平成27年6月1日(月)Vol.621
生産上昇、出荷横ばい、在庫低下
経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は5月29日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。4月の特長は、①生産、出荷が上昇、在庫が横ばい、在庫率が低下であった ②製造工業生産予測調査によると5月が上昇、6月が低下を予測している ③総じてみれば、生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる、としている。概要は次の通り。
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 99.1(98.1) | 1.0(▲0.8) | 96.1 | ▲0.1 |
出荷 | 97.7(97.3) | 0.4(▲0.6) | 92.9 | 0.0 |
在庫 | 113.4(113.4) | 0.0(0.4) | 107.3 | 6.3 |
在庫率 | 112.8(114.4) | ▲1.4(0.9) | 110.2 | 6.8 |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比1.0%の上昇であった。業種別にみると、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、金属製品工業等が上昇し、情報通信機械工業、輸送機械工業、鉄鋼業等が低下した。
【出荷】
出荷は、前月比0.4%の上昇であった。業種別にみると、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業、金属製品工業等が上昇し、輸送機械工業、情報通信機械工業、非鉄金属工業等が低下した。
【在庫】
在庫は、前月比0.0%の横ばいであった。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、輸送機械工業等が上昇し、鉄鋼業、化学工業(除.医薬品)、窯業・土石製品工業等が低下した。
2.製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、5月は前月比0.5%の上昇、6月は同▲0.5%の低下であった。
5月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、情報通信機械工業等による。6月の低下は、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等による。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
平成27年2月 | 平成27年3月 | 平成27年4月 | |
平成27年2月調査今回の調査結果 | 0.5 | ▲0.5 | |
平成27年1月調査前回の調査結果 | 2.1 | ▲0.3 |
平成27年6月6日(月)Vol.622
前年比で生産2.1%増、販売13ヵ月振り増加
エネ庁 4月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は5月29日、4月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
4月の原油輸入量は1,599万㎘、前年同月比94.9%と9ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると、
(1) サウジアラビア(490万㎘、前年同月比89.3%)
(2) アラブ首長国連邦(398万㎘、同96.0%)
(3) ロシア(200万㎘、同129.9%)
(4) カタール(145万㎘、同71.3%)
(5) クウェート(133万㎘、同158.1%)となっている。
なお、今月の中東依存度は77.6%、前年同月に比べ2.3ポイント減と3ヵ月振りに前年を下回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,500万㎘、前年同月比102.1%と前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は291万㎘、前年同月比119.6%と4ヵ月振りに前年を上回った。
輸出は259万㎘、同106.8%と前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,494万㎘、前年同月比106.1%と13ヵ月振りに前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。
燃料油の在庫は943万㎘、前年同月比98.6%と8ヵ月振りに前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 2015年4月 Excel
平成27年6月1日(月)Vol.623
生産 前年比で鉄鋼減少止らず、石油持ち直しも
経産省・エネ庁が4月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は5月29日、4月の生産動態統計速報を発表した。それによると生産量は、鉄鋼の粗鋼生産量が840.2トンで前月比9.5%、前年同月比6.1%のともに減を示した。鉄鋼の生産量はほぼ全製品で前月比、前年同月比とも減となり、減少が下げ止らない。また、石油製品の生産は燃料油計で1,500.0㎘と前月比3.9%減だが、前年同月比2.1%の増を示した。石油はジェット燃料油を除き主要製品の生産が前月比で減だったが、前年同月比では油種によって持ち直しをみせた。
鉄鋼の4月の生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が348.1万トンと前月比15.4%の2桁減で、前年同月比も3.3%減。鋼板が87.2万トンと前月比、前年同月比ともに5.9%の同率減。小形棒鋼が73.1万トンと前月比3.6%、前年同月比4.0%のともに減。H形鋼が29.2万トンと前月比18.2%の2桁減で、前年同月比4.7%減。線材が13.9万トンと前月比17.7%、前年同月比16.6%のともに2桁減。冷延広幅帯鋼が144.5万トンと前月比14.4%、前年同月比15.0%のともに2桁減。冷延電気鋼帯が11.5万トンで前月比15.5、前年同月比14.4のともに2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が154.9万トンと前月比6.1%減で、前年同月10.4%の2桁減。冷延広幅鋼帯が19.8トンと前月比13.9%の2桁減で、前年同月比9.9%減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が34.4万トンで前月比12.5%の2桁減で、前年同月比9.3%減だった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が84.6万トンと前月比17.7%、前年同月比13.6%のともに2桁減を示した。
鉄鋼の出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が172.0万トンと前月比18.8%の2桁減だが、前年同月比4.2%の増。鋼板が86.2万トンと前月比12.4%の2桁減で、前年同月比も1.9%減。小形棒鋼が75.0万トンと前月比1.8%減で、前年同月比も0.5%の微減。H形鋼が28.4万トンと前月比23.1%の大幅減で、前年同月比も11.7%の2桁減。線材が14.1万トンと前月比14.8%の2桁減で、前年同月比も9.7%減。冷延広幅帯鋼が50.2万トンと前月比20.7%の大幅減で、前年同月比も14.7%の2桁減。冷延電気鋼帯が前月比22.9%の大幅減で、前年同月比も8.7減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が118.3万トンと前月比6.2%、前年同月比6.0%のともに減。冷延広幅帯鋼が17.7万トンと前月比22.3%の大幅減で、前年同月比も10.2%の2桁減だった。
熱間鋼管では、普通鋼が29.7万トンと前月比21.3%の大幅減で、前年同月比も6.7%減を示した。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が80.0万トンと前月比22.5%の大幅減で、前年同月も16.2%の2桁減となった。
一方、石油の生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて282.3万㎘と前月比3.4%減で、前年同月比も0.2%の微減。ガソリンが448.6万㎘で前月比3.5%減だが、前年同月比2.0%増。軽油が355.1万㎘と前月比1.3%減だが、前年同月比2.6%増。灯油が112.7万㎘と前月比21.6%の大幅減だが、前年同月比23.2%の大幅増。ナフサが164.8万㎘と前月比2.2%減だが、前年同月比7.3%増。ジェット燃料油が136.4㎘と前月比3.5%増だが、前年同月比11.9%の2桁減となった。
燃料油の出荷を油種別にみると、重油が284.3万㎘と前月比13.6%の2桁減で、前年同月比も5.4%減。ガソリンが462.9万㎘と前月比5.2%減だが、前年同月比7.6%増。軽油が372.4万㎘と前月比2.5%減だが、前年同月比3.2%増。灯油が118.6万㎘と前月比32.6%の大幅減だが、前年同月比20.1%の大幅増。ナフサが341.8万㎘と前月比4.8%減だが、前年同月比2.6%増。ジェット燃料油が137.8万㎘と前月比4.8%減だが、前年同月比2.6%増となった。
また、コークスの生産は273.6万トンと前月比2.8%、前年同月比4.7%のともに減。出荷は68.9万トンと前月比11.4%の2桁減だが、前年同月比2.1%増。液化石油ガスの生産は36.8万トンと前月比2.2%、前年同月比5.2%のともに減。出荷は48.3万トンと前月比12.5%、前年同月比11.0%のともに2桁減。石灰石の生産は1,160,8万トンと前月比7.7%、前年同月比5.9%のともに減。出荷は957.6万トンと前月比6.4%、前年同月比4.4%のともに減となった。
輸出は246万㎘、同106.0%と4ヵ月連続して前年を上回った。
※添付資料
鉄鋼統計速報 2015年4月 Excel
資源エネルギー統計速報 2015年4月 Excel
平成27年6月1日(月)Vol.624
生産 前月比9.5%減、前年同月比6.1%減
鉄連、4月の鉄鋼生産速報発表
日本鉄鋼連盟はこのほど、4月の鉄鋼生産速報を発表した。概要は次の通り。
4月の鉄鋼生産は銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材いずれも前月比、前年同月比ともに減少した。銑鉄生産は640.3万トンと前月に比べ74.2万トン・10.4%減少、前年同月比3.1%減少となり、前年同月比では3ヵ月振りの減少となった。 粗鋼生産は840.2万トンで前月比87.9万トン・9.5%減少、前年同月比6.1%減少した。前年同月比で8ヵ月連続の減少となり、2013年2月の832.1万トン以来の低水準となった。4月の1日当たり粗鋼生産は28.01万トンで、3月の同29.94万トン比6.5%減だった。
炉別生産をみると、転炉鋼が637.4万トンと前月比10.9%減、前年同月比6.3%減、電炉鋼が202.9万トンと同4.6%減、同5.4%減となり、前年同月比でみると転炉鋼は2ヵ月連続の減少、電炉鋼は5ヵ月連続の減少となった。
鋼種別生産では、普通鋼が647.3万トンと前月比10.2%減、前年同月比6.0%減、特殊鋼が193.0万トンと同7.1%減、同6.4%減となり、前年同月比では普通鋼は2ヵ月連続の減少、特殊鋼は5ヵ月連続の減少となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は744.9万トンと前月に比べ94.0万トン・11.2%減、前年同月比5.5%減と前年同月比では6ヵ月連続の減少となった。
普通鋼熱間圧延鋼材の生産は590.8万トンと前月に比べ83.0万トン・12.3%減、前年同月比4.0%減と前年同月比では6ヵ月連続の減少となった。
品種別では、条鋼類は151.6万トン、前月比8.4%減、前年同月比3.2%減で、前年同月比では8ヵ月連続の減少。鋼板類は434.0万トン、同13.9%減、同4.2%減となり、前年同月比では6ヵ月連続の減少となった。
主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が342.2万トンで前月比15.8%減、前年同月比3.6%減少した。前年同月比で6ヵ月連続の減少。厚板は86.1万トンで同5.7%減、同5.8%減となり、前年同月比で3ヵ月振りの減少。一方、条鋼類では小形棒鋼が73.4万トンで同3.3%減、同3.7%減となり、前年同月比で8ヵ月連続の減少。H形鋼は29.2万トンで同18.2%減、同4.7%減となり、同9ヵ月連続の減少。大形形鋼は7.4万トンで同4.6%減、同14.9%減となり、同3ヵ月連続の減少。中小形形鋼は9.3万トンで同5.1%減、同3.7%増となり、同2ヵ月振りの増加となった。
特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は154.1万トンと、前月に比べ10.9万トン・6.6%減、前年同月比10.8%減となり、前年同月比では6ヵ月連続の減少となった。
※添付資料
全国鉄鋼生産量速報 2015年4月 Excel
全国鋼材生産量速報 2015年4月 Excel
平成27年6月1日(月)Vol.625
不振止らず10ヵ月連続前年割れ
自工会、4月の四輪車生産速報発表
日本自動車工業会は5月29日、4月の四輪車生産速報を発表した、概要は次の通り。
4月の四輪車生産台数は713,155台で、前年同月の770,591台に比べて57,436台・7.5%の減少となり、10ヵ月連続で前年同月を下回った。
4月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。
【乗用車】
592,244台で60,246台・9.2%の減少となり、10ヵ月連続の減少。このうち普通車は359,572台で5,192台・1.4%の減少、小型四輪車は109,299台で26,971台・19.8%の減少、軽四輪車は123,373台で28,083台・18.5%の減少。
【トラック】
108,825台で1,155台・1.1%の増加となり、3ヵ月連続の増加。このうち普通車は50,796台で3,249台・6.8%の増加、小型四輪車は26,310台で414台・1.6%の増加。軽四輪車は31,719台で2,508台・7.3%の減少。
【バス】
12,086台で1,655台・15.9%の増加となり、2ヵ月連続の増加。このうち大型は1,011台で280台・38.3%の増加、小型は11,075台で1,375台・14.2%の増加。
【四輪車の国内需要】
4月の国内需要は319,482台で、前年同月比7.5%の減少であった。うち乗用車263,376台で前年同月比10.1%の減少、トラック55,168台で同6.6%の増加、バス938台で同45.9%の増加だった。
輸出は前年同月比1.1%の増加だった。
【生産累計】
1~4月の生産累計は3,193,352台で、前年同期の3,434,720台に比べ241,368台・7.0%の減少であった。
このうち乗用車は2,687,890台で249,421台・前年同期比8.5%の減少、トラックは458,921台で7,712台・同1.7%の増加、バスは46,541台で341台・同0.7%の増加であった。
※添付資料
四輪車生産速報 2015年4月 PDF