平成27年7月1日(水)Vol.626
生産上昇、出荷横ばい、在庫低下
経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は6月29日、5月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では今回の特長として、①5月は生産、出荷、在庫は低下、在庫率は上昇であった ②製造工業生産予測調査によると6月、7月とも上昇を予測している ③総じてみれば、生産は一進一退で推移している、としている。
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 97.1(99.3) | ▲2.2(1.2) | 90.2 | ▲4.0 |
出荷 | 96.0(97.9) | ▲1.9(0.6) | 87.7 | ▲3.2 |
在庫 | 112.9(113.8) | ▲0.8(0.4) | 111.7 | 3.9 |
在庫率 | 115.3(113.2) | 1.9(▲1.0) | 121.3 | 6.3 |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比▲2.2%の低下であった。業種別にみると輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイス工業等が低下し、情報通信機械工業、鉄鋼業、繊維工業が上昇した。
【出荷】
出荷は、前月比▲1.9%の低下であった。業種別にみると輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)等が低下し、パルプ・紙・紙加工品工業、情報通信機械工業が上昇した。
【在庫】
在庫は、前月比▲0.8%の低下であった。業種別にみると、輸送機械工業、電気機械工業、金属製品工業等が低下し、石油・石炭製品工業、非鉄金属工業、窯業・土石製品工業等が上昇した。
2.製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、6月は前月比1.5%の上昇、7月は同0.6%の上昇であった。
6月の上昇は、情報通信機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業等による。7月の上昇は、化学工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業等による。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
平成27年5月 | 平成27年6月 | 平成27年7月 | |
平成27年6月調査今回の調査結果 | 1.5 | 0.6 | |
平成27年5月調査前回の調査結果 | 0.5 | ▲0.5 |
平成27年7月1日(水)Vol.627
鉄鋼減少止らず、石油持ち直し
経産省・エネ庁が5月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は6月29日、5月の生産動態統計速報を発表した。それによると生産量は、鉄鋼の粗鋼生産量が891.8トンで前月比6.2%増となったものの、前年同月比7.0%の減を示した。鉄鋼の生産量はH形鋼を除き全製品で前年同月比減となり、減少が下げ止らない。また、石油製品の生産は燃料油計で1,371.6㎘と前月比8.6%減だが、前年同月比3.2%の増を示した。石油は重油を除き主要製品の生産が前年同月比増加となり、持ち直しをみせた。
【鉄鋼の生産】
生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が382.1万トンと前月比9.8%増だが、前年同月比1.7%減。鋼板が83.7万トンと前月比4.0、前年同月比6.7%のともに減。小形棒鋼が75.3万トンと前月比3.0%増だが、前年同月比4.7%減。H形鋼が38.1万トンと前月比30.3%、前年同月比22.2%のともに大幅増。線材が14.09万トンと前月比0.6%の微増だが、前年同月比6.2%減。冷延広幅帯鋼が155.1万トンと前月比7.3%増だが、前年同月比11.6%の2桁減。冷延電気鋼帯が12.6万トンで前月比9.4%増だが、前年同月比15.7%の2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が159.1万トンと前月比2.7%増だが、前年同月10.1%の2桁減。冷延広幅鋼帯が23.3トンと前月比17.4%の2桁増だが、前年同月比2.1%減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が31.7万トンで前月比7.8%、前年同月比15.3%のともに減だった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が89.6万トンと前月比6.0増だが%、前年同月比16.5%の2桁減を示した。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が193.0万トンと前月比12.2%の2桁増で、前年同月比も8.0%増。鋼板が83.8万トンと前月比2.8%、前年同月比7.9%のともに減。小形棒鋼が70.4万トンと前月比6.1%、前年同月比7.9%のともに減。H形鋼が36.0万トンと前月比26.8%の大幅増で、前年同月比も13.9%の2桁増。線材が13.8万トンと前月比2.1%の減で、前年同月比も13.6%の2桁減。冷延広幅帯鋼が55.2万トンと前月比10.0%の2桁増だが、前年同月比6.2%減。冷延電気鋼帯が12.5万トンで前月比102.9%の2桁増だが、前年同月比11.2%の2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が117.1万トンと前月比1.0%、前年同月比9.2%のともに減。冷延広幅帯鋼が21.1万トンと前月比19.3%の2桁増だが、前年同月比5.6%の減だった。
熱間鋼管では、普通鋼が28.7万トンと前月比3.6%、前年同月比8.8%減を示した。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が85.9万トンと前月比7.3%増だが、前年同月17.0%の2桁減となった。
【石油の生産】
生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて235.8万㎘と前月比16.5%の2桁減で、前年同月比も6.2%減。ガソリンが438.6万㎘で前月比2.2%減だが、前年同月比4.2%増。軽油が342.1万㎘と前月比3.7%減だが、前年同月比5.2%増。灯油が78.4万㎘と前月比30.5%の大幅減だが、前年同月比4.7%増。ナフサが132.7万㎘と前月比19.5%の2桁減だが、前年同月比7.4%増。ジェット燃料油が144.2㎘と前月比5.7%、前年同月比7.9%のともに増となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が250.6万㎘と前月比11.8%の2桁減で、前年同月比も7.7%減。ガソリンが450.1万㎘と前月比2.8%減だが、前年同月比1.2%増。軽油が345.8万㎘と前月比7.1%減だが、前年同月比7.9%増。灯油が77.3万㎘と前月比34.9%の大幅減だが、前年同月比4.8%増。ナフサが348.9万㎘と前月比2.1%増で、前年同月比15.4%の2桁増。ジェット燃料油が142.6万㎘と前月比3.5%、前年同月比6.2%のともに増となった。
また、コークスの生産は277.4万トンと前月比1.8%増だが、前年同月比5.3%減。出荷は73.0万トンと前月比4.8%、前年同月比1.1%のともに増。液化石油ガスの生産は37.1万トンと前月比0.8%の微増だが、前年同月比2.3%減。出荷は47.4万トンと前月比1.9%減で、前年同月比15.2%の2桁減。石灰石の生産は1,154.9万トンと前月比0.3%の微減で、前年同月比6.5%減。出荷は942.9万トンと前月比0.7%の微減で、前年同月比4.2%減となった。
※添付資料
鉄鋼統計速報 2015年5月 Excel
資源エネルギー統計速報 2015年5月 Excel
平成27年6月1日(水)Vol.628
燃料油生産2ヵ月連続前年比増
エネ庁、5月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は6月30日、5月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
5月の原油輸入量は1,629万㎘、前年同月比101.2%と7ヵ月振りに前年を上回った。輸入量の多い順にみると次の通り。
(1)サウジアラビア(572万㎘、前年同月比106.0%)
(2)アラブ首長国連邦(426万㎘、同115.%)
(3)クウェート(173万㎘、同172.4%)
(4)カタール(100万㎘、同57.6%)
(5)イラン(94万㎘、同105.0%)となっている。
なお、5月の中東依存度は85.0%で、前年同月に比べ2.0ポイント増と前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,372万㎘、前年同月比103.2%と2ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみるとガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は337万㎘、前年同月比117.3%と2ヵ月連続して前年を上回った。
輸出は219万㎘、同116.2%と2ヵ月連続して前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,368万㎘、前年同月比100.3%と2ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみるとナフサ及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1,047万㎘、前年同月比104.4%と前年を上回った。油種別にみるとナフサ、ジェット燃料油、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 2015年5月 Excel