▲1.4%、6月の予測修正率は▲0.9%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比%)
平成22年=100
平成25年5月 | 平成25年6月 | 平成25年7月 | |
平成25年5月調査 | 2.2 | ▲2.9 | |
平成25年6月調査 | ▲2.4 | 3.3 |
3. まとめ
5月の生産は、前月比2.0%の上昇となった。また、製造工業生産予測調査によると、6月低下の後、7月は上昇を予測している。 総じてみれば、生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる。
鉱工業生産・出荷・在庫速報 2013年5月 PDF
平成25年6月29日(土)Vol.473
生産前年比 粗鋼3ヵ月連続増、燃料油横ばい
経産省・エネ庁が2013年5月の生産動態統計速報発表
鉄鋼の5月の生産を品種別にみると、普通鋼の鋼帯が390.1万トンで前月比5.5%、前年同月比1.7%ともに増。冷延広幅帯鋼が176.4万トンで前月比7.4%、前年同月比1.1%ともに増。鋼板が91.3万トンで前月比1.5%増だが、前年同月比5.2%減。棒鋼が87.3万トンで前月比2.0%減だが、前年同月比5.3%増。形鋼が53.9万トンで前月比8.8%、前年同月比7.8%ともに増。線材が18.6トンで前月比0.7%の微減だが、前年同月比25.3%の大幅増。冷延広幅鋼帯は176.4万トンで前月比7.4%、前年同月比1.1%ともに増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は171.9万トンで前月比5.8%増だが、前年同月比7.1%減。めっき鋼材の亜鉛めっき鋼板は104.3万トンで前月比6.7%増だが、前年同月比0.9%の微減を示した。
一方、5月の石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて290.2万KLと前月比1.4%減で、前年同月比15.8%の2桁減。ガソリンが445.7万KLで前月比3.6%、前年同月比5.2%ともに増。軽油が359.2万KLで前月比1.4%減だが、前年同月比10.3%の2桁増。灯油が88.1万KLで前月比23.0%の大幅減で、前年同月比も5.1%減。ナフサが141.2万KLで前月比15.5%の2桁減で、前年同月比も6.5%減。ジェット燃料油が135.2万KLで前月比0.2%の微減だが、前年同月比11.4%の2桁増となった。
また、5月のコークスの生産は304.5万トンで前月比4.4%、前年同月比1.8%ともに増。液化石油ガスの生産は40.1万トンで前月比0.8%の微減だが、前年同月比4.4%増。石灰石の生産は1 196.9万トンで前月比1.2%、前年同月比6.0%ともに増となった。
鉄鋼統計速報 2013年5月 Excel
資源エネルギー統計速報 2013年5月 Excel
平成25年6月29日(土)Vol.474
燃料油生産 5ヵ月振りの前年同月比増
エネ庁 2013年5月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は6月28日、2013年5月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
5月の原油輸入量は1 666万KL、前年同月比94.6%と4ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、
(1)サウジアラビア(508万KL、前年同月比92.6%)
(2)アラブ首長国連邦(355万KL、同101.9%)
(3)カタール(217万KL、同122.5%)
(4)クウェート(124万KL、同89.6%)
(5)イラン(118万KL、同186.0%)となっている。
なお、今月の中東依存度は83.0%、前年同月に比べ1.0ポイント増と4ヵ月振りに前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1 460万KL、前年同月比100.0%と5ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は264万KL、前年同月比90.5%と2ヵ月連続して前年を下回った。
輸出は312万KL、同137.9%と3ヵ月連続して前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1 432万KL、前年同月比95.4%と4ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1 082万KL、前年同月比97.6%と4ヵ月振りに前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びナフサは前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
石油製品の需給概要 2013年5月 Excel
平成25年6月29日(土)Vol.475
四輪車生産 前年同期比6.2%減、9ヵ月連続下降
自工会 2013年5月の自動車生産速報発表
日本製紙連合会は6月28日、2013年5月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。
【概況】
紙・板紙の国内出荷は前年同月比2.4%増で、2ヵ月連続増加した。うち紙は2.9%増、板紙は1.8%増といずれも 2ヵ月連続の増加だった。但し、品種別には印刷用紙(非塗工紙、塗工紙)、段ボール原紙を除き減少した。
紙・板紙の輸出は前年同月比30.4%増で、9月連続増加した。うち紙は26.5%(9ヵ月連続)の増、板紙は75.6%の増となった。7ヵ月連続の増加。ともにアジア向けを中心に増加した。大洋州向けも増加した。震災前の水準に対しては前月同様、紙・板紙で9割弱の水準にある。
紙・板紙の在庫は前月比8 000トン増、4ヵ月振りの増加だった。うち紙は35 000トンの増で4ヵ月振りの増加。新聞用紙、印刷・ 情報用紙、衛生用紙が増加したものの、板紙は27 000トンの減で2ヵ月連続減少。段ボール原紙も減少した。
【主要品種】
印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比6.5%増で、3ヵ月連続の増加。荷動きは緩慢ながら、輸入の減少や価格修正等が影響し、一部品種ではタイト感も見られる状況にある。品種別には情報用紙を除き増加した。輸出は24.6%増し、塗工紙を中心に5ヵ月連続の増加だった。
包装用紙の国内出荷は前年同月比5.2%減で、7ヵ月連続の減少だった。主要品種の中では落ち幅は最大である。他方、輸出は前年10月を上回り過去最高となった。
衛生用紙の国内出荷は前年同月比0.7%減とほぼ横ばいだが、前月の増加から減少となった。価格修正やティシュを中心に製品輸入の増加等が影響した。
段ボール原紙の国内出荷は前年同月比2.4%増、2ヵ月連続の増加となった。荷動きは比較的堅調で、青果物向け等の回復が寄与した。他方、白板紙の国内出荷は1.0%減で、落ち幅は縮小したものの、一般向けを中心に7ヵ月連続の減少となった。
紙・板紙需給速報 2013年5月 PDF