平成28年6月16日(木)Vol.673
生産0.3%、出荷1.5%前月比増
経産省 4月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
経済産業省は5月31日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。同省では4月の特長として、①生産、出荷は上昇、在庫、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると5月、6月ともに上昇を予測している ③総じてみれば、生産は一進一退で推移している、としている。
鉱工業指数
平成22年(2010年)=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産 | 97.0(96.7) | 0.3(3.8) | 92.6(108.0) | ▲3.5(0.2) |
出荷 | 95.9(94.5) | 1.5(1.8) | 89.6(109.7) | ▲3.6(▲0.7) |
在庫 | 113.4(115.4) | ▲1.7(2.9) | 107.5(106.8) | 0.1(1.8) |
在庫率 | 115.7(118.3) | ▲2.2(3.3) | 112.3(99.4) | 1.8(3.8) |
【生産】
生産は、前月比0.3%の上昇。上昇業種は化学工業(除.医薬品)、電気機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業等。低下業種は金属製品工業、輸送機械工業、繊維工業等
【出荷】
出荷は、前月比1.5%の上昇。上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイス工業等。低下業種は石油・石炭製品工業、輸送機械工業、金属製品工業等
【在庫】
在庫は、前月比▲1.7%の低下。低下業種は輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、はん用・生産用・業務用機械工業等。上昇業種は電気機械工業、金属製品工業、その他工業
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、5月は前月比2.2%の上昇、6月は0.3%の上昇。
◇5月の上昇業種
汎用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業、電気機械工業等
◇6月の上昇業種
輸送機械工業、金属製品工業、その他等
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年(2010年)=100
平成28年4月 | 平成28年5月見込み | 平成28年6月見込み | |
平成28年5月調査(今回) | 2.2 | 0.3 | |
平成28年4月調査(前回) | 2.6 | ▲2.3 |
平成28年6月16日(木)Vol.674
鉄鋼20ヵ月振り増、燃料油2ヵ月連続増
経産省・エネ庁が4月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は5月31日、4月の生産動態統計速報を発表した。それによると4月の粗鋼生産量は850.0万トンで前月比2.6%減だが、前年同月比1.2%増となり、26年9月以降20ヵ月振りに対前年同月比増となった。
また、石油製品の4月の生産は燃料油計で1,632.6万㎘と前月比12.8%の2桁減で、前年同月比も3.1%の減となった。石油はこれで再び対前年同月比減となった。
4月の生産・出荷の動向は次の通り。
【鉄鋼の生産】
4月の生産を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が355.5万トンと前月比7.4%減だが、前年同月比2.1%増。冷延広幅帯鋼が148.4万トンと前月比11.8%の2桁減で、前年同月1.8%減。冷延電気鋼帯が10.5万トンと前月比18.7%の2桁減で、前年同月比9.1%減。鋼板が87.6万トンと前月比0.8%、前年同月比0.5%のともに微増。小形棒鋼が71.7万トンと前月比4.6%増だが、前年同月比2.4%減。H形鋼が29.5万トンと前月比2.6%減だが、前年同月比1.1%増。線材が14.7万トンと前月比7.5%減だが、前年同月比5.9%増となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が148.4万トンと前月比9.4%、前年同月比4.2%ともに減。冷延広幅鋼帯が20.5トンと前月比16.2%の2桁減で、前年同月比も1.8%減となった。
熱間鋼管では、普通鋼が33.5万トンで前月比6.3%、前年同月2.6%のともに減。特殊鋼が11.6万トンで前月比11.2%、前年同月比17.9%のともに2桁減となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が81.2万トンと前月比12.9%の2桁減で、前年同月比も4.0%減となった。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品種別にみると、普通鋼では鋼帯が177.3万トンと前月比15.1%の2桁減だが、前年同月比3.1%増。冷延広幅帯鋼が48.9万トンと前月比21.8%の大幅減で、前年同月比2.6%減。冷延電気鋼帯が10.4万トンと前月比19.6%の2桁減で、前年同月比も6.5%減。鋼板が80.1万トンと前月比13.8%の2桁減で、前年同月比も7.1%減。小形棒鋼が70.7万トンと前月比2.8%、前年同月比5.9%減。H形鋼が28.9万トンと前月比17.6%の2桁減だが、前年同月比1.8%増。線材が13.2万トンと前月比21.69%の大幅減で、前年同月比も6.4%減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が108.3トンと前月比17.6%の2桁増で、前年同月比も8.4%減。冷延広幅帯鋼が17.8万トンと前月比26.3%の大幅減だが、前年同月比0.7%の微増になった。
熱間鋼管では、普通鋼が28.5万トンと前月比17.1%の2桁減で、前年同月比も4.3%減。特殊鋼が6.0万トンで前月比57.2%、前年同月比50.5%のともに半減以下となった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が76.9万トンと前月比21.3%の2桁減で、前年同月比も3.9%減となった。
【石油の生産】
4月の生産を油種別にみると、重油が1,476.4万㎘と前月比9.6%、前年同月比1.6%のともに減。ガソリンが440.3万㎘で前月比9.1%、前年同月比1.8%のともに減。軽油が341.3万㎘と前月比、前年同月比ともに3.9%の減。灯油が115.7万㎘と前月比36.1%の大幅減だが、前年同月比2.6%増。ナフサが168.5万㎘と前月比1.9減だが、前年同月比2.2%増。ジェット燃料油が147.3㎘と前月比25.8%の大幅増で、前年同月比も8.0%増。液化石油ガスが41.4万トンと前月比12.9%、前年同月比12.5%のともに2桁増。アスファルトが23.7万トンと前月比12.9%減だが、前年同月比12.0%増。潤滑油が22.8万トンと前月比3.2%、前年同月比9.3%のともに増となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が260.0万㎘と前月比21.3%の大幅減で、前年同月比も8.5%減。ガソリンが437.2万㎘と前月比12.2%の2桁減で、前年同月比も5.5%減。軽油が333.2万㎘と前月比15.0%、前年同月比10.5%のともに減。灯油が108.1万㎘と前月比44.6%の大幅減で、前年同月比も8.9%減。ナフサが390.3万㎘と前月比5.7%増で、前年同月比14.2%の2桁増。ジェット燃料油が135.1万㎘と前月比9.7%減だが、前年同月比1.9%増。液化石油ガスが50.1万トンと前月比2.4%、前年同月比3.9%のともに増。アスファルトが15.6万トンと前月比30.5%の大幅減だが、前年同月比3.7%増。潤滑油が24.0万トンと前月比1.9%減だが、前年同月比4.2%増となった。
【コークス・石灰石】
コークスの生産は271.8万トンと前月比3.4%減で、前年同月比0.2%の微減。出荷は74.7万トンと前月比4.6%減だが、前年同月比7.2%増。石灰石の生産は1,075.5万トンと前月比15.5%の2桁減で、前年同月比も6.9%減。出荷は896.3万トンと前月比9.7%、前年同月比5.4%ともに減を示した。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成28年4月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成28年4月 Excel
平成28年6月16日(木)Vol.675
燃料油国内販売7ヵ月連続前年割れ
エネ庁 4月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は5月31日、4月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
4月の原油輸入量は1,654万㎘、前年同月比103.4%と5ヵ月振りに前年を上回った。輸入量の多い順にみると、
(1)サウジアラビア(679万㎘、前年同月比138.4%)
(2)アラブ首長国連邦(320万㎘、同80.5%)
(3)カタール(170万㎘、同117.3%)
(4)クウェート(137万㎘、同103.0%)
(5)ロシア(117万㎘、同58.4%)となっている。
なお、今月の中東依存度は87.6%、前年同月に比べ10.0ポイント増と6ヵ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,476万㎘、前年同月比98.4%と前年を下回った。油種別にみるとナフサ、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を上回ったが、ガソリン、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は247万㎘、前年同月比85.0%と3ヵ月連続して前年を下回った。輸出は251万㎘、同95.2%と3ヵ月振りに前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,426万㎘、前年同月比96.1%と7ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、A重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は920万㎘、前年同月比96.7%と9ヵ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要速報 平成28年4月 Excel