平成26年6月4日(水)Vol.560
生産2ヵ月振り、出荷ヵ3ヵ月連続低下
経産省 4月の鉱工業生産・出荷在庫速報発表
経済産業省は5月30日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。概要は次の通り。
【4月の特長】
⑴ 生産、出荷、在庫、在庫率とも低下であった。
⑵ 製造工業生産予測調査によると、5月上昇の後、6月は低下を予測している。
⑶ 総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。 p align=right
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 99.6(102.2) | ▲2.5(0.7) | 96.6 | 4.1 |
出荷 | 98.0(103.2) | ▲5.0(▲0.2) | 93.4 | 2.4 |
在庫 | 105.2(105.7) | ▲0.5(1.4) | 100.5 | ▲1.9 |
在庫率 | 103.5(105.4) | ▲1.8(2.1) | 102.2 | ▲4.3 |
4月の生産・出荷・在庫動向
【生産】
4月の生産は、前月比▲2.5%と2ヵ月振りの低下(前年同月比は4.1%の上昇)となり、指数水準は99.6(季節調整済)となった。 生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)等であった。品目別にみると、普通乗用車、太陽電池セル、平版印刷(オフセット印刷)の順に低下に寄与している。
【出荷】
4月の出荷は、前月比▲5.0%と3ヵ月連続の低下(前年同月比は2.4%の上昇)となり、指数水準は98.0(季節調整済)となった。 出荷の低下に寄与した業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、輸送機械工業等であった。
【在庫】
4月の在庫は、前月比▲0.5%と2ヵ月振りの低下(前年同月比は▲1.9%の低下)となり、指数水準は105.2(季節調整済)となった。 在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業等であった。 4月の在庫率は、前月比▲1.8%と3ヵ月振りの低下(前年同月比は▲4.3%の低下)となり、指数水準は103.5(季節調整済)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、5月は前月比1.7%の上昇、6月は同▲2.0%の低下を予測している。 5月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、電子部品・デバイス工業等による。6月の低下は、輸送機械工業、電気機械工業、その他等による。
4月の実現率は▲1.9%、5月の予測修正率は▲0.4%となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 99.6(102.2) | ▲2.5(0.7) | 96.6 | 4.1 |
出荷 | 98.0(103.2) | ▲5.0(▲0.2) | 93.4 | 2.4 |
在庫 | 105.2(105.7) | ▲0.5(1.4) | 100.5 | ▲1.9 |
在庫率 | 103.5(105.4) | ▲1.8(2.1) | 102.2 | ▲4.3 |
まとめ
4月の生産は、前月比▲2.5%の低下となった。また、製造工業生産予測調査によると5月上昇の後、6月は低下を予測している。 総じてみれば、生産は横ばい傾向にある。
平成26年6月4日(水)Vol.561
前年比で燃料油の生産4.4%、販売4.6%減
エネ庁、4月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は5月30日、4月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
原油の動向
4月の原油輸入量は1 684万㎘、前年同月比95.7%と2ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順に見ると、
(1)サウジアラビア(549万㎘、前年同月比95.5%)
(2)アラブ首長国連邦(415万㎘、同117.4%)
(3)カタール(203万㎘、同86.3%)
(4)クウェート(154万㎘、同135.7%)
(5)ロシア(84万㎘、同65.0%)となっている。
なお、今月の中東依存度は79.9%、前年同月に比べ1.5ポイント減と4ヵ月振りに前年を下回った。
燃料油の生産
燃料油の生産は1 469万㎘、前年同月比97.6%と前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油及びA重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を下回った。
燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は246万㎘、前年同月比95.6%と前年を下回った。
輸出は242万㎘、同101.3%と14ヵ月連続して前年を上回った。
燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1 413万㎘、前年同月比95.4%と前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
燃料油の在庫
燃料油の在庫は955万㎘、前年同月比85.4%と8ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
平成26年6月4日(水)Vol.562
前年比 粗鋼8ヵ月振り、燃料油2ヵ月振り減
経産省・エネ庁が4月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は5月30日、4月の生産動態統計速報を発表した。それによると生産量は、鉄鋼の粗鋼生産量が894.6トンで前月比8.0%、前年同月比2.4%のともに減を示した。生産は前年同月比が8ヵ月振りの減となった。また、石油製品の生産は燃料油計で1 469.0万㎘と前月比13.9%の2桁減で、前年同月比も2.4%の減となった。前年同月比は2ヵ月の連続減となった
鉄鋼の4の生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材で鋼帯が360.1万トンと前月比13.2%の2桁減で、前年同月比も2.5%減。鋼板が92.6万トンで前月比0.6%の微増で、前年同月比3.0%増。小形棒鋼が76.2万トンで前月比0.9%の微減で、前年同月比7.7%減。H形鋼が307万トンで前月比16.6%の2桁減で、前年同月比も9.0%の減。線材が16.6トンで前月比2.6%減で、前年同月比11.3%の2桁減。冷間仕上鋼材で冷延広幅帯鋼が169.9万トンと前月比8.3%減だが、前年同月比3.7%増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は172.8万トンと前月比5.1%減だが、前年同月比6.3%増。冷間仕上鋼材の冷延広幅鋼帯は22.0トンと前月比11.2%の2桁減だが、前年同月比8.90%の増。めっき鋼材の亜鉛めっき鋼板は97.9万トンと前月比13.2%の2桁減だが、前年同月比横ばいを示した。
鉄鋼の出荷を品種別にみると、鋼帯が165.0万トンで前月比14.1%の2桁減だが、前年同月比1.1%の微増。鋼板が87.9万トンで前月比9.7%減だが、前年同月比2.5%増。小形棒鋼が75.7万トンで前月比7.6%、前年同月比6.5%のともに減。H形鋼が32.1万トンで前月比19.1%の2桁減だが、前年同月比10.8%の2桁増。線材が15.6万トンで前月比5.2%減で、前年同月比14. 5%の2桁減。冷延広幅帯鋼が58.9万トンで前月比7.9%減だが、前年同月比17.1%の2桁増。特殊鋼の熱間圧延鋼材が125.9万トンで前月比7.7%減だが、前年同月比7.2%増。冷延広幅帯鋼が19.7万トンと前月比17.0%の2桁減だが、前年同月比8.2%の増。亜鉛めっき鋼板が95.5万トンで前月比12.9%の2桁減だが、前年同月比0.8%の微増となった。
一方、石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて283.2万㎘と前月比23.7%の大幅減で、前年同月比も3.7%減。ガソリンが439.9万㎘で前月比7.8%減だが、前年同月比2.3%増。軽油が346.0万㎘で前月比6.8%、前年同月比5.0%のともに減。不需要期の灯油が91.5万㎘で前月比52.1%、前年同月比19.9%のともに大幅減。ナフサが153.6万㎘で前月比13.0%の2桁減で、前年同月比も8.1%減。ジェット燃料油が154.8㎘と前月比31.4%の大幅増で、前年同月比も14.3%の2桁増となった。
燃料油の出荷を品種別にみると、重油が297.21万㎘で前月比21.4%の大幅減で、前年同月比1.3%減。ガソリンが430.2万㎘で前月比14.1%の2桁減で、前年同月比も3.3%減。軽油が360.8万㎘で前月比13.0%の2桁減で、前年同月比も1.0%の微減。灯油が98.7万㎘と前月比50.8%、前年同月比24.8%の大幅減。ナフサが334.7万㎘で前月比0.6%の微増で、前年同月比4.2%増。ジェット燃料油が143.8万㎘と前月比14.7%、前年同月比11.2%のともに2桁増となった。
また、コークスの生産は287.2万トンと前月比3.2%、前年同月比1.5%のともに減。出荷は67.5万トンで前月比10.3%の2桁減だが、前年同月比7.6%増。液化石油ガスの生産は38.8万トンで前月比2.8%、前年同月比4.0%のともに減。出荷は49.7万トンと前月比8.0%減だが、前年同月比4.0%増。石灰石の生産は1 230.9万トンで前月比6.2%減だが、前年同月比4.6%増。出荷は1 001.4万トンで前月比18.0%、前年同月比16.3%のともに2桁減となった。
鉄鋼統計速報 2014年4月 Excel
資源エネルギー統計速報 2014年4月 Excel
平成26年6月4日(水)Vol.563
四輪車 8ヵ月連続増加
自工会 4月の四輪車生産速報発表
日本自動車工業会は5月30日、4月の自動車生産速報を発表した。四輪車に絞ってみると概要は次の通り。
4月の四輪車生産台数は770 484台で、前年同月の745 320台に比べて25 164台・3.4%の増加となり、8ヵ月連続で前年同月を上回った。
4月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。
【乗用車】
652 490台で20 806台・3.3%の増加となり、8ヵ月連続の増加。このうち普通車は364 764台で4 137台・1.1%の減少、小型四輪車は136 270台で54台・0.04%の減少、軽四輪車は151 456台で24 997台・19.8%の増加となった。
【トラック】
107 563台で5 144台・5.0%の増加となり、10ヵ月連続の増加。このうち普通車は47 440台で2 444台・5.4%の増加、小型四輪車は25 896台で2 577台・11.1%の増加となった。軽四輪車は34 227台で123台・0.4%の増加だった。
【バス】
10 431台で786台・7.0%の減少となり、5ヵ月振りに減少。 このうち大型車は731台で39台・5.6%の増加、小型は9 700台で825台・7.8%の減少だった。
4月の国内需要は345 226台で、前年同月比5.5%の減少だった。うち乗用車は292 826台で前年同月比5.1%の減少、トラック51 757台で同7.1%の減少、バス643台で同28.6%の減少だった。
輸出は前年同月比5.4%の減少だった。
また、1~4月の生産累計は3 434 613台で、前年同期の3 127 227台に比べ307 386台・9.8%の増加だった。うち乗用車は2 937 311台で274 861台・前年同期比10.3%の増加、トラックは451 102台で30 912台・同7.4%の増加、バスは46 200台で1 613台・同3.6%の増加だった。
新車販売実績速報 2014.05 Excel
平成26年6月4日(水)Vol.564
国内出荷 10ヵ月振り減少
製紙連合 4月の紙・板紙需給速報発表
日本製紙連合会はこのほど、4月の紙・板紙需給速報を発表した。概要は次の通り。
紙・板紙の国内出荷は前年同月比3.0%減、10ヵ月振りの減少となった。うち、紙は4.9%減、4ヵ月振りの減少。板紙は0.6%減で、ほとんど横ばいも10ヵ月振りの減少だった。
主要品種は包装用紙及び白板紙を除き減少した。消費増税関連の駆け込み需要の影響による反動減は品種によって濃淡があった。
紙・板紙の輸出は前年同月比4.2%増で、20ヵ月連続の増加となった。うち、紙は1.1%減で東アジア、東南アジア向けを中心に24年8月以来20ヵ月振りの減少だった。他方、板紙は25.7%増で、東南アジア向けを中心に18ヵ月連続の増加となった
紙・板紙の在庫は前月比35千トン増で、3ヵ月振りの増加となった。うち、紙は52千トン増で、印刷・情報用紙、衛生用紙、新聞用紙を中心に3ヵ月振りの増加となった。他方、板紙は17千トン減で、段ボール原紙を中心に前月の増加から減少に転じた。
また、印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比4.8%減で、4ヵ月振りの減少となった。荷動きは消費増税関連の一部積み残しもあったが、商業印刷向け等を中心に低調。輸出は9.4%減で、主力のアジア市場の軟調等もあり、塗工紙を中心に2ヵ月連続の減少だった。
包装用紙の国内出荷は前年同月比3.6%増で、重袋向けに消費増税に伴う駆け込み需要の影響が見られるものの、積み残しやユーザーの在庫補充等もあり、8ヵ月連続の増加となった。
輸出は引き続き高水準を維持している。
衛生用紙の国内出荷は前年同月比14.3%減で、トイレット、ティシュを中心に消費増税に伴う駆け込み需要の反動減等により4ヵ月振りの減少となった。
段ボール原紙の国内出荷は前年同月比1.4%減、10ヵ月振りの減少となった。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減もあるが、GWを控えた前倒しやユーザーの在庫補充等が影響した。白板紙の国内出荷は1.7%増で、POP関連やユーザーの在庫補充等もあり、コート白を中心に6ヵ月連続の増加となった。