平成28年12月1日(木)Vol.688
前月比で生産0.1%、出荷2.2%上昇
経産省10月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
経済産業省は11月30日、10月の鉱工業・生産出荷・在庫速報を発表した。経産省では10月は「生産は緩やかな持ち直しの動き」としながら、特長として ①生産、出荷は上昇、在庫、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると11月は上昇、12月は低下を予測している ③総じてみれば生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる、としている。
平成28年10月鉱工業指数
平成22年(2010年)=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産(前月値) | 98.5(98.4) | 0.1(0.6) | 98.8(103.5) | ▲1.3(1.5) |
出荷(前月値) | 98.5(96.4) | 2.2(1.8) | 97.1(103.4) | ▲1.8(0.7) |
在庫(前月値) | 108.6(110.9) | ▲2.1(▲0.5) | 110.7(110.5) | ▲3.0(▲2.0) |
在庫率(前月値) | 113.9(114.9) | ▲0.9(1.1) | 113.3(109.6) | 0.8(▲0.2) |
1. 生産・出荷・在庫動向
【生産】
生産は、前月比0.1%上昇した。上昇業種は電子部品・デバイス工業、金属製品工業、輸送機械工業等で、低下業種は汎用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、化学工業(除.医薬品)だった。
【出荷】
出荷は、前月比2.2%上昇した。上昇業種は輸送機械工業、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業等で、低下業種は電気機械工業、非鉄金属工業、繊維工業等だった。
【在庫】
在庫は、前月比-2.1%低下した。低下業種は輸送機械工業、汎用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業等で、上昇業種は非鉄金属工業、化学工業(除.医薬品)、パルプ・紙・紙加工品工業等だった。
2. 製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、11月は前月比4.5%の上昇、12月は同-0.6%の低下となっている。
11月の上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、情報通信機械工業等で、12月の低下業種は汎用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業、その他等となっている
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年(2010年)=100
平成28年10月 | 平成28年11月見込み | 平成28年12月見込み | |
平成28年11月調査(今回) | 4.5 | ▲0.6 | |
平成28年10月調査(前回) | 1.1 | 2.1 |
平成28年12月1日(木)Vol.689
燃料油販売13ヵ月連続前年割れ
エネ庁 10月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は11月30日、10月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
10月の原油輸入量は1,506万㎘、前年同月比97.9%と4カ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると次のようになっている。
(1)サウジアラビア……622万㎘(前年同月比119.4%)
(2)アラブ首長国連邦……339万㎘(同98.7%)
(3)カタール……108万㎘(同103.2%)
(4)クウェート……105万㎘(同111.7%)
(5)イラン……99万㎘(同132.1%)
今月の中東依存度は87.0%、前年同月に比べ10.0ポイント増と12カ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,399万㎘、前年同月比96.3%と前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は214万㎘、前年同月比76.5%と9カ月連続して前年を下回った。輸出は236万㎘、同81.4%と前年を下回った 。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,420万㎘、前年同月比97.9%と13カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びジェット燃料油は前年同月を上回ったが、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は1,042万㎘、前年同月比94.2%と15カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、ジェット燃料油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要平成28年10月 Excel
平成28年12月1日(木)Vol.690
粗鋼生産 7カ月連続前年比減
燃料油生産 前年比再び減に
経産省 10月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は11月30日、10月の生産動態統計速報を発表した。それによると10月の粗鋼生産量は905.1万トンで前月比7.1%増、前年同月比0.5%増となった。これで粗鋼の前年同月比は7カ月連続増となった。また、熱間圧延鋼材は前月比では減少したが、前年同月比では増加。銑鉄生産は前月比8.2%、前年同月比3.1%のともに減で、前年同月比2カ月振りの減少となった。
また、石油製品の10月の生産は燃料油計で1,398.8万㎘と前月比4.1%、前年同月比3.7%ともに減となった。
10月の生産・出荷の動向は次の通り。
【鉄鋼の生産】
炉別生産をみると、転炉鋼が693.8万トンと前月比6.3%増、前年同月比0.4%増、電炉鋼が212.4万トンと同10.5%増、同1.2%増となり、前年同月比でみると転炉鋼は2カ月振りの増、電炉鋼は23カ月振りの増となった。
鋼種別生産では、普通鋼が689.0万トンと前月比7.8%増、前年同月比1.0%減、特殊鋼が217.2万トンと同5.4%増、同6.1%増となり、前年同月比で普通鋼は2カ月連続の減少、特殊鋼は6カ月連続の増となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は800.9万トンと前月5.1%、前年同月比3.5%のともに増で、前年同月比3カ月連続の増となった。
普通鋼熱間圧延鋼材の生産は625.8万トンと前月比5.3%、前年同月比2.1%増のともに増で、前年同月比2カ月振りの増となった。
品種別では、条鋼類が158.3万トンと前月比9.8%、前年同月比1.3%のともに増で、前年同月比26カ月振りの増加となった。鋼板類は463.2万トンで前月比3.5%、前年同月比2.2%のともに増で、前年同月比3カ月連続の増となった。
主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が373.2万トンと前月比3.3%、前年同月比2.9%のともに増。冷延広幅帯鋼が158.0万トンと前月比1.0%、前年同月3.0%のともに増。冷延電気鋼帯が11.2万トンと前月比2.1%、前年同月比1.2%のともに増。鋼板が91.3万トンと前月比6.0%増で、前年同月比0.9%の微増。小形棒鋼が73.7万トンと前月比7.5%増だが、前年同月比も1.1%減。H形鋼が34.3万トンと前月比20.7%の大幅増で、前年同月比も5.4%増。線材が15.6万トンと前月比16.2%の2桁増だが、前年同月比3.2%減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が173.4万トンと前月比3.3%、前年同月比7.7%のともに増。冷延広幅鋼帯が22.3トンと前月比10.1%の2桁減だが、前年同月比1.4%増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が36.9万トンと前月比0.5%の微増で、前年同月0.0%の横這い。特殊鋼が17.8万トンと前月比2.6%増で、前年同月比49.5%の大幅増となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が92.4万トンと前月比0.3%、前年同月比0.5%のともに微増となった。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が186.2万トンと前月比0.7%、前年同月比も0.9%のともに微減。鋼板が92.0万トンと前月比8.7%、前年同月比1.5%のともに増。小形棒鋼が71.5万トンと前月比2.0%増だが、前年同月比6.1%減。冷延広幅帯鋼が62.3万トンと前月比9.5%、前年同月比10.1%のともに増となった。
特殊鋼の熱間圧延鋼材は126.9万トンと前月比2.8%増だが、前年同月比0.7%の微減。冷延広幅帯鋼は22.7万トンと前月比0.9%の微増で、前年同月比も8.1%増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が32.5万トンと前月比1.8%減だが、前年同月比2.0%増。特殊鋼が17.1万トンと前月比25.7%、前年同月比111.8%のともに大幅増となった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が94.0万トンと前月比2.8%増で、前年同月比0.1%の微増となった。
【石油の生産】
7月の生産を油種別にみると、重油が256.2万㎘と前月比4.1%、前年同月比3.7%のともに減。ガソリンが426.3万㎘で前月比1.9%増だが、前年同月比5.7%減。軽油が315.6万㎘と前月比13.3%の2桁減で、前年同月比も8.3%減。灯油が109.3万㎘と前月比4.7%増だが、前年同月比11. 1%の2桁減。ナフサが163.6㎘と前月比1.1%減だが、前年同月比6.2%増。ジェット燃料油が127.8万㎘と前月比14.9%の2桁減だが、前年同月比3.6%増。液化石油ガスが26.4万トンと前月比23.5%、前年同月比21.1%のともに大幅減。アスファルトが19.1万トンと前月比26.9%、前年同月比27.6%のともに大幅減。潤滑油が17.7万㎘と前月比9.8%、前年同月比3.3%のともに減となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が264.1万㎘と前月比1.8%増だが、前年同月比2.4%減。ガソリンが453.6万㎘と前月比2.6%増だが、前年同月比2.6%減。軽油が345.4万㎘と前月比10.3%の2桁減で、前年同月比も9.5%の減。灯油が127.1万㎘と前月比48.1%の大幅増で、前年同月比1.9%増。ナフサが347.1万㎘と前月比1.4%増だが、前年同月比5.3%減。ジェット燃料油が144.3万㎘と前月比1.3%減だが、前年同月比5.8%増。液化石油ガスが38.1万トンと前月比10.3%の2桁減で、前年同月比25.8%の大幅減。アスファルトが17.9万トンと前月比8.5%、前年同月比8.5%の2ともに減。潤滑油が19.6万㎘と前月比12.3%の2桁減で、前年同月比も3.5%減となった。
【コークス・石灰石】
コークスの生産は282.3万トンと前月比3.6%、前年同月比3.2%のともに増。出荷は68.6万トンと前月比2.7%、前年同月比9.3%のともに減。石灰石の生産は1,220.6万トンと前月比6.3%増だが、前年同月比3.5%減。出荷は984.7万トンと前月比6.1%増だが、前年同月比3.5%減を示した。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成28年10月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成28年10月 Excel