平成28年1月5日(火)Vol.654
生産・出荷低下、在庫上昇
経産省 11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は12月28日、11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。11月の特長は、①生産・出荷が低下、在庫・在庫率が上昇した ②製造工業生産予測調査によると12月・1月とも上昇を予測している ③総じてみれば生産は一進一退で推移している、であるとしている。
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 97.8(98.8) | ▲1.0(1.4) | 97.6 | 1.6 |
出荷 | 96.3(98.8) | ▲2.5(2.1) | 95.8 | 0.6 |
在庫 | 111.8(111.4) | 0.4(▲1.9) | 115.4 | ▲0.5 |
在庫率 | 115.2(112.0) | 2.9(▲3.0) | 116.9 | ▲0.8 |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比▲1.0%の低下であった。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、金属製品工業等が低下し、プラスチック製品工業、非鉄金属工業、その他工業等が上昇した。
【出荷】
出荷は、前月比▲2.5%の低下であった。業種別にみると、石油・石炭製品工業、鉄鋼業、化学工業(除.医薬品)等が低下し、プラスチック製品工業、非鉄金属工業が上昇した。
【在庫】
在庫は、前月比0.4%の上昇であった。業種別にみると、鉄鋼業、輸送機械工業、金属製品工業等が上昇し、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、窯業・土石製品工業等が低下した。
2.製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると12月は前月比0.9%の上昇、1月は同6.0%の上昇であった。
12月の上昇は、情報通信機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業等による。1月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等による。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
平成27年11月 | 平成27年12月 | 平成28年1月 | |
平成27年12月調査今回の調査結果 | 0.9 | 6.0 | |
平成27年11月調査前回の調査結果 | 0.2 | ▲0.9 |
平成28年1月5日(火)Vol.655
燃料油生産 3ヵ月連続前年比割れ
エネ庁 11月の資源エネルギー統計発表
資源エネルギー庁は12月28日、11月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
11月の原油輸入量は1,555万㎘、前年同月比106.0%と3ヵ月振りに前年を上回った。輸入量の多い順にみると、
(1) サウジアラビア(566万㎘、前年同月比125.0%)
(2) アラブ首長国連邦(334万㎘、同85.8%)
(3) クウェート(144万㎘、同153.1%)
(4) ロシア(129万㎘、同81.8%)
(5) カタール(107万㎘、同76.8%)となっている。
なお、今月の中東依存度は82.1%、前年同月に比べ2.2ポイント増と5ヵ月振りに前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,444万㎘、前年同月比95.0%と3ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は274万㎘、前年同月比82.4%と4ヵ月振りに前年を下回った。輸出は263万㎘、同105.0%と8ヵ月連続して前年を上回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,449万㎘、前年同月比93.1%と2ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1,110万㎘、前年同月比92.1%と4ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油統計速報 平成27年11月 Excel
平成28年1月5日(火)Vol.656
鉄鋼19ヵ月、石油3ヵ月連続減
経産省・エネ庁が11月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は12月28日、11月の生産動態統計速報を発表した。それによると生産量は、鉄鋼の粗鋼生産量が874.3トンで前月比2.9%、前年同月比4.7%のともに減となった。鉄鋼の生産量はH形鋼、ブリキ、ティンフリースチールを除き全製品で前年同月比減だった。粗鋼生産量は平成26年4月以降19ヵ月連続で対前年同月比減が続いている。また、石油製品の生産は燃料油計で1,443.9万㎘と前月比0.6%の微減で、前年同月比5.0%の減を示した。燃料油生産量は前年同月比が3ヵ月連続の減となった。
【鉄鋼の生産】
生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が367.4万トンと前月比1.3%増だが、前年同月比1.2%減。鋼板が83.6万トンと前月比7.6%、前年同月比4.3%のともに減。小形棒鋼が75.2万トンと前月比1.2%増だが、前年同月比6.7%減。H形鋼が32.4万トンと前月比2.9%減だが、前年同月比1.9%増。線材が13.8万トンと前月比14.1%、前年同月比10.3%のともに2桁減。冷延広幅帯鋼が151.0万トンと前月比1.6%、前年同月比6.0%のともに減。冷延電気鋼帯が10.3万トンと前月比7.9%減で、前年同月比13.2%の2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が156.4万トンと前月比2.9%、前年同月8.9%のともに減。冷延広幅鋼帯が21.8トンと前月比0.7%の微減で、前年同月比3.9%減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が35.6万トンで前月比3.6%、前年同月比4.2%のともに減。特殊鋼が10.1万トンで前月比15.3%の2桁減で、前年同月比52.3%と大幅減だった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が86.1万トンと前月比7.2%、前年同月比9.3%のともに減を示した。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が184.0万トンと前月比2.0%減だが、前年同月比6.7%増。鋼板が82.7万トンと前月比8.8%、前年同月比3.3%のともに減。小形棒鋼が70.1万トンと前月比7.9%増、前年同月比5.5%のともに減。H形鋼が29.9万トンと前月比13.3%の2桁減で、前年同月比も6.8%減。線材が13.3万トンと前月比14.9%の2桁減で、前年同月比も8.9%の減。冷延広幅帯鋼が52.4万トンと前月比7.5%減で、前年同月比も10.0%の2桁減。冷延電気鋼帯が10.3万トンと前月比9.7%減で、前年同月比18.4%の2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が116.3万トンと前月比9.1%、前年同月比8.8%のともに減。冷延広幅帯鋼が19.5万トンと前月比7.2%、前年同月比1.9%のともに減だった。
熱間鋼管では、普通鋼が30.6万トンと前月比4.0%、前年同月比8.1%のともに減。特殊鋼は8.9万トンで前月比9.4%増だが、前年同月比52.5%の大幅減だった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が81.7万トンと前月比13.0%、前年同月比10.3%のともに2桁減となった。
【石油の生産】
生産を油種別にみると、重油が253.7万㎘と前月比1.1%減で、前年同月比12.9%の2桁減。ガソリンが449.4万㎘で前月比0.6%の微減で、前年同月比1.7%減。軽油が329.7万㎘と前月比4.1%、前年同月比1.5%のともに減。需要期に入った灯油が150.2万㎘と前月比22.1%の大幅増だが、前年同月比14.9%の2桁減。ナフサが151.5万㎘と前月比1.7%、前年同月比7.2%のともに減。ジェット燃料油が109.4㎘と前月比11.3%の2桁減だが、前年同月比12.1%の2桁増。液化石油ガスが30.2万トンと前月比9.7%、前年同月比9.9%のともに減。アスファルトが26.3万トンと前月比0.2%の微減で、前年同月比も1.1%減となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が279.7万㎘と前月比3.3%増だが、前年同月比8.5%減。ガソリンが459.9万㎘と前月比1.3%、前年同月比1.7%のともに減。軽油が349.7万㎘と前月比8.4%減だが、前年同月比0.3%の微増。灯油が153.9万㎘と前月比23.4%の大幅増だが、前年同月比22.4%の大幅減。ナフサが360.8万㎘と前月比1.5%減で、前年同月比0.3%の微減。ジェット燃料油が114.3万㎘と前月比16.3%の2桁減だが、前年同月比7.4%増。液化石油ガスは45.6万トンと前月比11.3%、前年同月比12.2%のともに2桁。アスファルトが19.5万トンと前月比0.7%の微減だが、前年同月比6.2%の増となった。
【コークス・石灰石】
コークスの生産は260.2万トンと前月比4.8%、前年同月比5.7%のともに減。出荷は74.3万トンと前月比1.8%減だが、前年同月比2.5%増。石灰石の生産は1.187.2万トンと前月比6.2%、前年同月比5.6%のともに減。出荷は981.5万トンと前月比3.8%、前年同月比4.1%のともに減となった。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成27年11月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成27年11月 Excel