No.685: 生産は緩やかな持ち直しの動き 経産省 8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.686: 粗鋼生産 5カ月連続前年比増 燃料油生産 4ヵ月振り前年比減 経産省 8月の生産動態統計速報発表
No.687: 燃料油販売 11カ月連続前年比減 エネ庁 8月の石油統計速報発表

平成28年10月3日(月)Vol.685

生産は緩やかな持ち直しの動き

経産省 8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

経済産業省は9月30日、8月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では8月の特長として、①生産、在庫は上昇、出荷、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると9月、10月ともに上昇を予測している ③総じてみれば、生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる、としている。
概要は次の通り。

鉱工業指数

平成22年(2010年)=100

注1:()内は前月における確報値・前月比。
注2:▲はマイナスを示す。
項目 季節調整済指数 原指数
指数 前月比(%) 指数 前年同月比(%)
生産(前月値) 97.9(96.5) 1.5(▲0.4) 92.6(98.7) 4.6(▲4.2)
出荷(前月値) 94.6(95.8) ▲1.3(0.7) 89.4(96.2) 1.5(▲4.0)
在庫(前月値) 111.3(111.2) 0.1(▲2.4) 114.8(113.7) ▲1.8(▲1.8)
在庫率(前月値) 113.2(117.3) ▲3.5(1.1) 124.4(116.9) ▲2.7(4.0)

1.生産・出荷・在庫動向

【生産】

生産は前月比1.5%上昇した。上昇業種は電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、化学工業(除.医薬品)等で、低下業種は輸送機械工業、石油・石炭製品工業、金属製品工業だった。

【出荷】

出荷は前月比-1.3%低下した。低下業種は輸送機械工業、汎用・生産用・業務用機械工業、鉄鋼業等で、上昇業種は電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、非鉄金属工業等だった。

【在庫】

在庫は前月比0.1%上昇した。上昇業種は輸送機械工業、汎用・生産用・業務用機械工業、石油・石炭製品工業等で、低下業種は鉄鋼業、非鉄金属工業、窯業・土石製品工業等だった。

2.製造工業生産予測

製造工業生産予測調査によると、9月は前月比2.2%の上昇、10月は同1.2%の上昇となった。9月の上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、化学工業等で、10月の上昇業種は電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業等だった。

製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))

平成22年(2010年)=100

注)▲はマイナスを示す。
平成28年8月 平成28年9月見込み 平成28年10月見込み
平成28年9月調査(今回) 2.2 1.2
平成28年8月調査(前回) 4.1 ▲0.7

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平成28年10月3日(月)Vol.686

粗鋼生産 5カ月連続前年比増

燃料油生産 4ヵ月振り前年比減

経産省 8月の生産動態統計速報発表

経済産業省と資源エネルギー庁は9月30日、8月の生産動態統計速報を発表した。それによると8月の粗鋼生産量は891.0万トンで前月比0.7%の微減だが、前年同月比1.4%増となり、5ヵ月連続で対前年同月比増となった。また、銑鉄生産は700.6万トンと前月比1.0%、前年同月比ともに1.4%増と、2カ月振りの前年同月比増となった。

また、石油製品の6月の生産は燃料油計で1,542.6万㎘と前月比6.4%増だが、前年同月比2.6%の減となり、4ヵ月振りに前年同月比減となった。

8月の生産・出荷の動向は次の通り。

【鉄鋼の生産】

鉄鋼の生産を炉別にみると、転炉鋼が717.1万トンと前月比1.5%増、前年同月比3.6%増、電炉鋼が174.7万トンと同8.7%減、同6.2%減となり、前年同月比でみると転炉鋼は5カ月連続の増加、電炉鋼は21カ月連続の減少となった。

鋼種別生産では、普通鋼が690.5万トンと前月比0.9%減、前年同月比0.7%増、特殊鋼が201.3万トンと同0.2%増、同4.6%増となり、前年同月比では普通鋼は3カ月連続の増加、特殊鋼は4カ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は786.6万トンと前月に比べ0.5%増、前年同月比では1.3%増と22カ月振りの増加となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は633.4万トンと前月に比べ2.1%増、前年同月比では1.0%増と4カ月振りの増加となった。

品種別では、条鋼類は143.8万トン、前月比2.4%減、前年同月比6.0%減で、前年同月比では24カ月連続の減少となった。鋼板類は486.0万トン、同3.6%増、同3.5%増となり、前年同月比では4カ月振りの増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が395.2万トンと前月比2.5%、前年同月比1.8%のともに増。冷延広幅帯鋼が160.1万トンと前月比1.3%、前年同月4.3%のともに増。冷延電気鋼帯が11.6万トンと前月比5.9%、前年同月比2.7%のともに増。鋼板が91.8万トンと前月比9.9%、前年同月比12.9%のともに増。小形棒鋼が64.7万トンと前月比6.5%、前年同月比8.7%のともに減。H形鋼が30.9万トンと前月比0.6%の微増だが、前年同月比9.6%減。線材が14.3万トンと前月比6.9%で、前年同月比10.9%の2桁減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が153.3万トンと前月比5.8%減だが、前年同月比2.4%増。冷延広幅鋼帯が23.0トンと前月比0.9%の微増で、前年同月比6.0%増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が33.4万トンで前月比0.1%の微減だが、前年同月2.2%の増。特殊鋼が13.1万トンで前月比4.7%減だが、前年同月比24.4%の大幅増となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が84.7万トンと前月比1.6%、前年同月比7.2%のともに減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が88.1万トンと前月比3.2%、前年同月比1.5%のともに減となった。

【鉄鋼の出荷】

出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が189.7万トンで前月比1.1%、前年同月比0.3%のとも微減。鋼板が84.4万トンで前月比6.3%減だが、前年同月比9.8%のともに増。小形棒鋼が69.9万トンで前月比前月比7.1%、前年同月比10.8%のともに2桁増。冷延広幅帯鋼が64.2万トンで前月比19.9%、前年同月比15.9%増となった。

特殊鋼の熱間圧延鋼材は106.1万トンで前月比13.9%の2桁減で、前年同月比も2.1%減。冷延広幅帯鋼は19.9万トンで前月比10.7%の2桁減だが、前年同月比7.9%増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が28.2万トンと前月比5.7%減だが、前年同月比3.1%増。特殊鋼が28.2万トンで前月比5.7%減だが、前年同月比3.1%増となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が80.4万トンと前月比14.6%の2桁減だが、前年同月比2.2%増となった。

【石油の生産】

7月の生産を油種別にみると、重油が260.3万㎘と前月比1.0%、前年同月比2.1%のともに増。ガソリンが491.8万㎘で前月比7.2%の増だが、前年同月比2.8%減。軽油が391.7万㎘と前月比10.9%の2桁増で、前年同月比も2.6%増。灯油が87.5万㎘と前月比9.8%増だが、前年同月比19.0%の2桁減。ナフサが148.9万㎘と前月比2.1%増だが、前年同月比4.4%減。ジェット燃料油が162.2㎘と前月比5.0%増だが、前年同月比8.0%減。液化石油ガスが38.8万トンと前月比増減0%横這いだが、前年同月比14.7%の2桁減。アスファルトが29.9万トンと前月比5.1%、前年同月比5.3%のともに増。潤滑油が20.6万トンと前月比2.8%減だが、前年同月比7.6%増となった。

【石油の出荷】

出荷を油種別にみると、重油が255.7万㎘と前月比3.5%、前年同月比4.8%のともに減。ガソリンが491.5万㎘と前月比4.4%増だが、前年同月比7.2%減。軽油が366.1万㎘と前月比3.1%増だが、前年同月比5.4%減。灯油が68.5万㎘と前月比9.5%増だが、前年同月比9.6%減。ナフサが379.8万㎘と前月比5.2%、前年同月比3.9%のともに増。ジェット燃料油が160.0万㎘と前月比14.5%の2桁増だが、前年同月比3.0%減。液化石油ガスが45.6万トンと前月比2.1%増だが、前年同月比18.5%の2桁減。アスファルトが16.2万トンと前月比4.1%、前年同月比9.9%のともに増。潤滑油が20.0万トンと前月比10.5%の2桁減で、前年同月比も3.5%減となった。

【コークス・石灰石】

コークスの生産は282.7万トンと前月比1.3%、前年同月比5.2%のともに増。出荷は72.7万トンと前月比0.8%の微増だが、前年同月比7.7%減。石灰石の生産は1,145.3万トンと前月比2.3%、前年同月比2.1%のともに減。出荷は885.1万トンと前月比8.0%、前年同月比3.1%のともに減を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成28年8月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成28年8月 Excel

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平成28年10月3日(月)Vol.687

燃料油販売 11カ月連続前年比減

エネ庁 8月の石油統計速報発表

資源エネルギー庁は9月30日、8月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

8月の原油輸入量は1,580万㎘、前年同月比91.7%と2カ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると、

(1)サウジアラビア(482万㎘、前年同月比81.4%)

(2)アラブ首長国連邦(403万㎘、同94.0%)

(3)カタール(154万㎘、同87.2%)

(4)ロシア(122万㎘、同102.2%)

(5)イラン(116万㎘、同131.4%)となっている。

なお、8月の中東依存度は84.7%、前年同月に比べ2.6ポイント増と10カ月連続して前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,543万㎘、前年同月比97.4%と4カ月振りに前年を下回った。油種別にみると、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は281万㎘、前年同月比97.5%と7カ月連続して前年を下回った。輸出は310万㎘、同98.7%と4カ月振りに前年を下回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,428万㎘、前年同月比97.0%と11カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、灯油、軽油及びA重油は前年を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1,074万㎘、前年同月比97.4%と13カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った

※添付資料

石油需給概要 2016年8月 Excel

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