平成20年10月30日(木)Vol.73
鉄鋼は伸びにやや陰り、石油は後退色ハッキリ
経済産業省が主要工業製品の9月生産速報発表
経済産業省はこのほど、主要工業製品の2008年9月の生産速報を発表した。以下、鉄鋼と資源エネルギー関係に絞って概要をみると、まず鉄鋼は粗鋼生産量が10,086千トンで前月比0.8%減ながら、前年同月比で1.6%増となっているが、これまでの底堅い伸びに陰りがみえ、景況の後退傾向を示し始めている。一方、資源エネルギー関係では、石油製品の生産量が燃料油計で15,787千klと前月比15.1%減、前年同月比8.2%減となった。原油価格高騰からの製品価格の相次ぐ値上げの中で、前月比ではパラフィン油以外の全ての石油製品が減少、前年同月比ではジェット燃料油、潤滑油、原油、天然ガスを除くと全ての石油製品が減少し、需要の落ち込み傾向が明確になっている。
鉄鋼生産を品種別にみると、普通鋼の熱間圧延鋼材では、鋼帯が4,201千トンで前月比2.5%増、前年同月比8.9%増と安定しているが、鋼板が1,139千トンで前月比1.1%の微増、前年同月比1.6%微減。形鋼が629千トンで前月比2.5%増だが、前年同月比4.9%減。線材が209千トンで前月比11.6%増、前年同月比2.7%増となった。
また、普通鋼の冷間仕上・冷延広幅鋼帯は2,039千トンで前月比1.3%微増、前年同月比4.1%増。特殊鋼の熱間圧延鋼材は1,892千トンで前月比8.2%増、前年同月比9.5%増。メッキ鋼材の亜鉛メッキ鋼板は1,248千トンで前月比3.1%増、前年同月比1.2%減となった。
石油生産を油種別にみると、重油がA重油とB・C重油を合わせて3,605千klで前月比15.1%減、前年同月比6.5%減。ガソリンが4,402千klで前月比9.9%減、前年同月比8.7%減。軽油が3,521千klで前月比17.4%減、前年同月比0.2%微減。灯油が1,223千klで前月比20.1%減、前年同月比9.0%減。ナフサが1,458千klで前月比29.4%減、前年同月比1.1%減。ジェット燃料油が1.590千klで前月比4.1%増、前年同月比14.0%増となった。
また、コークスは3,125千トンで前月比2.3%減、前年同月比1.5%減。液化ガスは377千トンで前月比15.0%減、前年同月比4.6%減となった。
鉄鋼生産速報 2008年9月 Excel
資源エネルギー生産速報 2008年9月 Excel