No.664:前月比で生産6.2%、出荷4.6%減 経産省 2月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
No.665:粗鋼18ヵ月、燃料油6ヵ月連続前年割れ 経産省・エネ庁が2月の生産動態統計速報発表
No.666:燃料油国内販売 5ヵ月連続前年割れ エネ庁 2月の石油統計速報発表
No.667:生産 3ヵ月連続前年同月比減 自工会 2月の四輪車生産実績速報発表
No.668:粗鋼生産 前月比4.8%減、前年比1.0%減 鉄連 2月の鉄鋼生産速報発表

平成28年3月31日(木)Vol.664

前月比で生産6.2%、出荷4.6%減

経産省 2月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表

経済産業省は3月30日、2月の鉱工業・生産出荷・在庫速報を発表した。同省では今回の特長として、①2月は生産、出荷、在庫は低下、在庫率は上昇であった②製造工業生産予測調査によると3月、4月ともに上昇を予測し、「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」としている。

概要は次の通り。

【生産】

前月比▲6.2%の低下であった。業種別にみると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業等が低下し、石油・石炭製品工業、窯業・土石製品工業が上昇した。

【出荷】

前月比▲4.6%の低下であった。業種別にみると、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業等が低下し、石油・石炭製品工業、情報通信機械工業、繊維工業が上昇した。

【在庫】

前月比▲0.1%の低下であった。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、石油・石炭製品工業、情報通信機械工業等が低下し、鉄鋼業、窯業・土石製品工業、非鉄金属工業等が上昇した。
 

鉱工業指数

平成22年=100

注1:( )内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産 93.6(99.8) ▲6.2(3.7) 94.4(90.1) ▲1.5(▲3.8)
出荷 93.5(98.0) ▲4.6(3.5) 93.7(88.2) ▲1.8(▲5.8)
在庫 112.0(112.1) ▲0.1(▲0.2) 114.0(116.3) ▲0.9(0.3)
在庫率 114.1(113.5) 0.5(▲2.2) 117.1(126.2) 0.6(4.1)

【今後の予測】

製造工業生産予測調査によると、3月は前月比3.9%の上昇、4月は5.3%の上昇であった。3月の上昇は、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業等による。4月の上昇は、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業等による。
 
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))

平成22年=100

注)▲はマイナスを示す。
平成28年2月 平成28年3月見込み 平成28年4月見込み
平成28年3月調査(今回) 3.9 5.3
平成28年2月調査(前回) ▲5.2 3.1

※添付資料

鉱工業生産・出荷・在庫速報 28年2月 PDF

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平成28年3月31日(木)Vol.665

粗鋼18ヵ月、燃料油6ヵ月連続前年割れ

経産省・エネ庁が2月の生産動態統計速報発表

経済産業省と資源エネルギー庁は3月30日、1月の生産動態統計速報を発表したが、鉄鋼と石油の前年同月比減が止らない。だが、品目別にみると生産量の多い普通鋼の鋼帯、同冷延広幅鋼帯、同大形形鋼、特殊鋼の熱間圧延鋼材、同冷延広幅帯鋼などでは対前年同月比増を示している。

それによると生産量は、2月の鉄鋼の粗鋼生産量が835.4万トンで前月比4.8%、前年同月比1.0%のともに減となり、26年9月以降18ヵ月連続で対前年同月比減が続いている。

また、石油製品の2月の生産は燃料油計で1,568.6万㎘と前月比0.6%、前年同月比0.4%のともに微減を示した。石油はこれで6ヵ月連続の対前年同月比減となったが、品種別にみると最大生産量のガソリン、石油化学向けのナフサが対前年同月比増を示した。

【鉄鋼の生産】

2月の生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が357.6万トンと前月比4.2%の減だが、前年同月比2.4%増。鋼板が80.6万トンと前月比4.7%、前年同月比7.5%のともに減。小形棒鋼が64.9万トンと前月比1.0%増だが、前年同月比5.4%減。H形鋼が30.9万トンと前月比1.0%増だが、前年同月比6.9%減。線材が13.5万トンと前月比15.0%、前年同月比11.9%のともに2桁減。冷延広幅帯鋼が147.8万トンと前月比7.4%減だが、前年同月比1.4%増。冷延電気鋼帯が9.8万トンと前月比9.8%減で、前年同月比14.6%の2桁減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が156.5万トンと前月比1.6%減だが、前年同月比3.9%増。冷延広幅鋼帯が21.8トンと前月比4.3%減だが、前年同月比5.3%増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が34.6万トンで前月比2.2%増だが、前年同月比7.1%減。特殊鋼が15.2万トンで前月比12.1%の2桁増だが、前年同月比6.5%幅減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が86.1万トンと前月比7.1%、前年同月比1.7%のともに減となった。

【鉄鋼の出荷】

出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が179.5万トンと前月比2.0%、前年同月比5.2%のともに増。鋼板が84.1万トンと前月比4.7%、前年同月比1.1%のともに増。小形棒鋼が66.9万トンと前月比4.6%増だが、前年同月比2.0%減。H形鋼が30.8万トンと前月比1.5%増だが、前年同月比12.0%の2桁減。線材が14.2万トンと前月比2.4%増だが、前年同月比7.2%減。冷延広幅帯鋼が52.0万トンと前月比1.9%減で、前年同月比0.1%の微減。冷延電気鋼帯が11.5万トンと前月比21.6%の大幅増だが、前年同月比1.2%減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が112.1万トンと前月比0.2%の微減で、前年同月比6.9%減。冷延広幅帯鋼が21.1万トンと前月比6.9%増だが、前年同月比1.7%減になった。

熱間鋼管では、普通鋼が30.1万トンと前月比8.4%増だが、前年同月比0.9%の微減。特殊鋼が13.8万トンで前月比53.6%の大幅増だがで、前年同月比18.9%の2桁減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が87.9万トンと前月比5.8%増だが、前年同月比3.5%減となった。

【石油の生産】

2月の生産を油種別にみると、重油が310.3万㎘と前月比3.5%増だが、前年同月比3.0%減。ガソリンが453.7万㎘で前月比1.8%減だが、前年同月比6.0%増。軽油が322.5万㎘と前月比1.7%、前年同月比4.0%のともに減。灯油が暖冬から186.9万㎘と前月比11.8%の2桁減で、前年同月比も4.2%減。ナフサが192.4万㎘と前月比14.4%の2桁増で、前年同月比5.7%増。ジェット燃料油が102.8㎘と前月比5.0%、前年同月比5.0%のともに減。液化石油ガスが32.6万トンと前月比7.0%、前年同月比6.3%のともに減。アスファルトが28.6万トンと前月比4.0%、前年同月比5.9%のともに減となった。

【石油の出荷】

出荷を油種別にみると、重油が331.2万㎘と前月比5.5%増だが、前年同月比1.6%減。ガソリンが473.3万㎘と前月比6.0%、前年同月比7.9%のともに増。軽油が352.3万㎘と前月比6.2%増だが、前年同月比0.9%の微減。灯油が232.4万㎘と前月比8.0%、前年同月比8.2%のともに減。ナフサが368.4万㎘と前月比9.4%減だが、前年同月比1.0%増。ジェット燃料油が109.4万㎘と前月比1.0%、前年同月比5.1%のともに減。液化石油ガスが46.8万トンと前月比1.6%減で、前年同月比17.7%の2桁減。アスファルトが20.6万トンと前月比28.1%の大幅増で、前年同月比2.6%増となった。

【コークス・石灰石】

コークスの生産は262.1万トンと前月比5.7%減だが、前年同月比3.7%増。出荷は71.0万トンと前月比4.0%、前年同月比9.0%のともに増。石灰石の生産は1,184.3万トンと前月比11.8%の2桁増で、前年同月比2.2%増。出荷は938.2万トンと前月比7.4%増だが、前年同月比横ばいを示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成28年2月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成28年2月 Excel

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平成28年3月31日(木)Vol.666

燃料油国内販売 5ヵ月連続前年割れ

エネ庁 2月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は3月31日、2月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

2月の原油輸入量は1,596万㎘、前年同月比98.1%と3ヵ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると、

(1)サウジアラビア(512万㎘、前年同月比95.6%)

(2)アラブ首長国連邦(348万㎘、同93.9%)

(3)カタール(185万㎘、同130.7%)

(4)クウェート(129万㎘、同112.2%)

(5)ロシア(111万㎘、同77.6%)となっている。

なお、今月の中東依存度は82.5%、前年同月に比べ0.1ポイント増と4ヵ月連続して前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,569万㎘、前年同月比100.0%と6ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びナフサは前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は260万㎘、前年同月比92.3%と前年を下回った。輸出は293万㎘、同118.8%と前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,616万㎘、前年同月比94.9%と5ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は959万㎘、前年同月比99.1%と7ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成28年2月 Excel

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平成28年3月31日(木)Vol.667

生産 3ヵ月連続前年同月比減

自工会 2月の四輪車生産実績速報発表

日本自動車工業界は3月31日、2月の四輪車生産実績速報を発表した。概要は次の通り。

2月の四輪車生産台数は766,804台で、前年同月の823,864台に比べて57,060台・6.9%の減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。2月の車種別生産台数と前年同月比は次の通り。

【乗用車】

651,663台で46,804台・6.7%の減となり、3ヵ月連続の減少。このうち普通車は393,694台で5,369台・1.3%の減少、小型四輪車は127,330台で12,459台・8.9%の減少、軽四輪車は130,639台で28,976台・18.2%の減少。

【トラック】

105,578台で8,307台・7.3%の減となり、10ヵ月連続の減少。このうち普通車は45,991台で4,817台・9.5%の減少、小型四輪車は27,513台で2,409台・8.1%の減少、軽四輪車は32,074台で1,081台・3.3%の減少。

【バス】

9,563台で1,949台・16.9%の減となり、3ヵ月連続の減少。このうち大型は1,001台で19台・1.9%の増加、小型は8,562台で1,968台・18.7%の減少。

四輪車の2月の国内需要は451,330台で、前年同月比6.4%の減少であった。うち乗用車382,116台で前年同月比7.5%の減少、トラック67,852台で同0.1%の減少、バス1,362台で同37.4%の増加となった。輸出は前年同月比1.0%の増加だった。

また、27年4~28年2月の生産累計は8,297,910台で、前年同期の8,712,156台に比べ414,246台・4.8%の減少だった。

このうち乗用車は7,015,523台で332,136台・前年同期比4.5%の減少、トラックは1,159,235台で79,092台・同6.4%の減少、バスは123,152台で3,018台・同2.4%の減少だった。

※添付資料

四輪車生産実績速報 28年2月 PDF

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平成28年3月31日(木)Vol.668

粗鋼生産 前月比4.8%減、前年比1.0%減

鉄連 2月の鉄鋼生産速報発表

日本鉄鋼連盟はこのほど、2月の鉄鋼生産速報を発表した。概要は次の通り。

2月の鉄鋼生産は、銑鉄は前月比で減少したが、前年同月比では増加した。粗鋼、熱間圧延鋼材は前月比、前年同月比とも減少した。

銑鉄生産は643.3万トンと前月に比べ45.4万トン・6.6%減、前年同月比では0.8%増と、11カ月振りの増加となった。2015年4月~2016年2月では7,379.1万トンと前年同期比3.9%減となった。

粗鋼生産は835.5万トンで、前月比42.2万トン・4.8%減、前年同月比1.0%減となり、前年同月比では18ヵ月連続の減少となった。2月の1日当たり粗鋼生産は28.81万トンで、1月の同28.31万トン比1.8%増だった。2015年4月~2016年2月では9,553.7万トンと前年同期比5.0%減となった。

炉別生産をみると、転炉鋼が651.0万トンと前月比6.3%減、前年同月比1.0%増、電炉鋼が184.5万トンと同0.9%増、同7.6%減となり、前年同月比でみると転炉鋼は12カ月振りの増加、電炉鋼は15ヵ月連続の減少となった。

鋼種別生産では、普通鋼が641.0万トンと前月比5.5%減、前年同月比3.0%減、特殊鋼が194.5万トンと同2.5%減、同6.1%増となり、前年同月比では普通鋼は12カ月連続の減少、特殊鋼は15ヵ月振りの増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は738.4万トンと前月に比べ25.5万トン・3.3%減、前年同月比では0.5%減と16ヵ月連続の減少となった。2015年4月~2016年2月では8,417.6万トンと前年同期比5.0%減となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は583.8万トンと前月に比べ21.0万トン・3.5%減、前年同月比では1.3%減と16ヵ月連続の減少となった。2015年4月~2016年2月では6,701.0万トンと前年同期比3.8%減となった。

品種別では、条鋼類は142.5万トン、前月比1.0%減、前年同月比5.7%減で前年同月比では18ヵ月連続の減少となった。鋼板類は436.9万トン、同4.6%減、同0.1%増となり、前年同月比では16ヵ月振りの増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、最大のウエイトを占める広幅帯鋼が352.3万トンで前月比4.3%減、前年同月比2.4%増と、前年同月比で2ヵ月振りの増加となった。厚板は79.2万トンで同5.1%減、同7.8%減と、前年同月比で11ヵ月連続の減少となった。

一方、条鋼類では小形棒鋼が65.1万トンで同1.3%増、同5.1%減と、前年同月比で18ヵ月連続の減少となった。H形鋼は30.9万トンで同1.0%増、同6.9%減と同3ヵ月連続の減少、大形形鋼は8.1万トンで同15.7%増、同12.2%増と同13ヵ月振りの増加、中小形形鋼は7.9万トンで同0.6%減、同14.3%減と同7ヵ月連続の減少となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は154.5万トンと、前月に比べ4.5万トン・2.8%減、前年同月比では2.6%増と16ヵ月振りの増加となった。27年4月~28年2月では1,716.7万トンと前年同期比9.5%減となった。

※添付資料

全国鉄鋼生産高 28年2月 Excel

全国鋼材生産高 28年2月 Excel

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