No.60:規制改革会議が6月期規制改革要望の全容を公表

平成20年7月15日(火)Vol.60

規制改革会議が6月期規制改革要望の全容を公表

 
内閣府の規制改革会議はこのほど、平成20年6月期の「特区、地域再生、規制改革集中受付」に係る提案・要望の受付状況についてまとめ、確報を公表した。

既報のように、内航海運関連では日本経済団体連合会から今回も引続き、「内航海運暫定措置事業の早期解消」が提出されているが、これを含めて海運関係では下記のような要望が提出されている。

※要望項目は次の通り

(1) 求める措置の具体的内容

(2) 具体的事業の実施内容・提案理由

(3) 根拠法令等

(4) その他(特記事項)

◇日本籍船運航に係わる海技資格等の承認制度の簡素化

【提出者・日本船主協会】

(1) 船員の能力等の最低基準を定めたIMO/STCW条約の締約国政府が発給した資格証明書を受有している者に対しては、日本籍船を運航する際に必要とされるわが国の関係法令の周知を行なうのみで、受有している資格の範囲内で日本籍船での船舶職員となる資格(以下承認資格という)が付与されるべきである。

また、関係法令の周知に当たっては、小冊子、DVD、その他の媒体による周知を行なうことにより、遠隔地居住もしくは乗船中の承認資格受有者への便宜が図られるべきである。

(2) STCW条約は船舶職員の能力・資格に関する国際基準を定めており、締約国の発給する船舶職員資格証明書は、その受有者が国際基準を満たしていることを証明するものである。

国際航路に就航する船舶は全世界を航行していることから、船舶職員の資格について、日本籍船であるが故にSTCW条約の定める要件を越えたものを求める合理的な理由はない。

わが国の安定的な国際海上輸送確保の観点から、国交省交通政策審議会海事分科会国際輸送部会によって、極端に減少した日本籍船と日本人船員を増加・確保するとの方針が打ち出されたが、日本籍船の増加に当たっても、船舶職員の養成には長い期間を要するため当面は日本人船員の数が限られることから、その運航要員には締約国資格証明書を持つ外国人船員に一層依存せざるを得ない状況にある。

一方で、現在の法令講習・試験制度の下では、締約国資格証明書を持つ外国人に一連の講習・試験を受けさせるには、欧州・インド・東南アジア等の船員居住地から試験実施地(マニラ)への移動と長期滞在が必要となり、船員本人及びそれを雇用する各社の大きな負担となっていることから、日本籍船増加のボトルネックとなりつつある。

(3) (承認船員)船舶職員及び小型船舶操縦者法第23条 第1項、同法施行規則第65条第2項

(船舶保安管理者)国際航海船舶及び国際港湾施設の保安に確保等に関する法律第8条

(衛生管理者)船舶に乗組む医師及び衛生管理者に関する省令 第12条

◇船舶の建造許可に当たっての手続きの一層の簡素化

【提出者・日本船主協会】

(1) 船舶の建造許可申請手続きの簡素化については、現在検討が進められているOECD造船協定が発効した際に、臨時船舶建造調整法の改廃を含む建造許可制度の抜本的見直しを行うとのことであるので、同協定発効後速やかな見直しをお願いしたい。

(2) 当該規制は、「我が国の国際海運の健全な発展に資することを目的とした臨時船舶建造調整法(昭和28年)法に基づき、造船事業者が総トン数 2,500トン以上又は長さ90m以上で、遠洋区域又は近海区域を航行区域とする鋼製の船舶を建造しようとするときは、その建造の着手前に国土交通大臣の許可を受けなければならない。」とされているものである。本法制定時には意義があったものと思われるが、近年の近隣諸国の造船所の発展もあり、わが国においてのみ本法に基づき需給調整を行うことの意義は、もはやないものと思われる。

(3) 臨時船舶建造調整法第2条及び第4条

◇日本籍船運航に係わる海技資格等の承認制度の簡素化

【提出者・日本船主協会】

(1) 船員の能力等の最低基準を定めたIMO/STCW条約の締約国政府が発給した資格証明書を受有している者に対しては、日本籍船を運航する際に必要とされるわが国の関係法令の周知を行なうのみで、受有している資格の範囲内で日本籍船での船舶職員となる資格(以下承認資格という)が付与されるべきである。

また、関係法令の周知に当たっては、小冊子、DVD、その他の媒体による周知を行なうことにより、遠隔地居住もしくは乗船中の承認資格受有者への便宜が図られるべきである。

(2) STCW条約は船舶職員の能力・資格に関する国際基準を定めており、締約国の発給する船舶職員資格証明書は、その受有者が国際基準を満たしていることを証明するものである。

国際航路に就航する船舶は全世界を航行していることから、船舶職員の資格について、日本籍船であるが故にSTCW条約の定める要件を越えたものを求める合理的な理由はない。

わが国の安定的な国際海上輸送確保の観点から、国交省交通政策審議会海事分科会国際輸送部会によって、極端に減少した日本籍船と日本人船員を増加・確保するとの方針が打ち出されたが、日本籍船の増加に当たっても、船舶職員の養成には長い期間を要するため当面は日本人船員の数が限られることから、その運航要員には締約国資格証明書を持つ外国人船員に一層依存せざるを得ない状況にある。

一方で、現在の法令講習・試験制度の下では、締約国資格証明書を持つ外国人に一連の講習・試験を受けさせるには、欧州・インド・東南アジア等の船員居住地から試験実施地(マニラ)への移動と長期滞在が必要となり、船員本人及びそれを雇用する各社の大きな負担となっていることから、日本籍船増加のボトルネックとなりつつある。

(3) (承認船員)船舶職員及び小型船舶操縦者法第23条 第1項、同法施行規則第65条第2項

(船舶保安管理者)国際航海船舶及び国際港湾施設の保安に確保等に関する法律第8条

(衛生管理者)船舶に乗組む医師及び衛生管理者に関する省令 第12条

◇船舶の建造許可に当たっての手続きの一層の簡素化

【提出者・日本船主協会】

(1) 船舶の建造許可申請手続きの簡素化については、現在検討が進められているOECD造船協定が発効した際に、臨時船舶建造調整法の改廃を含む建造許可制度の抜本的見直しを行うとのことであるので、同協定発効後速やかな見直しをお願いしたい。

(2) 当該規制は、「我が国の国際海運の健全な発展に資することを目的とした臨時船舶建造調整法(昭和28年)法に基づき、造船事業者が総トン数 2,500トン以上又は長さ90m以上で、遠洋区域又は近海区域を航行区域とする鋼製の船舶を建造しようとするときは、その建造の着手前に国土交通大臣の許可を受けなければならない。」とされているものである。本法制定時には意義があったものと思われるが、近年の近隣諸国の造船所の発展もあり、わが国においてのみ本法に基づき需給調整を行うことの意義は、もはやないものと思われる。

(3) 臨時船舶建造調整法第2条及び第4条

◇内航輸送用トレーラー(シャーシ)の車検制度の緩和

【提出者・日本船主協会】

(1) モーダルシフトに資する海上輸送用のトレーラー(シャーシ)に対する車検の点検項目および車検証の有効期限を見直す。

(2) モーダルシフトに資する海上輸送用のトレーラー(シャーシ)に対する自動車検査証の有効期限は、毎日陸上輸送している一般のトラック同様1年である。主に海上輸送用であるトレーラー(シャーシ)は、本船船内または港頭地区駐車場に停車している状態が長く、陸上走行距離が短いものとなっている。また、トレーラー(シャーシ)自体は動力を持たず、トラクター(ヘッド)に牽引されるだけである。一昨年、国土交通省が発表した「シャーシに係る物流効率化等に関する検討会・中間報告」において、シャーシの走行距離が乗用車と比較すると1.8倍となっており、車検証の有効期間の見直しを妥当とするほどではないとの指摘等があった。しかし、自主点検の体制等から事業用貨物車と比較するべきであり、それとの

(3) 道路運送車両法第61条

◇内航船の航行区域拡大の検討

【提出者・日本船主協会】

(1) 内航船の航行の自由度が向上するよう、沿海区域の拡大についての見直しの検討

(2) 現在、内航船(沿海資格船)の航行区域は海岸から20海里の沿海に沿って航行せざるを得ないことから、航海時間、燃料消費等の面から物流効率化ならびに省エネルギー対策の妨げになっている。通信設備はじめ航海機器の発達と船舶の堪航能力及び航海速力の向上を勘案しても20海里以遠の海域の航海は充分可能と判断される。ついては沿海区域、限定近海の線引きを含めた制度の見直しを検討いただきたい。

(3) 船舶安全法船舶安全法施行規則船舶設備規程

◇限定近海区域における内航船の航行基準の緩和

【提出者・日本経済団体連合会】

(1) 科学的な実証実験を行った上で、限定近海区域においても、一定の基準を

満たした沿海資格船の航行を認めるべきである。

内航船の航行自由度が向上するよう、船舶に係る基準について、沿海基準と

限定近海基準の格差縮小を図るべきである。

(2) 現行の規制では、海岸から20海里以内の沿海に沿って航行せざるを得ないことから、多くの時間と燃料が費消され、物流効率化が阻害されている。

通信設備のインフラ整備が進むなど、航海機器の発達と船舶の堪航能力の向上により、沿海資格船においても近海区域の航海は十分可能と判断されるため、早期に実証実験を行い、要件緩和を図るべきである。

(3) 船舶安全法第9条

船舶安全法施行規則第1条各号

船舶設備規程第2条第2項ほか

(4) 船舶はその船舶が保有する資格により航海できる海域が制限されており、「沿海資格船」は沿海岸から20海里までを線で囲んだ海域より遠い海域を航海することはできない。ただし、1996年12月に、1.内浦湾沖、2.石巻湾沖、3.伊勢湾沖、4.紀伊水道、5.土佐湾沖、6.豊後水道沖、7.若狭湾沖の7沿海区域の境界については規制が緩和され、20海里を超える海域を含めて直線で航行することが可能となっている。しかし、本州~沖縄間の一部の海域については、近海区域が存在することから、沿海船での航海はできない。また、国際航海に従事しない船舶として1996年7月に「限界近海船」が導入され、沖縄、八丈島、宮古~襟裳岬間(青森県東岸沖)については内航船による運航が可能となっている。

◇内航海運暫定措置事業の早期解消

【提出者・日本経済団体連合会】

(1) 暫定措置事業の現状に対応し、公的資金による解消など、早期解消に向けた施策を講ずべきである。

(2) 以下の問題点があり、コスト競争力のある事業者が生まれにくい状況となっている。

1.計算上は交納付金の収支の目処は立つものの、今後の建造状況の如何によっては、同事業の解消ができないことも考えられる。

2.新規参入時に多額の納付金が必要なため、コストが高くなり参入の障害となっている。

3.既存業者のリプレース時も交納付金の差額の納付が必要で、リプレースの障害となっている。

現時点での交納付金差額 : 605億円

1998年~2008年1月解撤交付金額 1,230億円(1,868千DWT)

〃         建造納付金額     624億円(   801千DWT)

2013年以降も建造納付金が必要になれば、船主の建造時負担が大きくなり、当事業の目的である内航海運の活性化が図れない。「海上運送活性化3法案」の付帯決議の中で、「暫定措置事業の円滑かつ着実な実施」がうたわれているが、このままでは抜本的な解決にならない。

(3) 内航海運暫定措置事業規程

(4) 船腹調整事業の解消に伴い、1998年5月に暫定措置事業が認可された。これにより内航総連は船舶を解撤する船主に解撤交付金を支払い、新規に建造する船主は内航総連に建造納付金を納付することとなった。同事業は納・交付金の収支が相償った時点で解消することとなっているが、解撤に対して建造が少なく、期限内(2013年)の事業解消が危ぶまれる状況にある。

◇日本籍船運航に係る海技資格等の承認制度の簡素化 【新規】

【提出者・日本船主協会】

(1) STCW条約締約国が発給する資格証明書を受有する者に対しては、日本籍船を運航する際に必要とされる関係日本法令の周知を行うのみで、受有する締約国資格に応じて日本籍船での船舶職員となる資格(以下承認資格という)が付与されるべきである。

また、関係日本法令の周知に当たっては、小冊子、DVD、その他の媒体による周知を行うことにより、遠隔地居住もしくは乗船中の承認資格受有者への便宜を図るべきである。

(2) STCW条約は、船舶職員の能力・資格に関する国際基準を定めており、これの締約国の発給する船舶職員資格証明書は、その受有者が条約の国際基準を満たしていることを証明するものである。国際航路に就航する船舶は全世界を航行していることから、その船舶を運航する船舶職員の資格について、日本籍船であるゆえにSTCW条約の定める要件を越えたものを求める合理的な理由はない。

わが国の安定的な国際海上輸送確保の観点から、国交省交通政策審議会海事分科会国際輸送部会によって、極端に減少した日本籍船と日本人船員を増加・確保するとの方針が2007年12月に打出されたが、日本籍船の増加に当たっても、船舶職員の養成には長期の時間を要するため当面は日本人船員の数が限られることから、その運航要員には締約国資格証明書を持つ外国人船員に一層依存せざるを得ない状況にある。

一方で、現在の法令講習・試験制度の下では、締約国資格証明書を持つ外国人に一連の講習・試験を受けさせるには、欧州・インド・東南アジア等の船員居住地から試験実施地(マニラ)への移動と長期の滞在(1~4週間)が必要となり、船員本人及びそれを雇用する各社の大きな負担となっていることから、日本籍船増加のボトルネックとなりつつある。

(3) 船舶職員及び小型船舶操縦者法第23条第1項

船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則第65条第2項

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律第8条

船舶に乗り組む医師及び衛生管理者に関する省令

(4) 国際航路に就航する日本籍船の船舶職員になるためには、1978年の「船員の訓練及び資格証明ならびに当直の基準に関する国際条約」(以下STCW条約という)の締約国が発給した、条約に適合する船舶の運航または機関の運転または船舶通信に関する資格証明書(以下海技資格という)ならびにその他の資格(船舶保安管理者、衛生管理者)の証明書を受有する者であっても、国土交通大臣の承認を受ける必要がある。

この承認には、国交省の指定機関が実施する各種の日本法令講習とその修了試験受験に加えて、国交省の実施する海技資格に関する承認試験を受験する必要がある。

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