平成27年8月5日(水)Vol.629
生産は一進一退
経産省 6月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は7月30日、6月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では6月の特長を①生産・出荷・在庫は上昇、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると7月、8月とも上昇を予測している ③総じてみれば、生産は一進一退で推移している、としている。
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 98.0(97.2) | 0.8(▲2.1) | 102.1 | 2.0 |
出荷 | 96.3(96.0) | 0.3(▲1.9) | 99.7 | 1.5 |
在庫 | 114.4(112.9) | 1.3(▲0.8) | 113.2 | 3.9 |
在庫率 | 113.5(115.4) | ▲1.6(1.9) | 111.9 | 1.3 |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比0.8%の上昇であった。業種別にみると、輸送機械工業、化学工業(医薬品除く)、プラスチック製品工業等が上昇し、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業、電気機械工業等が低下した。
【出荷】
出荷は、前月比0.3%の上昇であった。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(医薬品除く)、情報通信機械工業等が上昇し、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、窯業・土石製品工業等が低下した。
【在庫】
在庫は、前月比1.3%の上昇であった。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、窯業・土石製品工業等が上昇し、化学工業(医薬品除く)、石油・石炭製品工業、その他工業等が低下した。
2.製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、7月は前月比0.5%の上昇、8月は同2.7%の上昇であった。
7月の上昇は、化学工業、はん用・生産用・業務用機械工業、その他等による。8月の上昇は、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業等による。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
平成27年6月 | 平成27年7月 | 平成27年8月 | |
平成27年7月調査今回の調査結果 | 0.5 | 2.7 | |
平成27年6月調査前回の調査結果 | 1.5 | 0.6 |
平成27年8月5日(水)Vol.630
燃料油生産 3ヵ月連続前年比増加
エネ庁 6月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は7月31日、6月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
6月の原油輸入量は1,401万㎘、前年同月比97.5%と前年を下回った。輸入量の多い順にみると、
(1)アラブ首長国連邦(454万㎘、前年同月比124.2%)
(2)サウジアラビア(410万㎘、同92.2%)
(3)ロシア(129万㎘、同126.7%)
(4)カタール(126㎘、同111.9%)
(5)クウェート(107万㎘、同111.9%)となっている。
6月の中東依存度は82.3%、前年同月に比べ0.3ポイント増と2ヵ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,237万㎘、前年同月比102.4%と3ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみるとガソリン、ナフサ、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は264万㎘、前年同月比98.7%と3ヵ月振りに前年を下回った。 輸出は239万㎘、同114.3%と3ヵ月連続して前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,322万㎘、前年同月比100.8%と3ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみると、ナフサ及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は965万㎘、前年同月比104.4%と2ヵ月連続して前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、B・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 2015年6月 Excel
平成27年8月5日(水)Vol.631
鉄鋼減少止らず、石油3ヵ月連続増加
経産省・エネ庁が6月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は7月30日、6月の生産動態統計速報を発表した。それによると生産量は、鉄鋼の粗鋼生産量が853.5トンで前月比4.3%、前年同月比6.6%のともに減を示した。鉄鋼の生産量はブリキを除き主要全製品で前年同月比減となり、減少が下げ止らない。また、石油製品の生産は燃料油計で1,236.6万㎘と前月比9.5%減だが、前年同月比2.4%の増を示した。燃料油生産量はは前年同月比で3ヵ月連続増加と持ち直しをみせている。
【鉄鋼の生産】
生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が358.9万トンと前月比6.1%、前年同月比3.9%のともに減。鋼板が89.1万トンと前月比6.4%増だが、前年同月比2.7%減。小形棒鋼が76.9万トンと前月比2.1%増だが、前年同月比4.8%減。H形鋼が31.2万トンと前月比18.0%の2桁減で、前年同月比も7.6%現。線材が14.3万トンと前月比2.2%の微増だが、前年同月比5.9%減。冷延広幅帯鋼が152.1万トンと前月比1.9%、前年同月比7.4%のともに減。冷延電気鋼帯が153.6万トンで前月比3.6%現で、前年同月比10.1%の2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が159.1万トンと前月比2.7%増だが、前年同月10.1%の2桁減。冷延広幅鋼帯が22.4トンと前月比4.0%、前年同月比3.5%のともに減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が35.3万トンで前月比11.5%の2桁増だが、前年同月比10.1%の2桁減だった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が91.3万トンと前月比1.9増だが%、前年同月比7.9%の減を示した。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が186.7万トンと前月比3.3%減だが、前年同月比3.4%増。鋼板が86.7万トンと前月比3.6%、前年同月比0.6%のともに増。小形棒鋼が78.3万トンと前月比11.2%の2桁増で、前年同月比も0.3%の微増。H形鋼が32.7万トンと前月比9.2%の減だが、前年同月比3.6%増。線材が14.1万トンと前月比1.6%、前年同月比2.1%のともに増。冷延広幅帯鋼が52.5万トンと前月比5.5%減で、前年同月比15.6%の2桁減。冷延電気鋼帯が114.2万トンで前月比1.7%、前年同月比7.2%のともに減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が117.1万トンと前月比1.0%、前年同月比9.2%のともに減。冷延広幅帯鋼が20.7万トンと前月比1.7%、前年同月比7.2%のともに減だった。
熱間鋼管では、普通鋼が30.7万トンと前月比6.9%増だが、前年同月比11.3%減を示した。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が91.4万トンと前月比6.5%増だが、前年同月10.0の2桁減となった。
【石油の生産】
生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて195.9万㎘と前月比16.9%、前年同月比18.1%のともに2桁減。ガソリンが401.9万㎘で前月比8.4%減だが、前年同月比5.8%増。軽油が321.8万㎘と前月比5.9%減だが、前年同月比5.8%増。灯油が65.4万㎘と前月比16.5%の2桁減だが、前年同月比15.9%の2桁増。ナフサが122.9万㎘と前月比7.4%減だが、前年同月比32.1%の大幅増。ジェット燃料油が128.7㎘と前月比10.7%の2桁減で、前年同月比も4.6%のともに増となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が256.7万㎘と前月比2.4%増だが、前年同月比3.6%減。ガソリンが433.3万㎘と前月比3.7%減だが、前年同月比2.1%増。軽油が345.0万㎘と前月比0.2%の微減だが、前年同月比1.5%増。灯油が70.6万㎘と前月比8.6%減だが、前年同月比1.3%増。ナフサが317.8万㎘と前月比8.9%減だが、前年同月比31.1%の大幅増。ジェット燃料油が150.8万㎘と前月比5.8%、前年同月比3.2%のともに増となった。
また、コークスの生産は263.9万トンと前月比4.9%、前年同月比6.2%のともに減。出荷は73.2万トンと前月比0.2%増で、前年同月比17.6%の2桁増。液化石油ガスの生産は33.4万トンと前月比9.8%減だが、前年同月比0.2%の微増。出荷は46.0万トンと前月比2.8%減で、前年同月比11.3%の2桁減。石灰石の生産は1,179.2万トンと前月比2.0%増で、前年同月比0.7%の微増。出荷は952.0万トンと前月比0.8%の微増だが、前年同月比1.7%減となった。
※添付資料
鉄鋼統計速報 2015年6月 Excel
資源エネルギー統計速報 2015年6月 Excel
平成27年8月5日(水)Vol.632
7ヵ月連続前年割れ
自販連と全軽自連が7月の新車販売実績速報発表
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は8月3日、7月の新車販売台数を発表した。
それによると、7月は前年同月比7.6%減の42万5,093台と7ヵ月連続の前年割れとなった。軽自動車を除いた販売台数では、同1.3%減の28万2,239台とやや持ち直し気配をみせたがが、増税後需要減少を続ける軽自動車が前年同月比18.1%減の14万2,854台となり、これが影響した。
軽自動車を除いた車種別の販売台数では、乗用車が2.0%減の24万5,680台となっているが、消費増税前の販売水準までは戻っていない。このうち普通乗用車は同1.3%増の11万9,467台でだが、小型乗用車は同5.0%減の12万6,213台だった。また、普通貨物車は更新需要などもあって、6.3%増の1万3,050台、小型貨物車は同2.5%増の2万2,449台だった。
軽自動車の販売台数を車種別にみると、乗用車が同21.7%と大幅減の11万212台で、貨物車が同3.1%減の3万2,642台となり、ともに7ヵ月連続の前年割れとなった。
※添付資料
新車販売実績速報 2015年7月 Excel
平成27年8月5日(水)Vol.633
粗鋼生産 前年比10ヵ月連続減
鉄連が6月の鉄鋼生産速報発表
日本鉄鋼連盟はこのほど、6月の鉄鋼生産速報を発表した。それによると銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材いずれも前月比、前年同月比とも減少した。
6月の銑鉄生産は654.8万トンと前月に比べ22.7万トン・3.3%減少、前年同月比4.4%減少となり、前年同月比では3ヵ月連続の減少となった。4~6月では1,972.5万トン(前年同期比4.6%減)、1~6月では4,026.5万トン(同2.2%減)となった。また、粗鋼生産は857.1万トンと前月比34.8万トン・3.9%減少、前年同月比6.2%減少で、前年同月比で10ヵ月連続の減少となった。6月の1日当たり粗鋼生産は28.57万トンで、5月の同28.77万トン比0.7%減だった。4~6月では2,589.1万トンで前年同期比6.4%減となった。1~6月では5,263.5万トンで同4.7%減となった。
炉別生産をみると、転炉鋼が646.5万トンと前月比4.6%減、前年同月比6.4%減。電炉鋼が210.6万トンと同1.8%減、同5.6%減となり、前年同月比でみると転炉鋼は4ヵ月連続の減少、電炉鋼は7ヵ月連続の減少となった。
鋼種別生産では、普通鋼が666.3万トンと前月比5.5%減、前年同月比5.4%減。特殊鋼が190.8万トンと同2.0%増、同8.7%減となり、前年同月比では普通鋼は4ヵ月連続の減少、特殊鋼は7ヵ月連続の減少となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は762.9万トンと前月に比べ28.1万トン・3.6%減、前年同月比5.7%減と前年同月比では8ヵ月連続の減少となった。4~6月では2,299.2万トンで前年同期比5.1%減となった。1~6月では4,686.0万トンで同4.3%減となった。
普通鋼熱間圧延鋼材の生産は610.1万トンと前月に比べ21.7万トン・3.4%減、前年同月比4.4%減と前年同月比では8ヵ月連続の減少となった。4~6月では1,832.1万トンで前年同期比3.6%減、1~6月では3,733.3万トンで同3.3%減となった。
品種別では、条鋼類は157.8万トン、前月比2.3%減、前年同月比5.8%減で、前年同月比では10ヵ月連続の減少となった。鋼板類は446.8万トン、同4.1%減、同3.9%減となり、前年同月比では8ヵ月連続の減少となった。
主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が353.1万トンで前月比6.4%減、前年同月比4.2%減と、前年同月比で8ヵ月連続の減少となった。厚板は87.8万トンで同6.3%増、同2.4%減と、前年同月比で3ヵ月連続の減少となった。一方、条鋼類では小形棒鋼が77.1万トンで同2.4%増、同4.5%減と前年同月比で10ヵ月連続の減少となった。H形鋼は31.2万トンで同18.0%減、同7.6%減と同2ヵ月振りの減少。大形形鋼は7.7万トンで同8.2%減、同7.1%減と同5ヵ月連続の減少。中小形形鋼は9.4万トンで同6.6%増、同6.5%減と同2ヵ月連続の減少となった。
特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は152.9万トンと、前月に比べ6.4万トン・4.0%減、前年同月比10.5%減となり、前年同月比では8ヵ月連続の減少となった。4~6月では467.1万トンで前年同期比10.3%減、1~6月では952.7万トンで同8.1%減となった。
※添付資料
普通鋼鋼材需給推移 2015年6月 Excel
普通鋼鋼材品種別需給表 2015年6月 Excel
平成27年8月5日(水)Vol.634
81万台で12ヵ月連続前年比割れ
自工会 6月の四輪車生産実績速報発表
日本自動車工業会はこのほど、6月の四輪車生産実績速報を発表した。それによると、6月の四輪車生産台数は811,864台で、前年同月の857,415台に比べて45,551台・5.3%の減少となり、12ヵ月連続で前年同月を下回った。
6月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。
【乗用車】
683,472台で44,138台・6.1%の減少となり、12ヵ月連続の減少となった。このうち普通車は425,901台で21,747台・5.4%の増加、小型四輪車は132,849台で23,786台・15.2%の減少、軽四輪車は124,722台で42,099台・25.2%の減少だった。
【トラック】
115,485台で2,121台・1.8%の減少となり、2ヵ月連続の減少となった。このうち普通車は52,266台で2,179台・4.4%の増加、小型四輪車は29,354台で223台・0.8%の減少。軽四輪車は33,865台で4,077台・10.7%の減少だった。
【バス】
12,907台で708台・5.8%の増加となり、4ヵ月連続増加となった。このうち大型は1,044台で381台・57.5%の増加、小型は11,863台で327台・2.8%の増加だった。
6月の四輪車国内需要は442,631台で、前年同月比2.2%の減少だった。うち乗用車364,931台で前年同月比3.8%の減少、トラック76,744台で同5.8%の増加、バス956台で同19.9%の増加だった。輸出は前年同月比3.3%の増加だった。
また、2015年上半期(1~6月)の生産累計は4,650,840台で、前年同期の5,066,276台に比べ415,436台・8.2%の減少となり、上半期としては2年振りの減少だった。うち乗用車は3,910,535台で409,418台・前年同期比9.5%の減少、トラックは670,049台で7,611台・同1.1%の減少、バスは70,256台で1,593台・同2.3%の増加だった。
上半期の四輪車国内需要は2,676,634台で、前年同期比11.0%の減少となった。うち乗用車2,251,753台で前年同期比12.3%の減少、トラック418,070台で同3.5%の減少、バス6,811台で同12.1%の増加だった。上半期の輸出は前年同期比0.5%の増加だった。
※添付資料
四輪車生産実績速報 2015年6月 PDF