平成28年9月2日(金)Vol.682
生産 一部に持ち直し
経産省 7月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は8月31日、7月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では7月の特長として、①生産は横這いだが、出荷及び在庫率は上昇し、在庫は低下であった ②製造工業生産予測調査によると8月は上昇、9月は低下を予測している ③総じてみれば生産は一進一退で推移しているが、一部に持ち直しがみられる、としている。
鉱工業指数
平成22年(2010年)=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産(前月値) | 96.9(96.9) | 0.0(2.3) | 99.1(100.7) | ▲3.8(▲1.5) |
出荷(前月値) | 96.0(95.1) | 0.9(1.7) | 96.4(98.2) | ▲3.8(▲1.7) |
在庫(前月値) | 111.2(113.9) | ▲2.4(0.0) | 113.7(113.3) | ▲1.8(0.0) |
在庫率(前月値) | 117.1(116.0) | 0.9(▲1.5) | 116.7(114.9) | 3.8(2.8) |
【生産】
生産は前月比0.0%の横ばいとなった。上昇業種は輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等で、低下業種は化学工業(除.医薬品)、金属製品工業、汎用・生産用・業務用機械工業等だった。
【出荷】
出荷は前月比0.9%上昇した。上昇業種は輸送機械工業、鉄鋼業、電気機械工業等で、低下業種は金属製品工業、非鉄金属工業、情報通信機械工業等だった。
【在庫】
在庫は、前月比2.4%低下した。低下業種は鉄鋼業、汎用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業等で、上昇業種は情報通信機械工業、非鉄金属工業、繊維工業等だった。
【8月、9月の予測】
製造工業生産予測調査によると、8月は前月比4.1%の上昇、9月は同▼0.7%の低下となった。8月の上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等で、9月の低下業種は汎用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業、その他等となった。
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年(2010年)=100
平成28年7月 | 平成28年8月見込み | 平成28年9月見込み | |
平成28年8月調査(今回) | 4.1 | ▲0.7 | |
平成28年7月調査(前回) | 2.4 | 2.3 |
平成28年9月2日(金)Vol.683
鉄鋼4ヵ月連続、燃料油3ヵ月連続増
経産省・エネ庁が6月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は8月31日、7月の生産動態統計速報を発表した。それによると7月の粗鋼生産量は897.6万トンで前月比2.4%、前年同月比1.5%のともに増となり、4ヵ月連続で対前年同月比増となった。だが、銑鉄、熱間圧延鋼材は前月比では増加したものの、前年同月比で減少し、不安要因も見逃せない。
また、石油製品の6月の生産は燃料油計で1,449.7万㎘と前月比9.5%増で、前年同月比0.5%の微増となり、3ヵ月連続前年同月比増となった。
7月の生産・出荷の動向は次の通り。
【鉄鋼の生産】
鉄鋼の生産を炉別にみると、転炉鋼が697.0万トンで前月比3.4%、前年同月比0.7%のともに増、電炉鋼が191.6万トンで前月比5.7%、前年同月比0.1%のともに減となり、前年同月比でみると転炉鋼は4カ月連続の増加、電炉鋼は20カ月連続の減少となった。
鋼種別生産では、普通鋼が697.3万トンで前月比2.1%、前年同月比1.3%のともに増、特殊鋼が191.3万トンで前月比1.4%、前年同月比2.4%ともに減となり、前年同月比で普通鋼が2カ月連続の増加、特殊鋼が3カ月振りの減少となった。熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は782.2万トンで前月比3.1%増だが、前年同月比0.9%減と21カ月連続の減少となった。
普通鋼熱間圧延鋼材の生産は619.3万トンで前月比2.9%増だが、前年同月比2.1%減と3カ月連続の減少となった。
品種別では、条鋼類は147.9万トンで前月比3.0%、前年同月比6.1%ともに減で、前年同月比では23カ月連続の減少となった。鋼板類は467.8万トンで前月比5.0%増だが、同0.7%減となり、前年同月比では3カ月連続の減少となった。
主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が385.6万トンと前月比9.2%増だが、前年同月比1.0%減。冷延広幅帯鋼が158. 1万トンと前月比7.3%、前年同月4.1%のともに増。冷延電気鋼帯が10.9万トンと前月比5.2%、前年同月比2.6%のともに減。鋼板が83.5万トンと前月比9.5%増だが、前年同月比2.1%増。小形棒鋼が69.2万トンと前月比6.6%、前年同月比5.8%のともに減。H形鋼が30.7万トンと前月比1.7%減で、前年同月比14.4%の2桁減。線材が15.4万トンと前月比3.7%増で、前年同月比12.1%の2桁増となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が162.7万トンと前月比3.7%、前年同月比4.2%のともに増。冷延広幅鋼帯が22.8トンと前月比4.2%、前年同月比5.2%のともに増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が33.4万トンで前月比3.4%、前年同月6.9%のともに減。特殊鋼が13.8万トンで前月比9.8%減だが、前年同月比2.4%増となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が84.7万トンと前月比1.6%、前年同月比7.2%のともに減となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が91.0万トンと前月比7.5%、前年同月比4.0%のともに増加となった。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が191.9万トンで前月比10.0%、前年同月比15.9%のともに2桁増。鋼板が90.1万トンで前月比4.1%、前年同月比8.5%のともに増。小形棒鋼が69.9万トンで前月比前月比7.1%、前年同月比10.8%のともに2桁増。冷延広幅帯鋼が64.2万トンで前月比19.9%、前年同月比15.9%のともに2桁増となった。特殊鋼の熱間圧延鋼材は123.2万トンで前月比4.1%、前年同月比4.3%ともに増。冷延広幅帯鋼は22.2万トンで前月比13.2%、前年同月比10.6%のともに2桁増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が29.9万トンと前月比2.7%、前年同月比5.2%のともに減。特殊鋼が13.2万トンで前月比14.9%の2桁増で、前年同月比24.9%の大幅増となった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が94.1万トンと前月比12.5%増で、前年同月比も6.7%増となった。
【石油の生産】
7月の生産を油種別にみると、重油が257.7万㎘と前月比1.0%、前年同月比8.0%のともに増。ガソリンが458.8万㎘で前月比15.3%の2桁増で、前年同月比も2.8%増。軽油が353.1万㎘と前月比13.5%の2桁増だが、前年同月比3.6%減。灯油が79.7万㎘と前月比22.5%、前年同月比20.6%のともに大幅増。ナフサが145.9万㎘と前月比4.8%、前年同月比7.9%のともに減。ジェット燃料油が154.6㎘と前月比9.1%増だが、前年同月比7.7%減。液化石油ガスが38.8万トンと前月比18.2%の2桁増だが、前年同月比6.6%減。アスファルトが28.5万トンと前月比5.7%増だが、前年同月比4.6%減。潤滑油が21.2万トンと前月比5.7%増だが、前年同月比2.7%減となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が264.9万㎘と前月比2.0%、前年同月比6.6%のともに増。ガソリンが470.6万㎘と前月比14.9%の2桁増で、前年同月比0.3%の微増。軽油が355.0万㎘と前月比6.1%の増だが、前年同月比0.7%の微減。灯油が62.6万㎘と前月比0.3%の微減で、前年同月比も3.4%減。ナフサが361.0万㎘と前月比8.1%増だが、前年同月比5.8%減。ジェット燃料油が139.7万㎘と前月比12.0%の2桁減で、前年同月比も9.2%減。液化石油ガスが44.6万トンと前月比7.2%増だが、前年同月比17.8%の2桁減。アスファルトが15.5万トンと前月比19.%、前年同月比1.2%のともに増。潤滑油が22.4万トンと前月比3.5%減だが、前年同月比0.2%の微増となった。
【コークス・石灰石】
コークスの生産は279.0万トンと前月比5.0%、前年同月比2.2%のともに増。出荷は72.1万トンと前月比3.5%減だが、前年同月比1.3%増。石灰石の生産は1,175.0万トンと前月比6.5%増だが、前年同月比2.4%減。出荷は962.2万トンと前月比8.2%微増で、前年同月比0.3%の微増を示した。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成28年7月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成28年7月 Excel
平成28年9月2日(金)Vol.684
燃料油販売10カ月連続前年比割れ
エネ庁 7月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は8月31日、7月の石油統計速報を発表した。
【原油の動向】
7月の原油輸入量は1,550万㎘、前年同月比91.5%と4カ月振りに前年を下回った。輸入量の多い順にみると、
(1)サウジアラビア(523万㎘、前年同月比93.9%)
(2)アラブ首長国連邦(405万㎘、同77.4%)
(3)カタール(127万㎘、同109.5%)
(4)イラン(126万㎘、同161.8%)
(5)メキシコ(95万㎘、同601.7%)となっている。
なお、今月の中東依存度は85.4%、前年同月に比べ1.5ポイント増と9カ月連続して前年を上回った。
【燃料油の生産】
燃料油の生産は1,450万㎘、前年同月比100.5%と3カ月連続して前年を上回った。油種別にみるとガソリン、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を下回った。
【燃料油の輸入、輸出】
燃料油の輸入は269万㎘、前年同月比91.5%と6カ月連続して前年を下回った。輸出は273万㎘、同109.7%と3カ月連続して前年を上回った。
【燃料油の国内販売】
燃料油の国内販売は1,381万㎘、前年同月比97.8%と10カ月連続して前年を下回った。油種別にみると軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を下回った。
【燃料油の在庫】
燃料油の在庫は992万㎘、前年同月比97.3%と12カ月連続して前年を下回った。油種別にみるとガソリン、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を上回ったが、ナフサ、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 2016年7月 Excel