No.697: 1月生産 6ヵ月振り低下 2月回復も3月再下落予測 経産省1月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表
No.698: 燃料油販売 2カ月連続減 エネ庁 1月の石油統計速報発表
No.699: 粗鋼生産 前年比2.7%増 燃料油生産 前年比3.0%増 経産省 1月の生産動態統計速報発表

平成29年3月6日(月)Vol.697

1月生産 6ヵ月振り低下

2月回復も3月再下落予測

経産省1月の鉱工業・生産出荷・在庫速報発表

 

経済産業省は2月28日、1月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、1月の鉱工業生産は前月比0.8%低下で、6カ月振りに前月比低下した。生産計画を集計した結果では、2月に一旦回復するものの、3月に大きく低下するとされている。鉱工業生産は指数値が比較的高いものの、前月比低下となった。

1月を業種別にみると電子部品とデバイス工業は好調持続だが、他業種は軟調傾向にあり、生産と出荷が低下、在庫は横ばいで在庫率は上昇であった。製造工業生産予測調査によると2月は上昇、3月は低下を予測している。だが、総じてみれば、生産は持ち直しの動きがみられる。

1月の鉱工業生産は、指数値が比較的高いものの、前月比で低下した。予測調査では、1月の生産低下を受けて2月は増産だが、3月は低下の計画となっている。

1月の「生産」は、季節調整済指数99.8、前月比0.8%低下だった。1月は、昨年7月以来の6カ月振りの前月比低下となった。前年同月比は、引き続きプラスを維持しており、平成28年平均をかなり上回っている。指数値99.8も、ここ数年の中では、比較的高い値であり、鉱工業生産水準自体はそれ程低下したということではない。

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1月の鉱工業出荷は、指数値98.5、前月比0.4%低下だった。これで、鉱工業出荷は2カ月連続前月比低下となった。生産同様に、前年同月比プラスが維持されており、28年平均と比べても高い水準が維持されている。

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2月初頭調査による2月、3月の生産計画は、2月が前月比3.5%上昇を見込む予想だったが、これに含まれる上方予測誤差を補正すると前月比1.1%上昇を中心とする0.1%~2.1%上昇幅の中での変動になる可能性が高い計算結果となった。

他方、3月の生産計画は、前月比(2月)の単純集計値からの比率で、5.0%低下と、季節調整後の生産が大きく低下する生産計画になっているが、これは、昨年3月の生産実績比で1.5%のプラスで、多少前年同月比プラスが小さくなっている。

注)▲はマイナスを示す。
平成29年1月 平成29年2月見込み 平成29年3月見込み
平成29年2月調査(今回) 3.5 ▲5.0
平成29年1月調査(前回) 3.0 0.8

製造工業生産予測調査の試算値 (季節調整済前月比(%))

平成22年(2010年)=100

注)▲はマイナスを示す。
試算値 予測調査結果
1月前月比 1.1%
(0.1%~2.1%)
3.5%

月の鉱工業生産では、電子部品・デバイス工業の生産は、やはりスマホ等の情報デバイス向けの電子部品が昨年生産水準を超えて堅調に推移したが、普通乗用車等の予定通りの減産と、化学工業の化粧品や汎用・生産用・業務用機械工業のコンベヤ等の昨年12月好調分の剥落によって低下となった。

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今年2月、3月の生産計画の業種的な動きをみると、2月の生産計画では製造工業全体は前月比3.5%上昇で、11業種全てが1月に比べて生産を増やすとされている。特に上昇寄与が大きいのは、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業となっている。

3月の生産計画では、製造工業全体は前月比マイナス5.0%低下となっており、11業種のうち10業種が2月の生産計画から低下させるという計画になっている。3月の計画低下への寄与が大きいのは、汎用・生産用・業務用機械工業と電子部品・デバイス工業だった。

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月までの鉱工業生産指数の動きと、生産予測調査の2月生産計画及びその補正値からみると、1月の低下も2月の上昇で相殺されることとなり、鉱工業生産の状況は現状維持となる。この結果、基調判断は「持ち直しの動き」で据え置くこことした。

但し、3月の生産計画では勢いに明瞭に変化がみられ、その実績を慎重にみていく必要がある。

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平成29年3月6日(月)Vol.698

燃料油販売 2カ月連続減

エネ庁 1月の石油統計速報発表

 

資源エネルギー庁は2月28日、1月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

1月の原油輸入量は1,706万㎘で、前年同月比101.7%と2カ月連続して前年を上回った。輸入量の多い順にみると次の通りとなる。

(1)サウジアラビア(710万㎘、前年同月比108.9%)

(2)アラブ首長国連邦(357万㎘、同84.8%)

(3)クウェート(136万㎘、同103.5%)

(4)ロシア(110万㎘、同105.7%)

(5)カタール(105万㎘、同76.5%)となっている。

1月の中東依存度は86.1%で、前年同月比1.0ポイント減と15カ月振りに前年を下回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,626万㎘で、前年同月比103.0%と3カ月連続して前年を上回った。油種別にみると、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ジェット燃料油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

燃料油の輸入は323万㎘で、前年同月比94.4%と12カ月連続して前年を下回った。輸出は278万㎘、同105.1%と2カ月連続して前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,636万㎘、前年同月比99.0%と2カ月連続して前年を下回った。油種別にみると、軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は954万㎘で、前年同月比91.1%と18カ月連続して前年を下回った。油種別にみても、全油種(ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油)について前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成29年1月 Excel

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平成29年3月6日(月)Vol.699

粗鋼生産 前年比2.7%増

燃料油生産 前年比3.0%増

経産省 1月の生産動態統計速報発表

 

経済産業省と資源エネルギー庁は2月28日、1月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は900.3万トンで前月比3.3%、前年同月比2.7%のともに増となった。前年同月比では2カ月連続の増加だった

また、石油製品生産量は燃料油計が1,625.5万㎘と前月比2.3%減だが、前年同月比3.0%の増となった。

【1月の鉄鋼生産】

炉別生産をみると、転炉鋼が704.4万トンと前月比4.7%増、前年同月比1.4%増、電炉鋼が195.8万トンと同1.5%減、同7.6%増となり、前年同月比でみると転炉鋼は2カ月連続の増加、電炉鋼は4カ月連続の増加となった。

鋼種別生産では、普通鋼が693.7万トンと前月比3.3%増、前年同月比2.4%増、特殊鋼が206.5万トンと同3.3%増、同3.5%増となり、前年同月比では普通鋼は2カ月連続の増加、特殊鋼は9カ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は789.3万トンと前月に比べ18.6万トン・2.4%増、前年同月比では3.3%増と6カ月連続の増加となった。2016年4月~2017年1月では7,760.3万トンと前年同期比1.1%増となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は625.3万トンと前月に比べ26.7万トン・4.5%増、前年同月比では3.4%増と2カ月振りの増加となった。2016年4月~2017年1月では6,130.7万トンと前年同期比0.2%増となった。

品種別では、条鋼類は151.9万トン、前月比0.4%増、前年同月比5.6%増で、前年同月比では4カ月連続の増加となった。鋼板類は470.0万トン、同5.9%増、同2.7%増となり、前年同月比では3カ月振りの増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が391.6万トンと前月比7.8%、前年同月比4.9%のともに増。冷延広幅帯鋼が160.9万トンと前月比3.8%増で、前年同月も0.8%の微増。鋼板が79.0万トンと前月比2.0%、前年同月比6.6%のともに減。小形棒鋼が66.9万トンと前月比3.6%減だが、前年同月比4.1%増。H形鋼が31.8万トンと前月比0.9%の微増で、前年同月比3.8%増となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が164.6万トンと前月比4.4%減だが、前年同月比3.5%増。冷延広幅鋼帯が25.2トンと前月比14.3%、前年同月比10.5%のともに2桁増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が33.9万トンと前月比2.5%減だが、前年同月0.4%の微増。特殊鋼が15.1万トンと前月比13.6%の2桁減だが、前年同月比11.0%の2桁増となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が97.3万トンと前月比4.7%、前年同月比5.1%のともに増となった。

【1月の鉄鋼出荷】

出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が187.3万トンと前月比3.7%、前年同月比6.5%のともに増。鋼板が75.2万トンと前月比7.3%、前年同月比6.4%のともに減。小形棒鋼が64.9万トンと前月比5.3%減だが、前年同月比1.5%増。H形鋼が30.6万㌧で前月比0.5の微減だが、前年同月比0.9%の微増。冷延広幅帯鋼が54.8万トンと前月比1.6%減だが、前年同月比3.4%増となった。

特殊鋼の熱間圧延鋼材は118.1万トンと前月比2.8%減だが、前年同月比5.1%減。冷延広幅帯鋼は21.6万トンと前月比9.0%、前年同月比9.3%のともに増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が29.9万トンと前月比4.3%減だが、前年同月比7.9%増。特殊鋼が17.0万トンと前月比12.4%の2桁増で、前年同月比89.7%の大幅増となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が90.1万トンと前月比2.4%、前年同月比8.4%のともに増となった。

【1月の石油生産】

1月の生産を油種別にみると、重油が303.2万㎘と前月比1.8%減だが、前年同月比1.2%増。ガソリンが463.4万㎘で前月比5.5%減だが、前年同月比0.3%微増。軽油が336.5万㎘と前月比5.0%減だが、前年同月比2.6%増。灯油が231.0万㎘と前月比11.4%の2桁増で、前年同月比も9.0%増。ナフサが191.3㎘と前月比1.5%減だが、前年同月比13.8%の2桁増。ジェット燃料油が100.2万㎘と前月比、前年同月比ともに7.5%減。液化石油ガスが37.0万トンと前月比7.0%、前年同月比5.3%のともに増。アスファルトが30.8万トンと前月比3.1%減で、前年同月比3.2%増。潤滑油が20.1万㎘と前月比10.2%の2桁減で、前年同月比も1.9%減となった。

【1月の石油出荷】

出荷を油種別にみると、重油が314.0万㎘と前月比2.5%減だが、前年同月比0.1%の微増。ガソリンが445.2万㎘と前月比10.3%の2桁増減で、前年同月比0.3%の微減。軽油が337.6万㎘と前月比7.9%減だが、前年同月比1.8%増。灯油が247.7万㎘と前月比4.0%増だが、前年同月比1.9%減。ナフサが419.0万㎘と前月比2.7%、前年同月比3.0%のともに増。ジェット燃料油が107.1万㎘と前月比6.4%、前年同月比3.1%のともに減。液化石油ガスが47.6万トンと前月比4.8%増だが、前年同月比0.0%の横這い。アスファルトが16.9万トンと前月比16.4%の2桁減だが、前年同月比5.0%増。潤滑油が22.6万㎘と前月比7.4%減だが、前年同月比5.0%増となった。

【コークス・石灰石】

1月のコークスの生産は283.6万トンと前月比0.6%の微増で、前年同月比も2.0%増。出荷は74.5万トンと前月比7.9%、前年同月比9.1%のともに増となった。

1月の石灰石の生産は1,239.5万トンと前月比1.7%増で、前年同月比も0.6%の微減。出荷は1,100.5万トンと前月比11.2%の2桁減だが、前年同月比3.9%増を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成29年1月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成29年1月 Excel