平成29年1月5日(木)Vol.691
生産・出荷上昇、在庫低下
経産省 11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
経済産業省は12月28日、11月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。経産省では11月の特長として、①生産、出荷は上昇、在庫、在庫率は低下であった ②製造工業生産予測調査によると12月、1月ともに上昇を予測している ③総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる、としている。
平成22年(2010年)=100
項目 | 季節調整済指数 | 原指数 | ||
指数 | 前月比(%) | 指数 | 前年同月比(%) | |
生産(前月値) | 99.9(98.4) | 1.5(0.0) | 101.9(98.7) | 4.6(▲1.4) |
出荷(前月値) | 99.2(98.3) | 0.9(2.0) | 100.7(96.9) | 5.0(▲2.0) |
在庫(前月値) | 107.0(108.6) | ▲1.5(▲2.1) | 110.0(110.7) | ▲4.8(▲3.0) |
在庫率(前月値) | 107.9(114.2) | ▲5.5(▲0.6) | 109.6(113.6) | ▲6.6(1.1) |
1.生産・出荷・在庫動向
生産は、前月比1.5%の上昇。上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等。低下業種は窯業・土石製品工業、プラスチック製品工業、パルプ・紙・紙加工品工業等。
出荷は、前月比0.9%の上昇。上昇業種は電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業等。低下業種は鉄鋼業、石油・石炭製品工業。
在庫は、前月比-1.5%の低下。低下業種は電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)、鉄鋼業等。上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業。
2.製造工業生産予測調査
生産は12月、1月とも上昇を予測。製造工業生産予測指数によると、生産は12月が前月比2.0%の上昇、1月が同2.2%の上昇見込み。
12月の上昇業種は輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業等。1月の上昇業種は汎用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等
製造工業生産予測調査 (季節調整済前月比(%))
平成22年(2010年)=100
平成28年11月 | 平成28年12月見込み | 平成29年1月見込み | |
平成28年12月調査(今回) | 2.0 | 2.2 | |
平成28年11月調査(前回) | 4.5 | ▲0.6 |
予測指数の補正値試算
製造工業生産予測指数を補正した試算値は、12月は0.0%の横ばい見込み。11月の補正値は1.7%であったが、鉱工業指数の11月の前月比は1.5%であった。
製造工業生産予測指数の補正値(季節調整済前月比%)
平成22年(2010年)=100
試算値 | 予測調査結果 | |
12月前月比 | 0.0%(▲1.0~1.0%) | 2.0% |
※上段の数値が、最も可能性の高い値(最頻値)。最頻値とならない場合でも( )の幅の中に90%の確率で収まるという計算結果になっている。
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平成29年1月5日(木)Vol.692
粗鋼生産 前年比1.4%減
燃料油生産 前年比2.6増
経産省 11月の生産動態統計速報発表
経済産業省と資源エネルギー庁は12月28日、10月の生産動態統計速報を発表した。それによると10月の粗鋼生産量は861.9万トンで前月比4.8%増、前年同月比1.4%のともに減となった。
また、石油製品の11月の生産は燃料油計で1,481.2万㎘と前月比5.9%、前年同月比2.6%ともに増となった。
鉄鋼製品と石油製品の11月の生産・出荷動向は次の通り。
【鉄鋼の生産】
11月の炉別生産をみると、転炉鋼が657.4万トンと前月比5.2%減、前年同月比1.8%減、電炉鋼が204.4万トンと同3.4%減、同0.1%増となり、前年同月比でみると転炉鋼は2カ月振りの減少、電炉鋼は2カ月連続の増加となった。
鋼種別生産では、普通鋼が662.9万トンと前月比3.7%減、前年同月比2.7%減、特殊鋼が198.9万トンと同8.4%減、同3.2%増となり、前年同月比では普通鋼は3カ月連続の減少、特殊鋼は7カ月連続の増加となった。
熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は775.7万トンと前月に比べ27.0万トン・3.4%減、前年同月比では1.2%増と4カ月連続の増
加となった。1~11月計では8,494.1万トン(前年同期比0.6%減)となった。
普通鋼熱間圧延鋼材の生産は612.1万トンと前月に比べ17.3万トン・2.7%減、前年同月比では0.4%増と2カ月連続の増加となった。1~11月計では6,721.7万トン(前年同期比1.3%減)となった。
品種別では、条鋼類は159.1万トン、前月比0.4%増、前年同月比2.4%増で、前年同月比では2カ月連続の増加となった。鋼板類は448.5万トン、同3.4%減、同0.5%減となり、前年同月比では4カ月振りの減少となった。
品種別では、条鋼類が158.3万トンと前月比9.8%、前年同月比1.3%のともに増で、前年同月比26カ月振りの増加となった。鋼板類は463.2万トンで前月比3.5%、前年同月比2.2%のともに増で、前年同月比3カ月連続の増となった。
主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が364.8万トンと前月比2.3%減で、前年同月比も0.7%の微減。冷延広幅帯鋼が152.8万トンと前月比3.3%減だが、前年同月1.2%増。冷延電気鋼帯が10.6万トンと前月比5.6%減だが、前年同月比3.8%増。鋼板が84.9万トンと前月比7.0%減だが、前年同月比1.6%増。小形棒鋼が71.7万トンと前月比2.7%、前年同月比4.7%のともに減。H形鋼が32.3万トンと前月比6.0%減で、前年同月比も0.4%の微減。線材が13.2万トンと前月比14.9%の2桁減で、前年同月比も4.1%減となった。
特殊鋼では、熱間圧延鋼材が164.0万トンと前月比5.4%減だが、前年同月比4.9%増。冷延広幅鋼帯が22.1トンと前月比0.9%の微減だが、前年同月比1.2%増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が38.4万トンと前月比4.0%、前年同月8.0%のともに増。特殊鋼が16.6万トンと前月比6.7%減だが、前年同月比65.0%の大幅増となった。
めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が87.5万トンと前月比5.3%減だが、前年同月比1.5%増となった。
【鉄鋼の出荷】
出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が180.3万トンと前月比3.1%、前年同月比も2.0%のともに減。鋼板が88.7万トンと前月比3.6%減だが、前年同月比7.3%増。小形棒鋼が72.5万トンと前月比1.4%増、前年同月比4.0%のともに増。冷延広幅帯鋼が60.0万トンと前月比3.6%減だが、前年同月比14.7%の2桁増となった。
特殊鋼の熱間圧延鋼材は1124.5万トンと前月比1.9%減だが、前年同月比7.1%増。冷延広幅帯鋼は21.9万トンと前月比3.7%減だが、前年同月比12.2%の2桁増となった。
熱間鋼管では、普通鋼が32.7万トンと前月比0.7%の微増で、前年同月比も6.9%増。特殊鋼が16.7万トンと前月比2.4%減だが、前年同月比89.0%の大幅増となった。
めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が92.8万トンと前月比1.3%減だが、前年同月比13.7%の2桁増となった。
【石油の生産】
11月の生産を油種別にみると、重油が283.0万㎘と前月比10.5%、前年同月比11.6%のともに2桁増。ガソリンが435.2万㎘で前月比2.1%増だが、前年同月比3.1%減。軽油が345.7万㎘と前月比9.6%、前年同月比4.8%のともに増。最需要期を迎えた灯油が136.2万㎘と前月比24.6%の大幅増だが、前年同月比9.3%減。ナフサが164.1㎘と前月比0.3%の微増で、前年同月比も8.3%増。ジェット燃料油が117.0万㎘と前月比8.4%減だが、前年同月比6.9%増。液化石油ガスが29.7万トンと前月比12.4%増だが、前年同月比1.8%減。アスファルトが22.4万トンと前月比17.4%の2桁増だが、前年同月比14.8%の2桁減。潤滑油が20.1万㎘と前月比13.7%の2桁増で、前年同月比も29.6%の大幅増となった。
【石油の出荷】
出荷を油種別にみると、重油が292.3万㎘と前月比10.7%の2桁増で、前年同月比も4.5%増。ガソリンが442.1万㎘と前月比2.5%、前年同月比3.9%のともに減。軽油が348.3万㎘と前月比0.8%の微増だが、前年同月比0.4%の微減。灯油が167.2万㎘と前月比31.6%の大幅増で、前年同月比も8.7%増。ナフサが368.6万㎘と前月比6.2%、前年同月比2.2%のともに増。ジェット燃料油が132.5万㎘と前月比8.2%減だが、前年同月比15.9%の2桁増。液化石油ガスが41.3万トンと前月比8.4%増だが、前年同月比9.4%減。アスファルトが19.0万トンと前月比5.7%増だが、前年同月比2.5%減。潤滑油が21.6万㎘と前月比10.2%、前年同月比17.5%のともに2桁増となった。
【コークス・石灰石】
11月のコークスの生産は274.8万トンと前月比2.7%減だが、前年同月比5.6%増。出荷は71.4万トンと前月比4.1%増だが、前年同月比3.9%減。石灰石の生産は1,220.4万トンと前月比0.0%の横這いだが、前年同月比3.2%増。出荷は961.7万トンと前月比2.3%、前年同月比1.6%のともに減を示した。
※添付資料
鉄鋼統計速報 平成28年11月 Excel
資源エネルギー統計速報 平成28年11月 Excel
平成29年1月5日(木)Vol.693
燃料油販売 11ヵ月振り前年比増
エネ庁 11月の石油統計速報発表
資源エネルギー庁は12月28日、11月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。
1.原油の動向
11月の原油輸入量は1,498万㎘、前年同月比96.3%と5カ月連続して前年を下回った。輸入量の多い順にみると、
(1)サウジアラビア(588万㎘、前年同月比103.8%)
(2)アラブ首長国連邦(368万㎘、同110.1%)
(3)イラン(113万㎘、同141.2%)
(4)カタール(112万㎘、同105.2%)
(5)ロシア(80万㎘、同62.0%)となっている。
11月の中東依存度は88.4%、前年同月に比べ6.3ポイント増と13カ月連続して前年を上回った。
2.燃料油の生産
燃料油の生産は1,481万㎘、前年同月比102.6%と前年を上回った。油種別にみるとナフサ、ジェット燃料油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン及び灯油は前年同月を下回った。
3.燃料油の輸入、輸出
燃料油の輸入は265万㎘、前年同月比96.6%と10カ月連続して前年を下回った。輸出は248万㎘、同95.2%と2カ月連続して前年を下回った。
4.燃料油の国内販売
燃料油の国内販売は1,558万㎘、前年同月比107.5%と14カ月振りに前年を上回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を上回った。
5.燃料油の在庫
燃料油の在庫は981万㎘、前年同月比88.4%と16カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。
※添付資料
石油需給概要 平成28年11月 Excel