No.720: 生産 11カ月連続前年比増 経産省 9月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.721: 国内販売 4カ月振り前年比増 エネ庁 9月の石油統計速報発表
No.722: 粗鋼生産 前年比5カ月振り増 燃料油生産 前年比8カ月連続減 経産省 9月の生産動態統計速報発表

平成29年11月1日(水)Vol.720

生産 11カ月連続前年比増

経産省 9月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 

経済産業省は10月31日、9月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、9月の生産は前月比マイナス1.1%低下となったが、低下幅は限定的で7〜9月は6期連続の前期比上昇で、10月の生産予測調査(生産予測指数)は、先行き強気の集計結果となった。

今回の集計によれば9月の鉱工業生産は低下で、出荷は大きめの低下だが、第3四半期は前期比プラスとなった。低下寄与率が大きいのは電子部品、デバイス工業と汎用・生産用・業務用機械工業で、9月の生産では素材型業種の生産が好調だった。10月の生産計画は前月比上昇だったが、11月は若干の低下見込みで、今後の基調判断は据え置zenkき「生産は持ち直しの動き」となった。

生産・出荷 2カ月振り減

9月の鉱工業生産は季節調整済指数102.4で、前月比マイナス1.1%低下と2カ月振りの低下となった。前年同月比は2.5%上昇で、11カ月連続で前年同月比上昇が続いている。今年7〜9月期、第3四半期の指数値は102.5、前期比0.4%上昇だった。この四半期では7月と9月が前月比マイナスではあるが、それらを補う程に8月の上昇幅が高き、3カ月をならすと6四半期連続の前期比プラスとなった。

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9月の鉱工業出荷は、指数値99.2で、前月比マイナス2.6%低下と2カ月振りの低下となった。前年同月比は1.4%上昇で、生産同様に昨年11月から11カ月連続で前年同月比上昇が続いている。7〜9月期の指数値は100.3、前期比0.3%上昇だった。出荷も生産と同様に7月、9月と前月比マイナスではあったが、8月の伸びが大きく、鉱工業出荷も2四半期連続の前期比プラスとなった。

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9月の鉱工業生産は、前月比マイナス1.1%と2ヵ月振りの低下だったが、15業種のうち、9業種が前月比低下となった。生産低下業種のうち9月の生産低下への影響度、寄与が特に大きいのは電子部品、デバイス工業と汎用・生産用・業務用機械工業と金属製品工業だった。

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また、上昇寄与が最も大きかったのは、美容液等の化粧品の生産が好調だった化学工業で、前月比7.6%上昇だった。最近、国内工場の新設の話題があるように、化粧品の国内生産は好調だ。

9月の鉱工業生産上昇業種をみると非鉄金属工業、鉄鋼業などの素材型業種の生産上昇が目立つ。化学工業についても、石油化学製品など川上の化学原料の生産が戻って来ているが、その分、合成ゴム、ポリスチレンなどの在庫が上昇している。

9月は金属素材や化学素材など素材型製品の生産の上昇と、電子部品や生産設備などの機械類(加工型業種)の低下とが好対照となった月となった。

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10月上旬に実施した10月、11月の生産計画を調査した生産予測調査の結果、10月の生産計画を集計すると、前月比4.7%と大きな上昇を見込む結果になった。11月の生産計画は、10月計画から前月比マイナス0.9%低下の結果だった。10月の見込み値に含まれる上方バイアスを補正すると、前月比2.4%程度に上昇幅が縮小するという計算結果である。

製造工業生産予測指数 (季節調整済前月比(%))

注)▲はマイナスを示す。
平成29年10月見込み 平成29年11月見込み
平成29年10月調査(今回) 4.7% ▲0.9%
平成28年9月調査(前回) 3.5%

製造工業生産予測指数の補正値 (季節調整済前月比(%))

試算値 予測調査結果
10月前月比 2.4%
(1.4%~3.4%)
4.7%

ただ注意すべきは、生産予測調査が月の上旬に実施しており、今般大きな関心を引いている製品検査段階での各種の不正事案の生産への影響については、基本的に反映されていないことだ。それぞれの計画値は実績段階で下方修正される可能性も高く、今回の集計結果については、実績の予測としては評価が難しい面があると思われる。

9月の鉱工業生産は前月比マイナスだったが、先月の生産計画のる低下幅より小幅の生産低下に収まった。第3四半期の鉱工業生産は6期連続の前期比プラス、鉱工業出荷も2期連続の前期比プラスだった。10月実施の生産計画の調査結果は評価の難しい面があるが、強気の生産計画となっていると言える。

こうした状況を踏まえ基調判断は、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたい。

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平成29年11月1日(水)Vol.721

国内販売 4カ月振り前年比増

エネ庁 9月の石油統計速報発表

 

資源エネルギー庁は10月31日、9月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

9月の原油輸入量は1,512万㎘、前年同月比98.0%と2カ月連続で前年を下回った。輸入量の多い順にみると次の通りだった。

(1)サウジアラビア…… 562万㎘、前年同月比114.6%

(2)アラブ首長国連邦……402万㎘、同101.1%

(3)クウェート……………131万㎘、同120.5%

(4)カタール………………109万㎘、同71.8%

(5)イラン…………………103万㎘、同68.9%

9月の中東依存度は89.1%、前年同月に比べ2.0ポイント増と2カ月連続で前年を上回った。

2.燃料油の生産

9月の燃料油の生産は1,445万㎘で、前年同月比99.0%と2カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びナフサは前年同月を上回ったが、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入、輸出

9月の燃料油の輸入は208万㎘で、前年同月比101.6%と2カ月連続で前年を上回った。輸出は327万㎘、前年同月比104.6%と3カ月連続で前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

9月の燃料油の国内販売は1,351万㎘で、前年同月比100.6%と4カ月振りに前年を上回った。油種別にみるとナフサ、灯油及び軽油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ジェット燃料油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は1,014万㎘で、前年同月比94.2%と2カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ガソリン及びA重油は前年同月を上回ったが、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成29年9月 Excel

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平成29年11月1日(水)Vol.722

粗鋼生産 前年比5カ月振り増

燃料油生産 前年比8カ月連続減

経産省 9月の生産動態統計速報発表

 

経済産業省は10月31日、9月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は862.6万トンで前月比1.2%減だが、前年同月比2.0%増となった。前年同月比では5カ月振りの増となった。また、石油製品生産量は燃料油計が1,445.0万㎘で前月比4.6%、前年同月比1.0%のともに減となった。前年同月比では2月以来8カ月連続減となっている。

【9月の鉄鋼生産】

9月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも前月比では増加したが、前年同月比では減少した。

銑鉄は667.6万トンと前月に比べ2.2%増だが、前年同月比4.7%減となり、前年同月比では7カ月連続の減少となった。

粗鋼は873.1万トンで前月比1.7%増だが、前年同月比2.0%減となり、前年同月比では4カ月連続の減少となった。8月の1日当たり粗鋼生産は28.16万トンで、7月の同27.70万トンに比べ1.7%増となった。

炉別でみると、転炉鋼が677.9万トンと前月比3.1%増だが、前年同月比5.5%減。電炉鋼が195.2万トンと前月比3.1%減だが、前年同月比12.3%増となった。前年同月比でみると転炉鋼は4カ月連続の減少、電炉鋼は11カ月連続の増加となった。

鋼種別では、普通鋼が667.5万トンと前月比2.6%増だが、前年同月比3.2%減、特殊鋼が205.6万トンと前月比1.4%減だが、前年同月比2.1%増となり、前年同月比では普通鋼は4カ月連続の減少、特殊鋼は16カ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)は782.1万トンと前月比4.4%増だが、前年同月比0.6%の微減となり、前年同月比では4カ月連続の減少となった。

普通鋼熱間圧延鋼材は616.9万トンと前月比6.1%増だが、前年同月比2.6%減となり、前年同月比では6カ月連続の減少となった。

品種別では、条鋼類は143.3万トンと前月比3.4%増で、前年同月比0.6%の微増となり、前年同月比では4カ月振りの増加となった。鋼板類は469.9万トンと前月比7.1%増だが、前年同月比3.5%減となり、前年同月比では7カ月連続の減少となった。

主要品種の生産内訳をみると、多くの品種で前年同月比が増加を示している。普通鋼では鋼帯が367.3万トンと前月比5.7%減だが、前年同月比1.7%増。冷延広幅帯鋼が162.8万トンと前月比2.2%、前年同月比4.0%のともに増。鋼板が81.1万トンと前月比1.0%、前年同月比5.8%のともに減。小形棒鋼が72.3万トンと前月比9.3%、前年同月比5.5%のともに増。H形鋼が34.2万トンと前月比3.0%増で、前年同月比20.3%の大幅増となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が172.7万トンと前月比4.6%、前年同月比3.0%のともに増。冷延広幅鋼帯が25.3トンと前月比3.3%、前年同月比2.1%のともに増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が37.6万トンと前月比3.9%、前年同月比2.3%のともに増。特殊鋼が14.3トンと前月比10.0%の2桁増だが、前年同月比17.3%の2桁減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が96.1万トンと前月比4.2%、前年同月比3.8%のともに増となった。

【9月の鉄鋼出荷】

9月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が179.1万トンと前月比7.9%、前年同月比4.5%のともに減。鋼板が81.9万トンと前月比15.9%の2桁増だが、前年同月比3.2%減。小形棒鋼が72.2万トンと前月比5.6%、前年同月比2.9%のともに増。H形鋼が33.7万㌧と前月比9.7%増で、前年同月比も11.1%の2桁増。冷延広幅帯鋼が59.3万トンと前月比10.9%の2桁増で、前年同月比も4.3%増となった。

特殊鋼では熱間圧延鋼材が131.1万トンと前月比12.7%の2桁増で、前年同月比も6.1%増。冷延広幅帯鋼が59.3万トンと前月比10.9%の2桁増で、前年同月比も4.3%増となった。

熱間鋼管では普通鋼が33.2トンと前月比12.6%の2桁増で、前年同月比0.2%の微増。特殊鋼が11.9万トンと前月比9.0%増だが、前年同月比12.3%の2桁減となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が94.1万トンと前月比13.6%と2桁増で、前年同月比も2.9%増となった。

【9月の石油生産】

9月の石油製品の生産を油種別にみると、重油が234.0万㎘と前月比4.0%増だが、前年同月比8.8%減。ガソリンが436.0万㎘で前月比9.5%減だが、前年同月比4.2%増。軽油が360.5万㎘と前月比9.7%、前年同月比1.0%のともに減。灯油が98.2万㎘と前月比0.2%の微減で、前年同月比も5.9%減。ナフサが169.3万㎘と前月比7.3%、前年同月比2.3%のともに増。ジェット燃料油が147.0万㎘と前月比3.3%、前年同月比2.1%のともに減。液化石油ガスが40.4万トンと前月比2.1%減だが、前年同月比17.1%の2桁増。アスファルトが28.4万トンと前月比1.0%減だが、前年同月比8.4%増。潤滑油が17.0万㎘と前月比3.2%減で、前年同月比13.6%の2桁減となった。

【9月の石油出荷】

9月の石油製品の出荷を油種別にみると、重油が244.0万㎘と前月比7.1%増だが、前年同月比5.9%減。ガソリンが444.4万㎘と前月比8.9%減だが、前年同月比0.5%の微増。軽油が384.4万㎘と前月比2.5%減で、前年同月比0.2%の微減。灯油が92.5万㎘と前月比18.9%の2桁増で、前年同月比7.8%増。ナフサが370.2万㎘と前月比3.4%減だが、前年同月比8.2%増。ジェット燃料油が143.37㎘と前月比13.0%の2桁減で、前年同月比2.0%減。液化石油ガスが47.7万トンと前月比0.7%減だが、前年同月比12.4%の2桁増。アスファルトが19.0万トンと前月比7.9%増だが、前年同月比3.3%減。潤滑油が18.0万㎘と前月比2.3%減で、前年同月比19.4%の2桁減となった。

【9月のコークス・石灰石】

9月のコークスの生産は264.5万トンと前月比5.5%、前年同月比2.9%のともに減。出荷は80.4万トンと前月比11.8%、前年同月比14.0%のともに2桁増となった。

9月の石灰石の生産は1,176.7万トンと前月比0.4%の微減だが、前年同月比2.5%増。出荷は945.1万トンと前月比4.6%、前年同月比2.1%のともに増を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成29年9月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成29年9月 Excel

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