No.735: 生産・出荷 3カ月連続上昇 経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表
No.736: 燃料油販売 2カ月連続減 エネ庁 4月の石油統計速報発表
No.737: 粗鋼生産 前年比2カ月振り減 燃料油生産 前年比4カ月連続減 経産省 4月の生産動態統計速報発表

平成30年6月6日(火)Vol.735

生産・出荷 3カ月連続上昇

経産省 4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報発表

 

経済産業省は5月31日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫速報を発表した。それによると、①4月生産は前月比0.3%と3カ月連続上昇 ②鉱工業出荷も3カ月連続の前月比上昇 ③在庫は3カ月振りの前月比低下 ④5月の生産計画は微増で実績段階ではマイナスの可能性も高いとして、基調判断は「生産は緩やかな持ち直し」で据え置きとしている。

4月生産 3カ月連続上昇

4月の鉱工業生産は、季節調整済指数104.4で前月比0.3%上昇と3カ月連続の前月比上昇となった。1月に鉱工業生産が前月比で大きな低下を見せたが、その後は連続して増産が続いている。

 

生産指数のレベルとしては高めの推移になっているが、4月当初の生産計画で上方バイアスを補正した値でも前月比1.4%の増産見込みであったものが、結果的には前月比0.3%に上昇幅が留まっていること多少気になる。

第1四半期末に在庫循環が「意図せざる在庫積み上がり局面」に到達し、在庫指数も高止まりしていたことから強気の生産だったが、4月中旬に一部の業種で慎重な方向に修正され、増産の勢いに若干ブレーキがかかったといえる。

出荷も3カ月連続上昇

4月の鉱工業出荷は指数値103.3で、前月比1.8%と3カ月連続の前月比上昇となった。この指数値は近時の出荷指数として最も高い水準であった昨年12月と同じ水準となっている。第1四半期の出荷指数が100.2だったので、第2四半期の鉱工業出荷は1月の低下分を完全に払拭したレベルから開始することになる。

在庫 3カ月振り前月比減

4月の鉱工業在庫は指数値113.0で、前月比マイナス0.4%と3カ月振りの前月比低下となった。

鉱工業在庫は昨年10月から前年同月水準を上回るようになり、今年3月に大きく在庫水準が上昇し、平成28年当初の高い在庫レベルになっていた。過去2年削減されていた在庫が再び積み上がってしまったことになる。在庫の積み上がりにはストップがかかったが、水準自体は高いままである。

5月生産計画微増、減少の可能性も

5月上旬に実施した平成30年5〜6月の生産予測調査では、5月の生産計画について調査結果そのままを集計すると、前月比0.3%の微増を見込む結果になっている。この計画値に含まれるバイアスを補正して、5月の実績を試算してみると、前月比マイナス1.3%程度の低下という計算結果となった。5月の生産計画値は、4月調査値からマイナス1.2%の下方修正となっており、4月の生産実績が生産計画から3%程の下方修正だったことと合わせると、生産計画が慎重になっているといえる。

6月の生産計画は、補正前の5月計画から前月比マイナス0.8%低下する結果だった。5月実績が低下することで6月の生産計画の低下幅も緩和される版面、計画の下方修正もあると思われる。これにより6月の生産も実績段階でそれほど大きな伸びがあるとは想定できない調査結果である。

製造工業生産予測指数 (季節調整済前月比(%))

注)▲はマイナスを示す。
平成30年5月見込み 平成30年6月見込み
平成30年5月調査(今回) 0.3% ▲0.8%
平成30年4月調査(前回) ▲1.6%

製造工業生産予測指数の補正値 (季節調整済前月比(%))

試算値 予測調査結果
5月前月比 ▲0.3%
(▲2.3%~▲0.3%)
0.3%

生産は緩やかな持ち直し

4月の鉱工業生産は3カ月連続のプラスで、水準的に昨年12月の高い生産水準には及ばないが、今年1月の低下を回復してきた。出荷には勢いがあり、その結果、在庫は3カ月振りに前月比低下となった。

他方、先行きの生産計画に必ずしも勢いがあるとはいえず、在庫も積み上がりはストップしたが、水準自体はまだまだ高い水準で、生産の重石となる可能性が払拭できたとは言えない。

これらの結果を踏まえ、経産省では4月の鉱工業生産の基調判断について、「緩やかな持ち直し」で据え置きとしている。

また、同省では4月までの鉱工業生産が緩やかなペースで持ち直していること自体は認められるが、先行きについては慎重に見る必要があるように思われるとしている。

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平成30年6月6日(火)Vol.736

燃料油販売 2カ月連続減

エネ庁 4月の石油統計速報発表

 

資源エネルギー庁は5月31日、4月の石油統計速報を発表した。概要は次の通り。

1.原油の動向

4月の原油輸入量は1,536万㎘、前年同月比91.2%と前年を下回った。輸入量の多い順にみると、次のようになっている。

(1)サウジアラビア……619万㎘、前年同月比93.6%

(2)アラブ首長国連邦……428万㎘、同107.8%

(3)クウェート……139万㎘、同113.7%

(4)カタール……92万㎘、同78.1%

(5)ロシア……80万㎘、同76.3%

なお、4月の中東依存度は89.4%、前年同月に比べ5.4ポイント増と9カ月連続で前年を上回った。

2.燃料油の生産

燃料油の生産は1,352万㎘、前年同月比98.3%と5カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、ナフサ、ジェット燃料油及びB・C重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、灯油、軽油及びA重油は前年同月を下回った。

3.燃料油の輸入・輸出

燃料油の輸入は236万㎘、前年同月比79.0%と9カ月振りに前年を下回った。輸出は238万㎘、前年同月比117.2%と4カ月振りに前年を上回った。

4.燃料油の国内販売

燃料油の国内販売は1,318万㎘、前年同月比94.7%と2カ月連続で前年を下回った。油種別にみると、軽油及びA重油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油及びB・C重油は前年同月を下回った。

5.燃料油の在庫

燃料油の在庫は909万㎘、前年同月比98.8%と前年を下回った。 油種別にみると、ジェット燃料油及び灯油は前年同月を上回ったが、ガソリン、ナフサ、軽油、A重油及びB・C重油は前年同月を下回った。

※添付資料

石油需給概要 平成30年4月 Excel

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平成30年6月6日(火)Vol.737

粗鋼生産 前年比2カ月振り減

燃料油生産 前年比4カ月連続減

経産省 4月の生産動態統計速報発表

 

経済産業省は5月31日、4月の生産動態統計速報を発表した。それによると粗鋼生産量は871.8万トンと前月比4.0%減で、前年同月比も0.4%の微減となり、前年同月比では2カ月振りの減少となった。また、石油製品生産量は燃料油計が1,351.9万㎘と前月比11.9%の2桁減で、前年同月比1.7%減となり、前年同月比では4カ月連続の減となった。

【4月の鉄鋼生産】

4月の鉄鋼生産は銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも前月比、前年同月比とも減少した。

銑鉄生産は633.2万トンと前月比5.6%、前年同月比2.8%のともに減となり、前年同月比では2カ月振りの減少となった。

粗鋼生産は871.8万トンと前月比4.0%減で、前年同月比も0.4%減となり、前年同月比では2カ月振りの減少なった。4月の1日当たり粗鋼生産は29.1万トンで、3月の同29.3万トン比0.8%減となった。

炉別生産では、転炉鋼が644.9万トンと前月比4.9%、前年同月比2.6%のともに減。電炉鋼が227.4万トンと前月比1.3%減だが、前年同月比6.7%増となった。前年同月比では転炉鋼は2カ月振りの減少、電炉鋼は19カ月連続の増加となった。

鋼種別生産では、普通鋼が659.7万トンと前月比3.5%、前年同月比1.8%のともに減。特殊鋼が212.6万トンと前月比5.4%減だが、前年同月比4.4%増となった。前年同月比では普通鋼が2カ月振りの減少、特殊鋼が6カ月連続の増加となった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は763.3万トンと前月比6.5%減で、前年同月比も0.6%の微減となり、前年同月比では2カ月振りの減少となった。

普通鋼熱間圧延鋼材の生産は589.2万トンと前月比6.8%減で、前年同月比も0.9%の微減となり、前年同月比では2カ月振りの減少となった。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は174.1万トンと前月比5.5%減だが、前年同月比0.5%増となり、前年同月比では4カ月連続の増加となった。

主要品種の生産内訳をみると、普通鋼では鋼帯が344.1万トンと前月比9.8%、前年同月比5.2%のともに減。冷延広幅帯鋼が150.7万トンと前月比7.5%、前年同月比3.3%のともに減。鋼板が88.8万トンと前月比5.9%増で、前年同月比20.8%の大幅増。小形棒鋼が74.8万トンと前月比0.2%の微増で、前年同月比1.3%増。H形鋼が33.7万トンと前月比7.0%減だが、前年同月比8.3%増。冷延電気鋼帯が11.3万トンと前月比6.8%減だが、前年同月比7.1%増。線材が14.8万トンと前月比0.7%の微減で、前年同月比2.6%減となった。

特殊鋼では、熱間圧延鋼材が174.0万トンと前月比5.6%減だが、前年同月比0.4%の微増。冷延広幅鋼帯が25.7トンと前月比6.4%減だが、前年同月比10.0%の2桁増となった。

熱間鋼管では、普通鋼が36.7万トンと前月比5.4%減だが、前年同月比4.6%増。特殊鋼が14.5トンと前月比6.4%、前年同月比9.8%のともに減となった。

めっき鋼材では、亜鉛めっき鋼板が90.5万トンと前月比7.8%減で、前年同月比0.3%の微減となった。

【4月の鉄鋼出荷】

4月の主要品種の出荷を品目別にみると、普通鋼の鋼帯が163.3万トンと前月比12.8%の2桁減で、前年同月比も8.3%減。鋼板が86.1万トンと前月比2.4%減だが、前年同月比21.7%の大幅増。小形棒鋼が71.5万トンと前月比5.9%減だが、前年同月比3.3%増。H形鋼が32.3万㌧と前月比13.5%の2桁減だが、前年同月比6.1%増。冷延広幅帯鋼が52.5万トンと前月比16.4%の2桁減で、前年同月比も6.3%減。線材が14.9万トンと前月比3.8、前年同月比3.3のともに増となった。

特殊鋼では熱間圧延鋼材が119.6万トンと前月比16.9%の2桁減で、前年同月比も2.3%増。冷延広幅帯鋼が23.4万トンと前月比8.6%減だが、前年同月比12.7%の2桁増となった。

熱間鋼管では普通鋼が30.7万トンと前月比12.8%の2桁減だが、前年同月比7.1%増。特殊鋼が12.8万トンと前月比14.3%の2桁減だが、前年同月比31.9%の大幅増となった。

めっき鋼板では、亜鉛めっき鋼板が97.6万トンと前月比12.7%の2桁減で、前年同月比0.3%の微減となった。

【4月の石油生産】

4月の石油製品の生産を油種別にみると、重油が242.6万㎘と前月比19.9%の2桁減で、前年同月比も1.5%減。ガソリンが415.2万㎘で前月比6.7%、前年同月比1.9%のともに減。軽油が330.5万㎘と前月比3.6%減で、前年同月比0.4%の微減。不需要期に入った灯油が78.9万㎘と前月比52.1%、前年同月比32.7%のともに大幅。ナフサが147.7万㎘と前月比9.5%減だが、前年同月比10.9%の2桁増。ジェット燃料油が137.0万㎘と前月比17.9%の大幅増で、前年同月比も10.4%の2桁増。液化石油ガスが38.0万トンと前月比4.7%増だが、前年同月比3.0%減。アスファルトが19.6万トンと前月比24.8%の大幅減で、前年同月比も16.4%の2桁減。潤滑油が23.0万㎘と前月比11.7%の2桁増で、前年同月比25.3%の大幅増となった。

【4月の石油出荷】

4月の石油製品の出荷をみると、燃料油計で1,588.4万㎘と前月比10.0%の2桁減だが、前年同月比0.6%微増となった。油種別では重油が253.0万㎘と前月比19.4%の2桁減で、前年同月比0.9%の微減。ガソリンが427.1万㎘と前月比6.5%減だが、前年同月比0.4%の微増。軽油が324.1万㎘と前月比8.0%減で、前年同月比も0.1%の微減。灯油が87.6万㎘と前月比49.3%の大幅減で、前年同月比も15.4%の2桁減。ナフサが373.2万㎘と前月比2.9%、前年同月比5.1%のともに増。ジェット燃料油が123.5万㎘と前月比16.1%の2桁増で、前年同月比も6.3%増。液化石油ガスが47.7万トンと前月比0.4%の微減で、前年同月比も1.4%減。アスファルトが15.2万トンと前月比24.0%の大幅減で、前年同月比も10.3%の2桁減。潤滑油が23.7万㎘と前月比9.2%増で、前年同月比21.6%の大幅増となった。

【4月のコークス・石灰石】

4月のコークスの生産は269.9万トンと前月比2.6減で、前年同月比0.4%減。出荷は70.1万トンと前月比3.6%、前年同月比2.6%のともに減となった。

4月の石灰石の生産は1,135.3万トンと前月比9.8%減だが、前年同月比6.4%増。出荷は957.7万トンと前月比4.6%減だが、前年同月比7.0%増を示した。

※添付資料

鉄鋼統計速報 平成30年4月 Excel

資源エネルギー統計速報 平成30年4月 Excel

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