平成28年3月7日(月)Vol.661
粗鋼17ヵ月、燃料油5ヵ月連続前年割れ
経産省・エネ庁が1月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は2月29日、1月の生産動態統計速報を発表したが、鉄鋼、石油とも前年同月比減が止らない。
それによると生産量は、1月の鉄鋼の粗鋼生産量が877.7
トンで前月比2.2%増だが、前年同月比2.7%の減となり、26年9月以降17ヵ月連続で対前年同月比減が続いている。鉄鋼の生産量はほぼ全製品で前年同月比減となった。
また、石油製品の1月の生産は燃料油計で1,578.0万㎘と前月比3.7%、前年同月比4.4%のともに減を示した。石油も主要製品が軒並み前年同月比減となった。
【鉄鋼の生産】
1月の生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が373.3万トンと前月比0.2%の微増だが、前年同月比3.6%減。鋼板が84.6万トンと前月比1.6%増だが、前年同月比6.5%の減。小形棒鋼が64.3万トンと前月比1.8%、前年同月比3.0%のともに減。H形鋼が30.6万トンと前月比1.7%増だが、前年同月比8.7%減。線材が15.8万トンと前月比6.3%増だが、前年同月比3.3%減。冷延広幅帯鋼が159.6万トンと前月比5.5%増だが、前年同月比1.1%減。冷延電気鋼帯が10.8万トンと前月比0.8%の微減で、前年同月比8.0%減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が159.0万トンと前月比4.4%増だが、前年同月比6.5%減。冷延広幅鋼帯が22.8トンと前月比4.9%増だが、前年同月比5.7%減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が33.8万トンで前月比0.4%の微減で、前年同月比9.9%減。特殊鋼が13.6万トンで前月比28.5%の大幅増だが、前年同月比22.8%の大幅減となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が92.6万トンと前月比7.1%増だが、前年同月比7.0%減となった。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が176.0万トンと前月比8.4%、前年同月比1.2%のともに減。鋼板が80.3万トンと前月比5.3%減で、前年同月比11.0%の2桁減。小形棒鋼が63.9万トンと前月比2.6%減で、前年同月比10.2%の2桁減。H形鋼が30.3万トンと前月比3.1%、前年同月比も4.1%ともに減。線材が13.8万トンと前月比2.7%、前年同月比5.2%のともに減。冷延広幅帯鋼が53.0万トンと前月比3.1%、前年同月比3.5%のともに減。冷延電気鋼帯が9.5万トンと前月比13.4%、前年同月比13.6%のともに2桁減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が112.3万トンと前月比2.1%、前年同月比4.5%のともに減。冷延広幅帯鋼が19.8万トンと前月比4.1%、前年同月比3.8%のともに減になった。
熱間鋼管では、普通鋼が27.7万トンと前月比7.3%減で、前年同月比12.0%の2桁減。特殊鋼は9.0万トンで前月比1.7%減で、前年同月比47.1%の大幅減となった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が83.1万トンと前月比3.1%減で、前年同月比10.5%の2桁減となった。
【石油の生産】
生産を油種別にみると、重油が299.7万㎘と前月比3.4%、前年同月比3.8%のともに減。ガソリンが462.0万㎘で前月比5.6%減で、前年同月比0.7%の微減。軽油が328.1万㎘と前月比10.2%の2桁減で、前年同月比7.9%減。需要ピークの灯油が211.9万㎘と前月比19.1%の2桁増だが、前年同月比3.0%減。ナフサが168.1万㎘と前月比6.8%減で、前年同月比12.3%の2桁減。ジェット燃料油が108.3㎘と前月比6.6%減で、前年同月比0.3%の微減。液化石油ガスが35.1万トンと前月比9.1%、前年同月比3.0%のともに増。アスファルトが29.8万トンと前月比4.8%、前年同月比2.2%のともに増となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が313.9万㎘と前月比2.0%、前年同月比6.9%のともに減。ガソリンが446.6万㎘と前月比13.3%の2桁減で、前年同月比1.9%減。軽油が331.8万㎘と前月比6.5%減で、前年同月比12.8%の2桁減。灯油が252.6万㎘と前月比7.3%増だが、前年同月比6.6%減。ナフサが406.8万㎘と前月比2.5%減だが、前年同月比も2.5%増。ジェット燃料油が110.5万㎘と前月比6.0%減だが、前年同月比6.2%増。液化石油ガスが47.5万トンと前月比3.1%減で、前年同月比15.0%の2桁減。アスファルトが16.1万トンと前月比14.9%の2桁減で、前年同月比2.3%減となった。
【コークス・石灰石】
コークスの生産は278.0万トンと前月比2.7%増だが、前年同月比1.9%減。出荷は68.3万トンと前月比10.7%の2桁減で、前年同月比2.7%減。石灰石の生産は1,060.9万トンと前月比13.8%の2桁減で、前年同月比8.6%減。出荷は878.7万トンと前月比9.5%、前年同月比7.7%のともに減を示した。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成28年1月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成28年1月 Excel
平成28年3月7日(月)Vol.662
生産3.7%上昇、出荷3.4%上昇
経産省、1月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は2月29日、1月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では今回の特長として、①生産、出荷は上昇、在庫、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると2月は低下、3月は上昇を予測している ③総じてみれば生産は一進一退で推移、としている。
鉱工業指数
平成22年=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 99.8(96.2) | 3.7(▲1.7) | 90.1(98.0) | ▲3.8(▲1.9) |
出荷 | 97.9(94.7) | 3.4(▲1.8) | 88.1(98.2) | ▲5.9(▲2.5) |
在庫 | 112.0(112.3) | ▲0.w(0.4) | 116.2(112.3) | 0.2(0.0) |
在庫率 | 113.6(116.0) | ▲2.1(0.4) | 126.3(112.9) | 4.2(2.9) |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比3.7%の上昇。
◇上昇業種……はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等
◇低下業種……化学工業(除.医薬品)、石油・石炭製品工業
【出荷】
出荷は、前月比3.4%の上昇。
◇上昇業種……はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等
◇低下業種……輸送機械工業、石油・石炭製品工業、鉄鋼業
【在庫】
在庫は、前月比▲0.3%の低下。
◇低下業種……はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、情報通信機械工業等
◇上昇業種……鉄鋼業、化学工業(除.医薬品)、石油・石炭製品工業等
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、2月は前月比▲5.2%の低下、3月は3.1%の上昇。
◇2月の低下業種……輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業等
◇3月の上昇業種……輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業等
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年=100
平成28年1月 | 平成28年2月見込み | 平成28年3月見込み | |
平成28年2月調査(今回) | ▲5.2 | 3.1 | |
平成28年1月調査(前回) | 7.6 | ▲4.1 |
平成28年3月7日(月)Vol.663
燃料油生産、5ヵ月連続前年比割れ
エネ庁、1月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は2月29日、1月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
1月の原油輸入量は1,677㎘、前年同月比97.5%と2ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると、
(1)サウジアラビア(652㎘、前年同月比124.8%)
(2)アラブ首長国連邦(421㎘、同97.9%)
(3)カタール(137㎘、同80.1%)
(4)クウェート(131㎘、同104.4%)
(5)ロシア(104㎘、同57.7%)となっている。
なお、今月の中東依存度は87.1%、前年同月に比べ6.8ポイント増と3ヵ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,578㎘、前年同月比95.6%と5ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は342㎘、前年同月比101.3%と3ヵ月振りに前年を上回った。輸出は265㎘、同97.0%と10ヵ月振りに前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,651㎘、前年同月比96.4%と4ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ナフサ及びジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1,047㎘、前年同月比97.5%と6ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、ジェット燃料油、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 平成28年1月 Excel