No.84:船員確保・育成計画で600名超の内航船員純増 認定113事業者が3~5年の計画期間中に1,832人採用予定

平成20年12月13日(土)Vol.84

船員確保・育成計画で600名超の内航船員純増

認定113事業者が3~5年の計画期間中に1,832人採用予定

 
国土交通省は12月11日、先に実施した日本人船員確保・育成計画により600名を超える内航船員が純増したことを発表した。

この計画は、本年6月6日に公布、同年7月17日に施行された『海上運送法及び船員法の一部を改正する法律』(以下、改正海上運送法)に基づくもので、船員の採用及び訓練を計画的に実施することにより、「日本船舶・船員確保計画」認定事業者が行う船員の確保・育成等を積極的に図る事業に対し、 支援措置等を講ずること等を定めたもの。この認定制度は「日本船舶・船員確保計画」に沿って、事業者が自ら将来の船員の確保・育成等のための計画(を作成し、認定申請し、国等からの助成金等の支援措置を受けながら同計画を実施することにより、船員の確保・育成等を積極的に図ること。

資金の確保は、日内航海運業界のグループ化を通じた船員の計画的な確保・育成月資格取得を通じた採用ニーズに即した人材の育成等、船員の育成・確保火退職自衛官、女性などの新たな船員供給源からの船員の確保・育成を図る等の取り組み(本法の基本方針に適合した日本船舶・船員確保計画)について、認定を受けた場合に、助成金が支給されることらになっている。

国土交通省の発表文次の通り。

育て!船員、次世代を担う船員の計画的確保・育成に113事業者

~初の日本船舶・船員確保計画により、内航船員は600名超の純増に~

平成20年12月11日

国土交通省海事局海事人材政策課

1.我が国の物流の大動脈を支える内航海運業は、国民の生活の向上、経済社会の発展に不可欠な産業ですが、中小零細企業が多く、45歳以上の高年齢者が64%という産業構造の中で、安定的な輸送を確保するために必要なヒューマンインフラたる船員を計画的に確保・育成していくことが困難な状況であった。

2.こうした状況を踏まえ、交通政策審議会海事分科会ヒューマンインフラ部会答申の中で「船員を集め、育て、キャリアアップを図り、陸上海技者への転身を支援する」との4本柱の施策の方向性が提示されたが、その中核をなす施策として創設されたのが、船舶運航事業者が改正海上運送法に基づき日本船舶・船員確保計画を策定し、この計画に基づいて船員の確保・育成を計画的に推進する船員計画雇用促進等事業であり、今般、同計画の認定申請が113事業者から行われ、全て国土交通大臣から認定された。

3.今般認定された113事業者の計画では、計画期間(3~5年)中に採用を予定する船員は、1,832人(うち船員未経験者は1,285人、船員経験者は547人)となり、計画期間中の退職予定者1,230人を差し引いても602人の船員が純増することとなった。3~5年の中期的な計画の下で次世代を担う船員の雇用、育成が推進されることは画期的であり、極めて有意義なことある。

また、注目すべきは、船員未経験者のうち、一般高校卒業生等の船員教育機関卒業生以外の者が半数以上を占めるとともに、新たな船員供給源である退職自衛官17人、女性船員31人を採用する計画が含まれていること。

今後とも本制度が有効に活用され、船員の計画的な確保・育成が持続的な取り組みとして進められるよう支援していきたい。

4.さらに、今般認定された事業者のうち、111認定事業者(貨物船89社、旅客船22社)からは、平成20年度に船員計画雇用促進等助成金の支給を受けるため、「船員の計画的確保育成実施書」が提出されている。助成金は、今後、具体的な実施結果を踏まえて支給することを予定している。

日本船舶・船員確保計画認定内訳

(1) 業種別内訳

貨物船  91事業者

旅客船  22事業者

合 計  113事業者

(2) 計画期間別内訳

3年   66事業者

4年     4事業者

5年   43事業者

合 計  113事業者

(3) 事業内容別内訳

グループ化の促進にかかる事業       9件

船員の資格取得促進にかかる事業     62件

新規供給源からの採用促進にかかる事業  97件

船員の計画雇用促進にかかる事業     89件

1事業者が複数の事業を行う場合がある。

(4) 認定事業者が計画期間中に採用しようとする船員未経験者の内訳

船員教育機関卒業生    834人

船員教育機関卒業生以外  651人

合 計         1,285人

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